伊藤文学は「サタン」だ!
クロネコヤマトの宅急便で荷物が送られてきた。ぼくの名前の上に「サタン」と書かれていて「伊藤ぶんご」とある。ぼくの名前を間違えるなんて、かなりの程度の低い人だろう。「××××協会」とある。これは「教会」の間違いではないか。××××神父とある人だ。
『薔薇族の人びと』(河出書房新社刊)と、『薔薇よ永遠に』(九天社)を注文してきたので、平野剛さんのグリーティングカードを何枚もオマケにして送ってあげた。
山口県の人で、それがなんと送り返されてきたのだ。中にノートの切れ端にこんなことが書いてある。
「先生、念友にFrauに告げ口され、大騒動になりました。ダンテの「神曲」では、僕は地獄行きです。宗教裁判所の神父、神学生により、宝物である既刊『薔薇族』は全て処分され、僕は「病気」が治るまで、某厳律修道院で「治療」を受けなければなりません。何たることでしょう」
ゲイであることがバレて、刑務所に入れられてしまったような。こんなことって、二十一世紀の日本にあるのだろうか。ぼくがサタンと言われるのはいいですが、この人、気の毒としか言いようがない。
ゲイであることに悩んで、神にすがって入信したに違いない。ぼくは天地創造の神さまは、人間をはっきりと、「男」「女」を創らなかった。最初からあいまいに区別できないようにしたと思う。
しかし、神の教えは「種の保存」を第一に考えて、子供を産まない男同士、女同士のセックスをタブーとしたのだろう。「産めよ、増やせよ、地に満てよ」というのが、神の教えだから。
この人を修道院に入れて、どんな治療をするのだろうか。同性愛は「病気」でないことを神さまは最初から知っているはずだ。
アメリカでも教会の神父さんが、少年にいたずらをして訴えられたという話が報じられた。それもひとりや、ふたりではなくて。ローマ法王も大変悩まれたということだ。
日本では幸いなことに、どの宗教も同性愛を迫害視することはない。一部のキリスト教だけが、このような暴挙を今でもしているということだ。
ぼくは大正時代に廃娼運動に活躍した「救世軍」の将校だった祖父、伊藤冨士雄の血を受け継いで、何にも悪いことをしているわけではないのに、ひっそりと隠れて生きている同性愛者のために『薔薇族』を出し続けている。
こんな奴に「サタン」だなんて、本当は言われたくない。自分が悪いのだ。さっさと教会から脱会して、自由にゲイの道を歩むべきではないか。
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コメント
救世軍の将校の祖父を持ちながら同性愛の雑誌を発行しているという事実に驚愕しました。聖書は同性愛が罪であると教えています。救世軍のウィリアム・ブース将軍は人々が地獄に落ちる幻を見ました。ご存知でしょうか。
投稿: Taw | 2007年11月12日 (月) 12時35分
はじめまして。酷いことがあったもんですね。
イエス様は差別される人々を愛し、寄り添ってくださったお方だし、偏見に苦しむ同性愛者にも愛を示してくださると思います。律法より愛が大事です。
その「ただしい」神父様は、愛情ゆえに同性愛傾向を矯正してあげたい、などと言うんでしょうが、無知と偏見の上に立った愛は余計なお世話ですね。
「山口県の人」は、不自然な形に矯正される前に、他の教会に移った方が良いと思います。もう遅いかもしれませんが。
キリスト教といっても色々ありますし。
投稿: oink | 2006年9月29日 (金) 14時16分