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2005年11月 1日 (火)

サンフランシスコから杖をついて

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1999年6月27日サンフランシスコのゲイパレードと歓迎してくれた市民

まだまだ、この世の中、捨てたものではない。親切で心のやさしい人っているものだ。

10月のある日のこと、見知らぬ人から電話がかかってきた。「おたくは伊藤さんですか?足の不自由な方が、サンフランシスコから訪ねてこられているのですが」そう言って、道を聞かれて、連れて来てくれたのだ。

わが家は代沢5丁目2番11号だが、5丁目が抜けていて、代沢2-11と手帖に書いてある。町名が抜けていて、よく訪ね当ててこられたものが。電車も下北沢で降りずに、ひとつ先の代田で降りてしまったという。

工事をしていた人に尋ねたら、親切に「これは下北沢じゃないか」と、地図まで書いて教えてくれた。電話番号も手帖に書いてあったのが幸いだった。

以前、全盲の読者が訪ねて来たり、まったく、しゃべれない人も訪ねてきて、筆談で大変だったこともある。日本語がまったく駄目なフランス人にも困ってしまった。

目と鼻の先にオープンしたカフェでサンフランシスコからのお客さんを迎えたが、ネットのブログでぼくのことを何でも知っているのにはびっくりしてしまった。

お年は81歳。40年前にシスコに渡って、33年前にレストランを開いて、今でもお見せをやっている。小さなビルを買い求めて1階がレストランで、その4階に住んでいる。4年前に脳こうそくで倒れ、リハビリを続けているそうだ。

昨年の9月に『薔薇族』が廃刊したときに「2ちゃんねる」なるものに「パソコンを使えないような編集長は失格だ。うちのじいちゃんは80歳を過ぎているのに、メールを打っているぞ」と書き込みがあって、さすがにがっくりしたものだが、その通りかも知れない。

今、話題になっている「楽天」の社長と、TBSの社長、ぼくから見てもTBSの社長は、古いなと思ってしまう。ネットなんて使えるのかなとも。

ぼくのブログも1日に何百人、多い日には何千人もの人が見ていると言うのだから、雑誌なんてものも見向きもしなくなるのは当然かも知れない。

このシスコからのおじいさん、1年に1回は日本にやってくるそうだが、『薔薇族』が復刊したのを知っていて、最新号を求めにやってきたのだった。

シスコのゲイ専門の書店でも売ったらどうかと。白人のアメリカ人で、東洋人が好きだという人が多いから、写真や絵を見るだけでも売れるだろうという。

廃刊前には、シスコとロスとニューヨークの書店で売ってもらっていたこともあったが、その書店が廃業してしまっている。

翌日、上野に行く用があると言ったら、丁度、上野に泊まっているのでカードでお金をおろして、定期購読のお金をと言ってくれたが、ぼくは「そんなことしなくても、郵送しますよ」と、なぜかお断りしてしまった。

ネットに押されて『薔薇族』を必要とする読者は少なくなってしまったかも知れないが『薔薇族』を愛し続けてくれて、心の支えにしてくれている読者のことを片時も忘れるものではない。

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