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2006年7月26日 (水)

『仮面の告白』をやっと読みあげた!

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左ひざの手術前の検査入院で、新宿の東京医大西病棟14階に7月10日(月)から入院して、毎日、検査、検査の日々が続いている。

  夜10時消灯、朝6時に起こされてしまう。こんな早く寝たこともないし、朝、6時に起きるなんて考えられない。

  検査の時間の間はひまなので、ず~っと前から読まなければと思っていた、三島由紀夫の『仮面の告白』をついに読みきってしまった。

  わが家には新潮社刊の『三島由紀夫全集』それも豪華本が書棚にずらっと並んでいるが、ただの一度も開いたことがない。本の問屋の「トーハン」の仕入れの人に頼まれて、一冊何万円かの革製の豪華本をお義理で買わされてしまったのだ。

  頭のいい人って、なんでこんなに難しい表現で小説を書かなければならないのか。三島由紀夫作と言われている『愛の処刑』。(ぼくの著書の河出書房新社刊『薔薇族の人びと』。九天社刊の『薔薇よ永遠に』の中にも収録されているので読むことができる。)

  これは誰にでも理解できる、平易な文章で書かれているので、「切腹」という特異なことを描いているにもかかわらず、読むものを感動させる。

『仮面の告白』は、三島由紀夫の半自叙伝な小説と言われている。この小説を読んでみて、女好きの男が、これほどまでに同性愛者の心理や、悩み、苦しみを描けるわけがない。なんで評論家と言われる人は、素直に受け入れないのだろう。

  頭のいい三島由紀夫が描いたことなので、その裏があるのではないかと考える。巻末に世田谷文学館の館長でもある、文芸評論家の佐伯彰一さんが「三島由紀夫人と文学」の一文を書いている。三島さんを同性愛者だなんて言ってしまったら、ご自分も変な目で見られやしないかと思ってしまうから、はっきりとは書けない。

『仮面の告白』を文芸評論家たちが、書いていることを素直に受け取ったとしたら、三島さんも随分と気が楽になって、それから書く作品も変わったのではないだろうか。

『仮面の告白』に表現されていること、やたらと難しく書いているが、書かれていることは、同性愛者が誰もが感じていることを素直に書いているに過ぎないのでは。

  女性と結婚したくもない結婚をして、子供までつくり、名声は得たかも知れないが、本当は三島さんって、可哀想な、いや、愛らしい人だったのでは。

『薔薇族』の読者の何人かと、会っているようだけれど、会って男の話をしているときって、きっと楽しかったに違いない。

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