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2006年3月16日 (木)

幻のゲイ雑誌『アドニス』特集、これは必見!

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  ぼくは本をまったくといっていいほど読まない人だから、こんな雑誌があることなど知らなかった。

『彷書月刊』(ほうしょげっかん)古書を愛する人のための月刊誌のようだ。2005年の9月号が創刊20周年記念号で、突然、電話がかかってきて、インタビューしたいということだ。

  見たことも、聞いたこともない雑誌。聞かれるままにしゃべったが、「第二書房と『薔薇族』をめぐって」というタイトルだった。

  共立女子大の短期大学の教授で、エクスリブリス(蔵書票)の研究家で、ぼくが経営する「ロマンの泉美術館」の名誉館長でもある内田市五郎さんから電話がかかってきて、

「伊藤さん、面白く読みましたよ」

  ああ、こういう本好きの人が読んでいるんだなと。内田さんの家にお邪魔したことがあったが、まるで図書館のようでびっくりしたことがあった。

  年末の頃だったろうか。『彷書月刊』から執筆依頼があった。2月25日発売の雑誌で、「アドニスの特集」をやるので、「同性愛文学に思うこと」を2ページ分書いてほしいとのことだった。

  三島由紀夫が書いたのではと、ずっと噂されていた「愛の処刑」。この小説が載ったのが『アドニス』の別冊だった。この原稿の元原稿が発見され、新潮社発行の「三島由紀夫全集」に載るというので、この『アドニス』がにわかに脚光を浴びてきた。

『アドニス』は、『薔薇族』が創刊された、1971年(昭和46年)よりも、19年も前の1952年(昭和27年)に、会員制で発行されていた非合法の雑誌だった。

『人間探求』という昭和25年に創刊された雑誌の編集員だった、上月竜之介という人が、仲間の協力を得て、『アドニス』を創刊させた。『人間探求』という雑誌は、本当はエロ雑誌なのだが、当時は取締当局のしめつけがきびしかったので、執筆者に医学博士とか、学者の名前をつらねて、いかにもお堅い雑誌のように見せかけている。

  しばらくして作品社の田中貞夫さんと、作家の中井英夫さんにバトンタッチした。このお二人ともゲイだったから、上月さんもゲイだったと思われる。『人間探求』の誌上に作品社の本の広告が載っているから、交流があったことは間違いない。

『アドニス』の特集は、いろんな人が執筆しているようだ。

『アドニス』に直接関係した方は、すでにこの世におられない。堂本正樹さんにはインタビューされたそうで、貴重な話が聞けるかも知れない。定価\600+税・書店で売っていると思うが、電話は03・3292・8385・彷徨舎  ぜひ、お求めを!

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

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