創刊の頃、初めて出会った美少年
『薔薇族』創刊の頃のことだ。本人も自分のことを美少年だったと言っているのだから、確かに色白の目のぱっちりとしたかわいい少年だった。その少年からこんな手紙をもらったことがある。
「ぼくはホモセクシュアルです。自他ともにゆるす、かなりの美少年でした。でしたというのは、まもなく少年ではなくなってしまう年頃になっているためです。いや、もう、すでに少年ではありません。
受動的男色を好むものですが、恋人は全然いないのです。ですから誰か素敵な人に抱かれたいと思って、夜、ベッドの中で、ひとりでもだえてしまう始末です。
このまま誰にも抱かれることなく、二十歳になって、この肉体がだんだん年老いてしまうと思うと悲しくてなりません。
ぼくは相当のナルシストですので、もう毎晩、鏡に向ってほほえんだり、自分の素っ裸のからだを映しては、からだをくねらせ、さまざまのポーズに酔いしれます。そしてオナニーにふけるのです。
十七歳のときですが、大雪が降って零下四度ぐらいになった夜、ぼくは全裸で窓から抜け出し、家のまわりの畑や、空地をかけずりまわり、ころげまわりました。そして雪をかぶって、全身雪の中にうずめていると、このままねむってしまいたいような、いい気持ちでした。
ぼくの白いからだに月の光がこうこうと照り映えていました。」
こんな手紙をもらってから、新宿の駅前の喫茶店で、この少年と初めて会った。
「美校は落ちちゃいましたが、今、予備校に通いながら絵の勉強をしています。」
大きなスケッチブックを開いて、書きためた絵をみせてくれた。
「君の顔にみんなそっくりだね」と聞くと、
「ええ、いつも鏡ばかり見ているものだから」
どの絵も、どの絵もみんな大きなオチンチンがにょっきり勃っていた。
大学受験に失敗してがっかりしている彼をはげましてやろうと、雑誌を出したら、この中の絵をえらんで載せるようにするよと、約束をした。
『薔薇族』の創刊号にこの少年の絵を約束どおり使ってあげて、何冊か贈ってあげた。ところがその本が母親にみつかり、彼の持物を全部調べられてしまった。
母親のおどろきはいかほどのことだったか。それから彼は家出をしてしまい、ぼくのところへ電話がかかってきた。ぼくは完全に悪者にされてしまったようだ。
この少年、母親に連れもどされ、神経科にも連れて行かれたそうだ。小さい頃からかわいい子だったので、女の子のような洋服を着せて、他人にかわいいお子さんですねと言われる喜び、女の子のように育ててしまった母親。なるべくして男好きになってしまったようなものだけど、誰が悪いのか知るよしもない。
この少年も、もう五十数歳になっているだろうけれど、どうしているだろうか。ぼくの脳裏には、色白で目のぱっちりした美少年が今でもはっきりと残っている。
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