退院の喜びと、朝日に書評が載った喜びと!
左ひざが徐々に悪化していく痛みに耐えてきた2年間でした。寝ているとき、椅子に座っているときは痛みがないが、一歩足を踏み出すと激痛が走り、杖にすがっても、そう長くは歩けない状態になっていた。
長いこと近所の外科医の治療を受けていたが、回復のきざしがまったくみえず、思いきって新宿の東京医大病院の整形外科に、8月29日に入院し、9月5日に「人工ひざ」を入れる手術。術後の回復は早く、9月26日に退院できました。
今年に入って河出書房新社から出版の依頼があり、ひざの痛みに耐えながら書き下ろしたのが『薔薇族の人びと=その素顔と舞台裏』でした。その直後、九天社からも出版の依頼を受け、勢いにのって書き上げたのが『薔薇よ永遠に=薔薇族編集長35年の闘い』で、2冊とも7月下旬に刊行された。『薔薇族』の再復刊も果し、8月23日の夜、京王プラザホテルで、多くの友人、知人の励ましを受け、盛大に出版記念会を開くことができた。
その後、入院、手術ということになったが、入院してみてぼくと同じような患者がたくさんいるのが驚きだった。
手術をして「人工ひざ」を入れるということが恐ろしくて、ふんぎりがつかず、効かない高価な薬を通信販売で買ったり、いろんな治療を受けて、なんとかだまし、だまし痛みに耐えてきた人ばかりでした。ぼくは自分で体験してみて、恐れず手術をして「人工ひざ」を入れることをおすすめしたい。
まったく縁もゆかりもなかった、東京医大病院の整形外科の担当医、正岡利紀先生という信頼できる名医に出会えたことは、本当にラッキーだった。
もう杖なしですいすい歩けるし、階段の上り下りもできるようになった。もちろんリハビリを続けて、残された人生を有意義に過ごしたい。
退院の前々日の24日の日曜日。朝日新聞が書評欄に、九天社刊の『薔薇よ永遠に=薔薇族編集長35年の闘い』がとりあげられ、学習院大学教授の中条省平先生が好意的な書評を書いてくれた。
朝日の書評欄にとりあげられるということは大変なことで、これは『薔薇族』を支えてくれた多くの人たちへの大いなる勲章と言えるだろう。
「著者が『薔薇族』を創刊した35年前、同性愛者は異常者扱いされた。その後、ゲイという存在が日本で市民権を得るにあたって、この雑誌が果した役割は決して小さくない。
本書はその35年を回顧した記録であり、異性愛者が読んで興味は津々として尽きない」
異性愛者の人に読んでもらいたいと思って書いた本なので、このように書いてくれたことはうれしい。
洪水のように次々と出版されている多数の書籍の中から選ばれたことは名誉なことだ。10月6日には幻冬舎のアウトロー文庫から、『薔薇族編集長』が出版される。今や、ひざの痛みからも解放されたし、これからは執筆活動に力を入れていきたい。
それにしても、ぼくのことを励まし続けてくれた、友人、知人と多くの読者には感謝の言葉もなく、これからは少しでも同性愛の人たちにとって、住みよい世界にしていきたいものだ。本当にみなさまの励まし、ありがとうございました。
9月26日、退院の日に。
伊藤文学
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コメント
会社の目の前にしばらくの間おられたのですね。
もっと早くからブログを見ていれば...
お仕事がんばってください。
投稿: ひろくま | 2006年11月19日 (日) 10時54分
伊藤さん、退院おめでとうございます。すばらしいお医者さんと看護士さんたちに恵まれて本当によかったですね。出版された2冊の本買いました。復刊された薔薇族も定期購読を申し込みました。伊藤さんには追い風が今吹いていますが、くれぐれもご自分の体を大切になさって下さい。
投稿: AS | 2006年10月 7日 (土) 15時24分
退院おめでとうございます。
体を大切に、今後も頑張ってくださいね。
投稿: 忍 | 2006年10月 2日 (月) 23時05分