« ブログが書けない言い訳を! | トップページ | ちょっぴりうれしい話がありました! »

2006年2月25日 (土)

お花見と森下洋子写真集と

img260

  記録破りの寒い冬が去って、やっと春のきざしが見えてきた。まもなく桜の季節がやってくるというのに、浮かない顔をしているご夫婦がいる。

  カメラマンの中嶌英雄さんの住居は、下北沢のはずれにある。わが家から歩いても15分ぐらいのところだろうか。

  中嶌さんの家の前の道路は、4、5mぐらいだろうか。その道をへだてた道の家には、道路に面して、桜の古木が植えられている。中嶌さんの家の2階から見ると、道路にはみだした桜の枝は、目の前に茂っている。

  4月になっていっせいに桜の花が開くと、中嶌さんの家の2階から、格好のお花見ができるというものだ。奥さんがベランダに照明器具をとりつけてライトアップしたから、桜の花が浮き上がって、目をうばうような美しさだ。

  ここ数年、桜の花の季節になると、中嶌さんから電話がかかってきて、友人を集めてのお花見の会がにぎやかに開かれる。ぼくも楽しみにしていたのだが、前の家が建て替えということになって、邪魔になるのか、桜の古木は根元からばっさり切られてしまった。

  中嶌さんご夫婦の嘆きは大変なもので、お酒を買ってきて、桜の根元にまいたそうだ。

  カメラマンの中嶌さんとのお付き合いは、20数年前、ぼくが下北沢の北口で経営していた、カフェ『イカール館』の店内の撮影をお願いしたことからだと記憶している。

  中嶌さんの専門は舞台写真で、喜多郎の演奏写真もずっと撮り続けている。喜多郎のサイン入りのCDを中嶌さんからプレゼントされたこともあった。

img262a

  2005年2月に「主婦と生活社」から、出版されたピアニストのフジ子・へミングさんの著書「ESPRIT DE PARIS」の写真を担当している。気難しいアーティストに密着して写真を撮り続けているということは大変なことだと思う。恐らくお天気屋だと思うフジ子さんの機嫌をそこねないようにして撮り続ける苦労は並大抵のものではないだろう。嫌われてしまったら最後だからだ。

  演奏会の写真だけでなく、私生活の写真も見事な出来ばえだ。

img261

  最近、中嶌さんはバレエの舞踏歴55年という、日本を代表するプリマ・バレリーナ、森下洋子さんの『森下洋子写真集』を刊行した。

  残念ながら森下洋子さんの舞台をぼくは見たことがないが、この写真を通して、華麗な舞台がほううつとしてくるようだ。

  日本だけでなく、パリのオペラ座などで、マーゴット・フォンティーン、ルドルフ・ヌレエフらと踊ったのだから大変な人だ。

  3歳のときにバレエを始めて55年。一日も休むことなく稽古を続けている。これは誰もができることではない。

  華やかな舞台写真の中に、2点だけノーメイクの写真がある。一枚は笑顔だが、一枚の横顔は、疲れきったような表情をしていて、それがなんとも言えない魅力的な顔をしている。

  今の時代、写真集を出すということは至難の業なのだ。お花見はできなくなってしまったが、友人としてこの写真集が一冊でも多く売れるように応援したいものだ。

フジ子・へミングの『Espurit de Paris主婦と生活社刊・定価・本体2381円+

●『森下洋子写真集』主婦と生活社刊・定価・本体2857円+

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

|

« ブログが書けない言い訳を! | トップページ | ちょっぴりうれしい話がありました! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: お花見と森下洋子写真集と:

« ブログが書けない言い訳を! | トップページ | ちょっぴりうれしい話がありました! »