稲垣征次展「少年艶姿」を見よう!
『薔薇族』を35年出し続けてきて、一番の気がかりは「少年を愛する、少年愛者」のことだ。それは18歳未満の少年に手を出して、ワイセツ行為をして、それが発見され親に訴えられたとしたら犯罪になってしまうからだ。
しかし、少年を愛する欲望は、持って生まれたもので、本人が少年愛者になろうと思ってなったわけではない。自然になってしまったのだから、死ぬまで変えるわけにはいかないのだ。
『薔薇族』のスタッフのほとんどが、少年愛の記事を載せるのはよそうという考えだった。それは少年に手を出せば、犯罪になってしまう。同性愛者全体がよく思われなくなってしまうという理由からだ。
『薔薇族』の創刊の頃は、少年に対する規制も、そうはきびしくはなかった。それが時代の流れと共に、少年、少女に対する規制はきびしさを増すばかりだ。今や、少年のヌード写真を誌上に載せることはできない。
誰かが少年愛の人たちのことを考えてあげなければと、『薔薇族』では少年愛者に向けた読物を載せるようにしてきた。そうでなければ、少年愛の人たちは、はけ口がないではないか。
河出書房新社刊の『薔薇族の人びと』の中のひとりに、少年愛者の稲垣征次君のことを紹介している。「少年愛者の孤塁を守り通した-稲垣征次」と題して。
稲垣征次君という少年愛者の男を、ぼくはかばい続けて、みんながやめさせろというのを、廃刊に追い込まれるまでいてもらった。
稲垣君は少年の絵を描き続けている。『薔薇族』に登場するようになったのは、1983年の5月号からだ。「金色の少年」と題した3枚の作品がグラビア頁を飾ったのが最初だった。稲垣君の描く少年の絵のほとんどは鉛筆画だ。1枚の絵を仕上げるには、かなりの時間がかかる。それを丹念に仕上げていく。まさに職人芸といえるだろう。
谷口和已君という、少年をテーマにした小説ばかりを書いている人がいた。その挿絵はいつも稲垣君が描いてくれた。
東京での大学生活中に出会った一冊の本で自らが少年愛者であるという、確固たる自覚を持つことになった。その本は稲垣足穂さん(1900年生まれ、1977年没)の執筆した『少年愛の美学』だった。足穂に熱中したがゆえ、ペンネームを稲垣征次と名付けたほどだ。
稲垣君は文章も書く。1988年の4月号が最初で「3月・白梅」から始まる連載物の「少年愛花物語」は、エッセイとイラストで見開きになっていて、24話も続き大好評だった。
1997年の12月号からは「少年愛万華鏡」という頁を受けもって、これは廃刊になるまで続き、少年愛の読者の心の支えになってきた。
稲垣君、毎年のように渋谷のギャラリー「美蕾樹(ミラージュ)」で個展を開いているが、今年も8月5日(土)~8月15日(火)・午後1時から夜7時まで(水曜日休み)「稲垣征次展・少年艶姿」が開催される。
今年は及べて色彩画とのことなので、なまめかしい少年の裸体が見れるに違いない。少年の好きな人、必見だ!
会場は渋谷の西武デパートのA館とB館との間を通り抜けると、すぐ右側のビルの4階だ。
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コメント
NEW OPEN
是非ご覧ください!!
http://l9378s.x.fc2.com/
投稿: pon | 2010年5月 7日 (金) 21時55分
あのぉ~薔薇族って18歳未満でも読んだり
買ったりすることはできますでしょうか。
買えるのだったら毎号買いたいんで・・
投稿: 鬼束檸檬 | 2006年7月28日 (金) 21時34分
http://heartland.geocities.yahoo.co.jp/gl/kitikiti_kingyo/view/20060727/1153978229
本日 薔薇ひらく日を無事落手致しました m(_ _)m
一気に!読ませて頂きました・・・
まだ拝見した事の無い かの薔薇族も復活とのお話に
心沸き立つ思いで居ります。
厳しい暑さが来るとの 予報も御座います。
くれぐれも ご自愛の程。
到着のご報告と 御礼まで
横浜 金魚
投稿: 金魚 | 2006年7月27日 (木) 15時21分