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2005年9月 2日 (金)

気持ちが悪いから見ないよ!

soba2

平成5年11月3日の文化の日に、新潟県西蒲原郡弥彦村(人口8千人)に、ぼくは「ロマンの泉美術館」をオープンさせました。

弥彦村は越後一ノ宮の「弥彦神社」のある村で、江戸時代から神社と共に栄えてきた村です。村には女房の兄が「小林組」という土建業を営んでいて、兄が土地を提供してくれ、建物も請け負って建ててくれたのです。

ぼくの本業は親父の代から出版業で、昭和46年に日本初の同性愛の専門誌『薔薇族』を創刊して、今日に至っています。

『薔薇族』を出し続けてきて、よかったことはと、人に聞かれると、最初の頃はお金持ちの読者に「ロールスロイス」に乗せてもらったこと、ホテルオークラの一泊100万円もする部屋に招待されたこと、などと答えていたのですが、月日が経つにつれて、答えが変わってきました。

センスのいいゲイの人たちから、豊かな感性を自然に学びとって、受け入れたことと、美意識を身に付けたことが、一番の大きな収穫と言えるでしょう。

それと長い間に、数えきれないほどのゲイの人たちと出会い、奥さんも、両親も、兄妹も知らないことをぼくだけに打ち明けてくれたことによって、誰もが見られないドラマを見続けることができたこと。

初めて人と出会ったとき、誰しもがその外見でしか判断しませんが、ぼくはその人の心の奥底までを見抜いてしまうようなことを会得してしまいました。

月に1度ぐらいしか、弥彦に行けずにいますが、たまたま、ぼくが美術館にいたときのことです。

美術館の中にあるレストランから、中年のご夫婦が出てきて、奥さんが展示場を見て行きたいと言ったら(ロマンの泉美術館はレストランだけの利用も可能なので、展示を必ず見なくてもよいのです。)、ご主人は「気持ちが悪いから見ないよ」と言って、入ろうとしませんでした。

その会話を僕は聞いて、このご主人はゲイなんだなぁと思ったものです。「ロマンの泉美術館」は、意識したのでなくて、自然と身についたぼくのゲイ感覚で造ったのが、ご主人に「気持ち悪い」と思わせたに違いありません。女好きの男だったら、「気持ち悪い」という発想は沸くわけがないからです。

ゲイ感覚で造られた美術館だからこそ、多くの女性たちには愛され続けているのです。

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