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2006年8月

2006年8月31日 (木)

「オジイちゃん、長生きして!」

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「伊藤文学を励ます会」が、平成十八年八月二十三日(水)、夕方の六時から、新宿の京王プラザホテルで華やかに開催された。

  この会に先だって、新潟の弥彦温泉「四季の宿・みのや」で、八月六日(日)、夕方六時から五十人のお客さんを集めて開かれた。この会は地元の人たちが骨を折って開いてくれたのだ。

  三十九歳で『薔薇族』を創刊して、今や七十四歳、髪の毛もあるや、なしやになってしまった。どうみても「ハゲ増す会」としか、ぼくの目には映らない。弥彦の広間には、呼びつけたら悪いと思ったのか、看板に「伊藤文学さんを励ます会」と「さん」が付け加えてある。これでは、増々「サンゼン」と輝くということだろうか。それにしても新潟の人たちの熱い人情にふれて、楽しい夜だった。

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東京の会は、三百人近い人たちに案内状を発送した。人間、落ち目になると、人はよりつかなくなると、よく言われている。そんなことになるのではという心配もあった。だが、こんなときに人間ってよく分かるというものだ。

  出席者は百人を少し越えた。欠席のはがきを寄こしてくれた人が七十名。あとの百人ばかりの人は、出欠のはがきを入れたのにもかかわらず、なしのつぶてだった。

  数えきれないくらいパーティーをぼくは開いてきたが、以前はこんなことはなかった。多少は返事をよこさない人はいたが、こんなにひどくはなかった。

  今の世の中、急速に義理、人情はすたれ、人間同士の社会生活をしていくための最低のルールみたいなものが希薄になってしまった。となり近所の付き合いもなくなっている。社会のタガがガタガタにゆるんでしまったのではなかろうか。

  ホテルの担当の宴会係に、この話をしたら宴会の幹事役の人が、みんな出席者の数をつかめずに困っているということだ。

学生時代の短歌の仲間で、いつもぼくの会には出席してくれていた人がいる。この数年、歌壇のボスになってしまって、今年は宮中の御歌所の選者になってしまったので、ぼくの会に出たのでは、イメージが悪くなってしまうだろうから、返事を出さないのは仕方がないが。

  テレビの取材があったり、マスコミがきて写真を撮るから、本当は来てほしい読者を招けなかった。時代も変わったしと思って、若いゲイの人たちに手紙を出したら、二、三十人の仲間が来てくれたのはうれしかった。

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売れないときに何度も招いて歌ってもらった、歌手の「クミコ」さんが来てくれたではないか。今や、クミコさんは「徹子の部屋」に出演したり、すっかりメジャーになってしまったのに。昔の恩を忘れていなかった。

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「オジイちゃん、長生きして!」と、花束をくれて叫んだ、五歳の孫には泣かされてしまった。

  そして、会に出席して下さったみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとう!

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2006年8月11日 (金)

これぞ究極のゲイ美の世界。映画 『ピンクナルシス』完全リマスター版で公開!

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この映画が製作されたのは60年代後半。ゲイ写真誌として有名だった「Young Physique」で評判となった筋肉たくましい美青年ボビー・ケンダール(生年月日不詳)に惚れ込んだビドグッド監督が、本作への出演を依頼したというもの。ケンダールという名は監督が作った偽名。二人は今もニューヨークで暮らし、監督は現在、自身の半生をテーマにした映画を製作中で80歳近い年齢ながら尚、意欲満々とか。

  さて、ナルシスなる言葉はご存知の通り、自身の美しさに陶酔して入水自殺したというギリシャ神話の美少年のこと。映画はその伝説をドラマ化したものではなく、豪華で美しく幻想的に装飾された邸宅の寝室が大半の場面を占める。妖しいまでの美意識で彩られた、まるでミュシャの世界を思わせるようなネオクラシックな背景の中で、ひたすら己の姿と性に埋没し続ける美少年(時として美青年)を執拗なまでに追い続けるカメラ。

