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2006年5月21日 (日)

パートのオバサンが社長になったという美談

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ぼくが今から書こうとしていることは、まったくの的はずれかも知れないし、当たっているのかも知れない。

最近のマスコミで話題になっている女性がいる。16年前、たった時給600円で働いていた人が、860店舗、6500人もの従業員を抱える上場一部企業の社長さんになるということだ。

それが何の会社かというと、新古本の販売で急速に店舗数を増やしていった会社だ。その反面、新刊本の中小書店の廃業が続いているという現実も知るべきだろう。

出版界唯一の専門誌「新文化」518日号にこんな記事が載っていた。

「万引き防止へ販売証明シール貼付」というタイトルでだ。

「福岡県書店商業組合(山口尚之理事長、加盟340店)は71日から、組合加盟書店で購入した本に「販売証明シール」を貼る施策を始める。代金支払い済であることを証明するシールを貼ることで、購入者の意識を高めるとともに、万引きされた本が新古書店等に転売されるのを防ぎ、青少年を中心とした万引き犯罪に歯止めをかけることが目的。同組合と福岡県警察本部少年課が連携して取り組むもので、書店の万引き対策としては全国はつの試み。」とある。

シールを貼ってない本を新古書店に持ち込んできたら、これは万引きしてきた本ということになる。これは福岡県だけでなく、もっと拡げて、全国の書店でシールを貼るべきだろう。

福岡県内の書店の万引き被害額は、年間約12億円で、1店あたりでは約211万円にものぼるそうで、約2割しかない書店の利益では、力のない中小書店が万引き被害でつぶれてしまうのも無理はない。

福岡県だけで12億円の万引き被害額だから、全国の書店の被害額は、途方もない数字になるだろう。この新古書店が急成長したのは、その被害額が、そのままそちらの利益につながったのでは?

本当に本の好きな人は、万引きなんかしないし、すぐに新古書店に売るようなことはしまい。それらの新古書店に売るために、青少年が万引きするのではなかろうか。そうでなければ860店舗の書棚に並べるだけの本が出てくるわけがない。

それと雑誌類は、書店から取次店に返本されると、返本数だけ出版社に報告されて、雑誌そのものは、再生紙を作る製紙会社に送り込まれてしまう。こんなことを書くと叱られるかもしれないが、製紙会社に送られる過程で、雑誌が横流しされているのではないかと想像さえしてしまう。

一般の人は取次店の返本倉庫など見たことないだろうが、書店から送り返されてくる雑誌の山を見ると、なんとも言えない悲しい気持ちになってくる。作られた雑誌の1/3位が、製紙会社に運ばれて、また再生紙になる。それよりもそのままの形で、新古書店に流れて読まれたほうが雑誌のためには幸せなのかもしれないが。

パートから社長になったオバサンの話は、美談かも知れないが、ある意味では「万引き援助会社」ということかも。

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