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2005年11月 3日 (木)

『兵隊画集』より-外面は恐い顔をして、内心はニタニタと。

img119 ぬるくて、臭くて、お湯が少ない風呂・番町書房刊・『兵隊画集』より

『薔薇族』の初期の頃は、軍隊帰りの読者が元気だったので、戦時中の思い出を当初してくる方が多かった。これは軍隊の裏面史で貴重な資料になるだろう。

「僕は軍隊では進級の早い方であった。同年兵は農家や、漁師の者が多く、僕みたいに学校の先生などは珍しかったからに違いない。たちまち伍長、軍曹と進級して、いつの間にか班長さんになっていた。

戦況も不利になってくると、次から次へと初年兵が補強されてきて、ぼくは初年兵教育に大童であった。初年兵教育は普通、3ヶ月と決まっているものの、戦況が悪化してくると、のんびりしてはいられない。1、2ヶ月教育してどんどん戦線へ送り込むのである。」

たった1、2ヶ月の訓練で兵隊たちを戦線に送り込んでしまうなんて。こんなことで勝てるわけもない。鉄砲の打ち方だって、満足にできない兵隊なんて、考えるだけでも恐ろしくなってくる。この後も彼の文章は続く。

「兵隊が内地から送られてくると、先ず内務班に持ち物を整頓させ、次に風呂に入れる。これが大変である。狭い浴場はごった返しだから、浴場で脱衣させていては衣服を間違ったり、紛失したりで、後がわずらわしいため素っ裸で浴場に行かせる。

“軍隊は地方人と違うから前を隠す必要はない。手ぬぐいは鉢巻きにせよ。”

素っ裸の若者たちは外に出ると、営庭のはずれにある浴場までかけ足である。浴室ではいもを洗うようにして、どうにか汗を流した兵隊たちは、またかけ足で内務班に戻る。

この間、班長の僕は外面は恐い顔をして、内心はニタニタとして、イキの良い若者の裸を思う存分楽しむのである。自分の身の回りを世話させる当番兵を決めるのも、たいていこうした時にするのである。

僕の好みは、あまり体格の良い若者は好みではない。どちらかというと小柄で女性的な方が、なんとなく安心感もあり、征服するにもしやすいような気がする。

僕は決めた当番兵は身体こそ小柄だが、ペニスは一番大きな若者であった。夕食後、下士官室に読んで当番兵の役目を教える。

食事を運ぶこと、衣服の洗濯と手入れ、それに就寝の準備。演習に出るとき以外は、もっぱら班長のことだけをしていればよい。夜も班長が床に入ってから下士官室を去る」

軍隊って面白いところだ。上官に対しては絶対的に服従しなければならない。役得もいいところだ。言うことを聞いていれば、他の兵隊の用になぐられることもない。

これからが本番と言うところだろうか。

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