  ケンダールの鍛え上げられた肉体の魅力が輝くように美しく、時空を起越した自己陶酔いわば究極のマスターベーションの世界が、めくるめくように展開するのだ。見終わった後、日常の中で置き忘れていた性の歓びを再発見する効果もある。単にポルノチックに捉えられてはあまりにも失礼。もし自分がこういう美の世界に入り込んでしまったらどうするだろう…?  そんな未知の感慨にもいたらせてくれる。

  今から35年前の公開当時、監督、作者、主演者不詳ということでも話題を呼んだ、いわばゲイ映画のランドマークとも言える傑作。ぜひあなたの目に焼き付けて欲しい。

  映画公開記念として8月11日(金)21時20分から、同劇場でドラァグクイーンのマーガレット女王の解説で「正しい『ピンクナルシス』の見方」講座も開かれるとか。

  他にも『PINK NARCISSUSTシャツと香水のセットなどのプレゼント(個数限定)予定もあるので問い合わせてみては?

関連サイト

FROSTIKAhttp://www.erostika.net/

FITSコーポレーション」http://www.fits-japan.com/

8月25日(金)まで。夜9時20分からレイトショーシアターN渋谷(JR渋谷駅西口歩道橋を越えJTB正面のさくら通り)TEL03-5489-2529

http://www.theater-n.com

『ピンクナルシス』PINK NARCISSUS

1971/アメリカ/カラー/70分 監督:ジェームズ・ビドグッド編集/音楽:マーチン・ジェイ・サドフ 主演:ボビー・ケンドール

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◆伊藤文学を励ます会 8月23日京王プラザで開催。ふるってご参加を。

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2006年8月10日 (木)

伊藤文学を励ます会

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立て続けに2冊本を出版し、『薔薇族』も再復刊!

京王プラザホテル5階コンコードホールにて「伊藤文学を励ます会」を開催いたします。

美味しい料理と今里哲さんのシャンソンをお楽しみいただけます。

お気軽にお申し込みください。8月19日締め切り。

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2006年8月 4日 (金)

ルネさん、竜さんからの二冊の本の感想文

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『薔薇族』の黄金時代の立役者、内藤ルネさんと藤田竜さん。河出書房新社刊の『薔薇族の人びと』九天社刊『薔薇よ永遠に』を修善寺に住んでいる、お二人に贈ったら、それぞれ手紙が送られてきた。

竜さんは、こんなこと言ったら相手が傷つくんではなんていうことを考えずに、ズバッと言う人だ。

  確かに本当のことを言っているのだから、もうなれっこになっているので、僕が傷つくことはないが、平気でひどいことを言ってしまうのが竜さんだ。

  ルネさんは逆に思いやりのある人で、根っからやさしい気持ちの持主だから、相手を傷つけるようなことを言うわけがない。

  ルネさんの手紙。

「美しく、素敵な出来あがりの二冊、それもスゴイ!二冊もまったく、まったくラッキーですよ。ほんとうにおめでとう! それもハード・カバァで、ゴウカな二冊の本、何よりのことです。

  私め、自分のことのようにうれしいです。この二冊、ぜったいに売れますよ。どちらも伊藤文学のあたたかい人格が、ひしと伝わってきて、また、また、涙です。

  やはり文学さんが、ノンケ(ホモでない、女好きの人間のこと)であったから、『薔薇族』は成功したのだと確信していますよ。あなたがホモであったら、成功しなかったと。

  そして私の知らなかったことも、この二冊はいろいろと教えてくれて、ドキドキして拝見していますーヨ。

  ノンケの大らかなあたたかさと、誠実さがこの二冊から、ひしひしと伝わってきます。

  文学さんの運も、花開き始めましたね!とにかく大きな花を開かせましょうね。この感じだと、いろんな本が、これから出せそうですね。」

  ルネさんは少年のような人だから、素直によろこんでくれている。

  辛口の竜さんのことだから、ひどいことを言ってくるのではと思ったけど、意外なことでした。竜さんに今までほめられたことって記憶にないくらいだから。

「二冊もの同時のご刊行、おめでとうございます。力作で感心しました。(こんなこと言われたのは初めて)書物としては『薔薇よ永遠に』の方がよくできています。ホモについて詳しくない人に、苦労の歴史を伝えるものとして、遺漏がありません。

