« 「北沢川文学の小路」物語、完成! | トップページ | パソコンの本を出す出版社が『薔薇族』の本を出すなんて! »

2006年7月17日 (月)

こんなもの読みたいと思う人、いるの?

20060627

メディア・ソフトで『薔薇族』が復刊されたときに、大活躍してくれた影坂狩人君が、最近、自費出版で『HGの呪い Gay Year BOOK 2005』なる本を刊行した。

  この本は昨年おきた同性愛関連の出来事を硬軟(政治、宗教から下半身スキャンダルまで)とりまぜ可能なかぎり網羅し、一点、一点に解説コラムとイラストをつけた、本邦初の「ゲイ年鑑」だそうだ。

  ぼくと影坂君の対談と、業界著名人とのロング対談3本も収録し、幅広い層に楽しんでもらえるように作ったという。

  自費出版をする前に、この原稿を持って、何社かの出版社に本にしてもらいたいと、売りこみに行ったそうだ。その話を影坂君から聞いたので、再復刊号の『薔薇族』に、出版社の編集者の人たちが、どんなことを言って断わったのか、そのへんのいきさつを書いて欲しいとお願いした。

  早速、原稿をメールで送ってくれた。

「ゲイがテーマと聞くや、ほとんどの編集者が原稿を見る前から難色をしめしだし、「こんなもの読みたいと思う人なんて、本当にいるの?」「もし出版したとして、どのくらいの部数がはけるんですか?」といった質問を判で押したようにあびせてきました。

  特別に彼らに悪意があるわけではありません。「出したところで売れるわけがない」と短絡的に結論付けてしまうのでしょう。」

  そんなことで、どこの出版社でも相手にされず、仕方なく自費出版したようだ。影坂君が無名の作家ということもあったのでは。

  秋山正美さんが四十年も前のことだが、マスターベーションの正しいやり方を書いたという原稿を持ち込んできたことがあった。

  あちこちの出版社に持ち込んで、どこでも断わられ、わが社にやってきたというわけだ。ぼくは学生時代の体験から、この本を出すことによって、マスターベーションをやっている人たちが、精神的に楽になるのではと『ひとりぼっちの性生活』というタイトルをつけて本にした。

  それが数万部も売れて、『薔薇族』へとつながっていった。

  さて影坂君の原稿、ぼくが持ち込まれた編集者だったら本にしただろうか?

  この7月に河出書房新社と、九天社の二社から、ぼくの書き下ろしの単行本が豪華本で出版される。これは出版社からの依頼で出すもので、自費出版ではない。

  出版不況の最悪のときに、二冊も本が出せるなんて夢のようだ。これが話題になって売れてくれれば、影坂君のような若い人が書いた本も出版しようという出版社も現れてくるだろう。なんとしても売らなければならないのだ。

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

|

« 「北沢川文学の小路」物語、完成! | トップページ | パソコンの本を出す出版社が『薔薇族』の本を出すなんて! »

コメント

>さて影坂君の原稿、ぼくが持ち込まれた編集者だったら本にしただろうか?

実際、伊藤さんだったらどうされましたか?

投稿: ken | 2006年7月19日 (水) 02時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: こんなもの読みたいと思う人、いるの?:

» 本邦初のゲイ年鑑・「HGの呪い」、売れるといいですね。 [ある編集者の気になるノート]
なかなか面白そうな本ですが、出版までには紆余曲折があったようで。 こんなもの読みたいと思う人、いるの? (月刊『薔薇族』編集長伊藤文學の談話室「祭」)メディア・ソフトで『薔薇族』が復刊されたときに、大活躍してくれた影坂狩人君が、最近、自費出版で『HGの呪い Gay Year BOOK 2005』なる本を刊行した。 (中略) 自費出版をする前に、この原稿を持って、何社かの出版社に本にしてもらいたいと、売りこみに行ったそうだ。 (中略) 「ゲイがテーマと聞くや、ほとんどの編集者が原稿を見... [続きを読む]

受信: 2006年7月17日 (月) 15時09分

« 「北沢川文学の小路」物語、完成! | トップページ | パソコンの本を出す出版社が『薔薇族』の本を出すなんて! »