わが家の守り神は蛇(へび)君だ!
ぼくは世田谷区の代沢に昭和7ねんから73年も住んでいて、目と鼻の先にある代沢小学校に親子3代お世話になっている。
小学校の運動場の脇を川が流れていて、ぼくの子供の頃は、水もきれいで鯉やふなや、どじょうなども住んでいて、魚とりに夢中になっていたこともある。
それが戦後、川の周辺に民家が建ち始めて、たちまちのうちにどぶ川になってしまって、区でも川をつぶして下水にして、その上を遊歩道にしてしまった。
川がきれいだった頃は、蛇なんて珍しくなかったし、その辺をにょろ、にょろはっていても誰もびっくりしなかった。それがいつの間にか、蛇も、蛙も、とんぼすらも、その存在を忘れ去られてしまった。
完全に都会には蛇なんていないと誰もが信じきっているから、蛇をみつけたりすると大騒ぎになってしまう。
あの暑かった夏も、いつの間にか過ぎ去って10月に入ると、幼稚園に通っている孫のカズ君が衣替えして冬服になった。
そんなある日のこと、わが家の猫のひたいほどの庭の片隅で、なんと蛇のぬけがらをみつけたのだ。蛇君も衣替えの季節だったのだろうか。大きさからして、4、50センチぐらいのかわいい蛇君だろう。
庭の周りはコンクリートの塀だから、外に這い出してはいかないから、狭い庭のどこかにいることは間違いあるまい。
蛇は住んでいる家の守り神だというから、ピンチ続きのわが家にとってありがたい存在だ。庭に面したガラス戸には夜になるとヤモリ君の夫婦?が飛んでくる虫をねらってはりついている。
銀行の担保になっていて、とられてしまうかも知れない我が家だけど、きっと蛇君やヤモリ君のご夫婦が守ってくれると信じている。
★余計なことだけど、亡くなった僕の親は蛇年で、わが第二書房のマークは蛇のマークでした。蛇が自分の尻尾をどんどんのんでいくと「無」になってしまうという哲学的な意味をもっています。
戦前の第一書房のマークで、おそらく東京オリンピックのポスターやNTTのロゴをデザインした亀倉雄策さんのデザインと思われます。
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