東京医大発⑥ 病院で出会ったいい男
8月29日、左ひざの手術のために新宿の東京医大病院の整形外科に入院。9月5日に手術。今日は16日、術後の経過は順調で、一日、一日、回復している。 病室は14階で、リハビリ・ステーションは3階。そこまで歩行器に頼ってはいるが、自分の足で歩いて行くことができた。1時間ほど運動させられ、杖だけで歩いたり、階段を上ったり、下ったりの練習も。 みなさんには大変ご心配かけましたが、この調子では9月中には退院できるだろう。本当にみなさんの励ましのお蔭と感謝しています。 ぼくが入院している部屋は6人部屋で、いろんな病気の人が入っているが、みんなとも仲良しになって、楽しい入院生活を送っている。 食事を病室のベッドの上で食べる人がほとんどだけど、面会にきた家族としゃべったりする食堂みたいな部屋があって、そこで食事をとる人もいる。 病院の食事というのは、一食、二百数十円で作るように決められているそうで、お粗末なものだ。 女房が夕方になると、いろんなぼくの好きそうな食べ物を差し入れにやってくる。食堂で食事をしようと思っていたら、右手をケガした短髪のガッチリした青年がいた。 魚の煮物にサランラップがしっかりとついていて、左手でとれないで困っている。女房が見かねてサランラップをとってあげた。そして持参した食べ物をわけてあげた。 M君は30代、短髪で『薔薇族』のモデルにしたいようないい男。子供の頃から空手をやっていて、今では師範格で弟子に教えているそうだ。 コンクリートのブロックを右こぶしで割ろうとして失敗。指の骨をくだいてしまったのだ。 食事どきに彼と出会うのを楽しみにしていたが、数日して退院していった。丁度、彼が退院していく時間にリハビリに行っていて、さよならを言えなかったが、ベッドの上に置手紙があった。 「皿のサランラップをとってもらって以来、ずっとご馳走になって、本当にありがとうございました。 お蔭さまで腹いっぱいにもなったし、栄養もタップリつきました。そして何よりもおかずと一緒に頂いた「気持ち」でなにか、本当に元気にさせてもらいました。 「人生、何が起るか分からない。だから楽しい」 やっぱり人生の大先輩の言葉は心にひびきます!僕らは先輩たちの背中を見て育ちます。だから長生きして下さい。頼みます。 お会いできたことを本当に感謝しています。」 建物の解体の仕事をしているそうだが、こんな素朴で心やさしい青年がいるなんて、日本もまだ捨てたものではない。 数日して、ひょっこり青年が差し入れにきてくれて、何種類かのおかずを持ってきてくれた。 11月19日(日)横浜文化体育館での「第15回・国際大山空手道連盟全日本選手権大会」のチケットも。彼も出場するのかも知れない。孫を連れて観戦に行きたいと、今から楽しみにしている。 ★,★ :・.☆.・:* ∴.. *,★ :・. *,★ :・。.・:.+ :。.・:.+ :.☆.・:* ∴..☆.・:* ∴.. *,★ :・。.・:.+ :.☆.・:* ∴.. *,★ :・。.・:.+ :. *,★ :・. *,★ :・.☆.・:* ∴..☆.・:* ∴.。.・:.+ ★:。.・:.+ :。 ◆このブログを読んでくれている人も、二冊の本についての感想をお寄せ下さい。待っています。 ◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。 ◆お求めはこちらから ◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp
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