本をヒットさせるって大変なことなのだ!
日曜日の朝刊には必ず書評欄がある。東京新聞の書評欄に『書店繁盛記』田中久美子著(ポプラ社刊・1680円)の本がとりあげられていたので、早速買ってみた。
著者は大規模書店のジュンク堂書店の副店長をしている方だ。池袋にあるジュンク堂書店は日本一の二千坪という総床面積をもつそうだが、ぼくはまだ足を踏み入れたことがない。
2006年の後半になって、ラッキーなことに三冊も本を出すことができたので、本に関してというか、その売れ行きに関心を持たざるを得なかった。
この本によると2005年度の出版点数が約7万8千点。一日、2百点以上も洪水のように本が作られていて、その洪水をせき止めているのが、大きな本屋なのだそうだ。小さな書店では、どんどん新刊書が送られてきても棚に並べきれるものではないからだ。
出版社も多過ぎるし、本を出し過ぎる。どこの出版社も自転車操業になっているから、どんどん出し続けなければつぶれてしまう。こんなに次々と出版される本の半分近くが最後にはクズ紙になってしまうなんて。
AMAZONのようなところで注文すると、1500円以上だと送料が無料になるので、定価もその辺を意識してつけられているそうだ。
新聞に書評が載ると、圧倒的に売れ行きが増えるのだそうだ。もちろん朝日新聞の書評が他紙を抜いている。書評が載ってから出版社に注文して仕入れたのでは間に合わない。
載る前に書店に知らされるという話は聞いていたが、どんな方法でと思ったら、朝日新聞のホームページに載るんだそうだ。
九天社刊のぼくの著書『薔薇よ永遠に=薔薇族編集長35年の闘い』(1995円)が9月24日(日)の朝日新聞の書評欄に「ゲイの悩みと人生の幅広さ」と題して、学習院大学の中条省平先生が理解のある書評を書いてくれた。洪水のように出版される本の中から選ばれての書評だから、これはすごいことなのだ。
ネットでの注文がAMAZONに殺到したのか、売上げの数字は驚異的にはねあがったそうだ。(ぼくが見たわけでなく、息子の話だ。198位になったとか。)
7月の後半に河出書房新社から『薔薇族の人びと=その素顔と舞台裏』(2100円)も出て、その売れ行きが心配で書店を回ってみたいと思ったが、左ひざの痛みで歩くことができず諦めるしかなかった。
今までいろいろと『薔薇族』を取材してくれたマスコミの人たちに手紙をつけて本を送ったが、ありがたいことに、そのほとんどが書評を載せてくれた。
人と人との普段からのつながりが大事だということを思い知らされた。コネというと悪いことのように思えるが、日本の社会では一番大事なことなのだ。
8月29日に東京医大病院に手術のために入院する前の8月23日、京王プラザホテルで「伊藤文学を励ます会」を開いたが、120人もの友人、知人が出席してくれた。
人間、落ち目になると人は寄りつかなくなると言われるが、多くの友人、知人の顔を見て、こんなにうれしいことはなかった。
その後、一ヶ月間、入院して手術をうけて退院することができた。入院中、なんにもできずやきもきしたが、朝日新聞の文化欄に「薔薇族再復刊」と小さな記事を載せてくれた。全国版で、電話番号が書いてあったので、全国から電話がかかってきた。そのほとんどの方が『薔薇族』を読んだことがないというので、これにはびっくりしてしまった。
日本は広い。まだまだ読者は開拓できると思い知らされた。その後の朝日新聞の書評。これも大きな広がりを見せてくれるに違いない。
作者: 田口 久美子
書店繁盛記
出版社/メーカー: ポプラ社
発売日: 2006/09
メディア: 単行本
★,★ :・.☆.・:* ∴.. *,★ :・. *,★ :・。.・:.+ :。.・:.+ :.☆.・:* ∴..☆.・:* ∴.. *,★ :・。.・:.+ :.☆.・:* ∴.. *,★ :・。.・:.+ :. *,★ :・. *,★ :・.☆.・:* ∴..☆.・:* ∴.。.・:.+ ★:。.・:.+ :。
◆このブログを読んでくれている人も、3冊の本についての感想をお寄せ下さい。待っています。
◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。
◆お求めはこちらから
◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp
| 固定リンク
コメント
わたしは、数年前まで 大手企業と呼ばれる会社にいた。
それが、重荷に耐えられず、うつ病から、アルコール依存症
退職、
周りは もったいない と 口をそろえるが
人の幸せは自分が幸せだと感じなければ
例え大企業でも地獄だ。
人は、それを知らない
偏見である。
先月、自殺未遂
精神病院に通い、精神病患者という
偏見に再びさらされている。
病院におけるエピソードをトラックバック
つけさせていただく事をお許し下さい。
~ ソープ嬢 ~ 内容は真面目な話です。
よければブログにもお越し下さい。
おやじーんより
投稿: おやじーん | 2006年11月 5日 (日) 04時20分