『薔薇族の人びと』の方は、事情通とか、読者など、ある程度『薔薇族』についての知識のある人向きで、似たようなものの同時刊行ではあっても、うまいこといきましたね。

  この二冊の刊行が、次のよい道へ続くといいですね。

  伊藤さんは少年愛の人をかわいそうと言うけれど、狙われ、犯された少年については、少しも思いが至っていません。

  僕が少年の日、大人に犯された文を書いたことがありましたが、お読みになっていませんね。僕は少年愛ものは大嫌いでした。

  いろいろと書いてごめんなさい。それにしても二冊の本が、ダブらず、立派な著作であると思います。」

  もっとひどいことが書いてあったが、それは僕が受けとめればいいことなので。でも珍しくほめてくれて、うれしかった。

  少年愛者のことは、弁護する人は僕しかいないのだから、何と言われても書き続けるだろう。

  それにしても、まったく性格が違う二人が四十年も一緒に住んでいるなんて、考えられません。しかし、僕にとっても『薔薇族』にしてもお二人は大恩人なのだ。

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2006年8月 1日 (火)

下町育ちのナゾのオジサン、間宮浩さん

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  最近のワイド・ショーで「ゴミ屋敷」が話題になる。間宮浩さんのマンションの部屋もゴミ屋敷そのものだった。

  ナマゴミがないから、臭気プンプンということはなかったが、ありとあらゆるものが積み重ねられて、人ひとり座るのがやっとの有様だった。

  その間宮さんの年齢、仕事は何をしているのかもまったく知らない。間宮浩というのはペンネームだから、本名もついに知らず仕舞いだった。

  仕事は親父さんの代からの町工場で、カーテンのとめ金みたいなものを何人かの人を使って作っているらしかった。今時、一点が銭単位の珍しい商品だということだ。ご本人が工場で汗水流して働いているとしたら、手を見ただけで分かるが、とても工場で働いている人とは思えなかった。

  誰もが間宮さんのことを「ナゾのオジサン」と呼んでいた。もちろん、ひとり者だが、年齢も髪の毛もふさふさしていたから、十歳は若く見えた。

  間宮さんは、ご自分のことを作家だと思っている。『風俗奇譚』の時代からゲイ小説を書きはじめ、『薔薇族』になってからも、短編小説を何本も書いてくれている。

  長編では「新宿の美少年たち」の連載をはじめて、ついに完成させた。後に他社から一冊の本になったが、倒産してしまったから、古本で探すしか読むことはできない。

  昭和7年に建てられた木造2階屋にぼくはずっと住んでいたが、昭和40年頃、やっと鉄筋3階建の建物を新築することができた。

  その頃、誰もが知っている超有名人の読者が訪ねてきた。新築祝いを持ってきてくれたが、なんと10万円も入っていたので、みんなびっくり。サングラスをかけていて、近所の喫茶店でおしゃべりしたが、お客が入ってくると、ぱたっと話をやめてしまう。たくさん人を使っている会社の社長さんだが、顔を知られているから2丁目に遊びに行くこともできない。それに奥さんや、子供さんもおられるから、自由に行動することは許されない。

  社内にハンサムな外国人がいて、想いをよせているけれど、手を出すことはできない。軽井沢の別荘に連れては行くけれど、どうにもならない。そんな苦しみをぼくにしゃべりたかったのだろう。

  彼の訪問の目的は他にあった。それを察したので、間宮さんを紹介した。恐らく間宮さんは、いい男をすぐさま紹介したに違いない。

  あのゴミ屋敷に、美しくて、かわいらしい、女性のための商品を作り出している社長さんが、運転手を何時間も待たせておいて、男の話をしていたのだろうから、ゲイの世界って面白い。

  こんな話は河出書房新社刊の「『薔薇族』の人びと」の中に書いてある。

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