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2005年6月 8日 (水)

40年前の精液の飛び散った雑誌

ADNIS1 「ADNS」1号

『薔薇族』の創刊は商業誌として、トーハンや、日販などの取次店を通して、日本全国の書店に配本するという点では、日本初ということになるが、正規のルートを通さない、小部数の同人誌のような雑誌は存在していた。

『ADNIS』という雑誌の第1号は、昭和27年9月10日に「アドニス会」から刊行されている。会員制で非売品となっており32頁しかない。第1号の目次を見ると、難しい読み物ばかりが並んでいる。この時代に同性愛の雑誌を出すとなると、医者が書いた読み物とか、江戸時代の衆道の文献「男色十寸鏡」の研究記事、高橋鐵さんの「老男根への憧憬」というような記事でも、当時の読者は興奮して読みふけっていたのだろう。

  読者の投稿の頁に、こんな文章が載っている。『薔薇族』が創刊される19年も前の話だから、どんなに読者が待ち望んでいたことか。

「逃げられぬ深い孤独もいくぶんでも慰められるなら、どんなに難しい条件にさからっても入会したいと思います。(石巻S・H)」
「アドニス会、私はこの会の出来たことが、うれしくて、うれしくて夜もねむれないぐらいです。(熊本S・M)」

  戦後発行されたカストリ雑誌などに、ゲイの読み物が少しでも載ると、むさぼるように読んでいた時代だった。

  この『ADNIS』には、その後、三島由紀夫さんが文体を変えて載せたという「愛の処刑」、推理小説の作家の中井英夫さん、この人は「短歌研究」の編集長もやっておられて、寺山修司君や、春日井健君を世に送り出した人なども書いている。他にも歌人の塚本邦雄さんもペンネームで書いていたと言われている。この雑誌は最後は取締当局の手によって発売禁止になってしまった。

  昭和46年に創刊された『薔薇族』の編集後記にぼくはこんなことを書いている。
「ADNIS」という雑誌を参考にとわけてくれた読者がいた。何人もの人たちの手で回し読みしたらしくて、精液のシミのついたなまなましいものだった。大変参考になったし、10年も前にこうした雑誌を作っていたことには驚きを感じている。」と。

ADNIS4
  No.46とある、この号は創刊から8年経っていると編集後記にあるが、頁数も44頁になって小説が何篇か載っている。その小説を読んで、ヌイたものに違いない。

  40年以上も前の誰のものか知らない精液のついた雑誌は、僕の宝物だと思っている。

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コメント

ヤフーオークションのゲイ雑誌で、アドニス

が出品されてますね。

投稿: momo | 2010年10月24日 (日) 11時45分

薔薇族以前よく 本屋で立ち読みしてました
何回か買ったこともありました
ページを何枚かめくり オナニーし 精液のシミ
がつき 本の厚みが増えたのを覚えています
オナニーの回数がわかります 今でも持っています

投稿: あきら | 2010年10月18日 (月) 19時19分

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