« 古い手紙の中に入っていた、一枚の絵 | トップページ | ぼくの青春と共に歩んできた『薔薇族』 »

2007年4月19日 (木)

新聞記者から市長さんへ

Img276

  下北沢の北口、横浜銀行(現在はドラッグストア)の横を曲って、1軒目の2階に「イカール館」という喫茶店を経営していた。数年前に店を閉じて現在は古着屋になっている。

  最初は「薔薇の小部屋」そして「エミール」その次が「イカール館」と、店の名前を変えた。「薔薇の小部屋」は、内藤ルネさんが少女雑誌に付けた名前で、2号で廃刊になってしまい、店名として残ることになった。

  下北沢は若者の街になってしまって、大人がゆっくりとくつろげるお店はなかった。ぼく自身が入ってみたいと思うお店がないので、それならば自分で造るしかないと思うようになってきた。

  たまたま当時、取引銀行だった、富士銀行の人が紹介してくれて、店を出すことになった。照明器具も、家具も西洋アンティークを使って、落着いた内装にした。ところがぼくが発行している同性愛の専門誌『薔薇族』の知名度があがっていて、これはうれしいことなのだが、「薔薇」というだけで、あちらのお店と思われてしまった。

『薔薇族』に広告を出したこともあって、レズビアンの人もかなり来てくれた。もちろんゲイの人も。

「薔薇の小部屋」は誰もが入れるお店として開店したので、ゲイバアのように思われるのは困りものだった。

  ある日のこと、店に行くために横浜銀行の路地を曲って、店先まできたときに、学生のような二人連れが「ここはあの店だよ」と言って、右手を頬のところにあてる例のしぐさをして通り過ぎて行った。

  そんなことがあって店名を変えてしまったのだ。いい名前で残念だったし、今、考えると変えるべきでなかったと悔やんでいる。

「イカール館」には、いろんなお客さんが来てくれた。お店の近所に住んでいる毎日新聞社の大橋建一さんもそのひとりだ。勤務の帰りに立ち寄ってくれて、お酒を飲んでいかれた。

  そのうち親しくなって、何度も毎日新聞に記事を書いてくれた。その頃、お店の壁面にカルフォルニアのフルーツのラベルを並べたりしていたので、それを記事にとりあげてくれた。

  大橋さんは政治部の記者でもなく、社会部の記者でもない、整理部というどちらかと言えば裏方の地味な仕事をされていた方だ。

  背が低くて、ずんぐりむっくりの地味な感じの方だった。記事はあまり書かない方なのに、何度も記事にしてくれたのはありがたかった。

  店も閉じてしまったので、大橋さんとは年賀状だけのお付き合いになってしまっていたが、5年ぐらい前から、大橋さんは和歌山市の市長さんになっていた。これは驚きだった。新聞社の裏方でずっと働いてきた方で、政治家とはまったく縁のないような大橋さんが市長さんに。「うそっ!」と、叫びたいぐらいだった。

  そのなぞがやっと解けたのだ。大橋さんから毎日新聞社刊で『元記者市長の雑学自典』(本体\1600・税別)という本が贈られてきた。

  恐らく和歌山は大橋さんの古里ということは想像できたが、それ以上は考えつかなかった。それがこの本を読んで、すべてのなぞが解けた。

  1946年の和歌山県生まれ。都立戸山高校を経て、東大文学部国史専修課程修了、毎日新聞社に入社、02年に退社して和歌山市長に就任。062期目の当選を果たす。

  頭のいい人であることは経歴を見て分かった。お父さんが市長さんを3期目当選して、半年後に57歳で現職のまま亡くなっている。その後の和歌山がどうなっていたのかは不明だが、「混乱している和歌山市政を建てなおすために、ぜひ和歌山に帰ってきてほしい」という多くの市民の要請を受けて、新聞社を退社して市長選に立候補したということだ。お父さんの地盤を継いでの当選で、これですべて納得。

  和歌山ってどんなところなのか、想像もつかない。新聞記者とは全く異なる、政治家プラス行政のトップという仕事は「未知との遭遇」ばかりで、戸惑いや反省の連続と言いながら、2期目に入った大橋さんを訪ねてみたい。真面目な大橋さんだ。きっと市民に信頼されているに違いないのだ。

, :・.☆.・:* ∴.. *, :・. *, :・。.・:.+ :。.・:.+ :..・:* ∴...・:* ∴.. *, :・。.・:.+ :..・:* ∴.. *, :・。.・:.+ :. *, :・. *, :・..・:* ∴...・:* ∴.。.・:.+ :。.・:.+ :。

Yamajun_1

「ウホッ!いい男たち」第1~4部
【著者名】山川純一
【発 行】ブッキング
【税込価格】各1,050円

▼販売サイト
 ・DMM
  http://www.dmm.co.jp/digital/book/-/list/=/article=series/id=10489/
 ・デジパ ネットショップ
  http://dl.digipa.com/shop/digipa/search?kwd=%83E%83z%83b
 ・電子書店パピレス
  (アダルト商品の為、購入にあたり会員登録者の必要があります。
   会員登録後、タイトル名で商品検索を行い、検索結果画面の右下の「アダルトフロア商品も表示」よりアダルトページにログインして下さい。)
    http://www.papy.co.jp/

◆山川純一原画 オークションはこちらから
http://openuser.auctions.yahoo.co.jp/jp/user/baraqito

※著作権は本人合意の上で(株)第二書房にあります。無断複製、転売、転載等はなさらないことをお約束いただける方のご購入を希望します。

, :・.☆.・:* ∴.. *, :・. *, :・。.・:.+ :。.・:.+ :..・:* ∴...・:* ∴.. *, :・。.・:.+ :..・:* ∴.. *, :・。.・:.+ :. *, :・. *, :・..・:* ∴...・:* ∴.。.・:.+ :。.・:.+ :。

◆このブログを読んでくれている人も、3冊の本についての感想をお寄せ下さい。

薔薇よ永遠に―薔薇族編集長35年の闘い 薔薇よ永遠に―薔薇族編集長35年の闘い

『薔薇族』の人びと その素顔と舞台裏 『薔薇族』の人びと その素顔と舞台裏

『薔薇族』編集長 『薔薇族』編集長

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

|

« 古い手紙の中に入っていた、一枚の絵 | トップページ | ぼくの青春と共に歩んできた『薔薇族』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101967/14754436

この記事へのトラックバック一覧です: 新聞記者から市長さんへ:

« 古い手紙の中に入っていた、一枚の絵 | トップページ | ぼくの青春と共に歩んできた『薔薇族』 »