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2007年7月10日 (火)

いい男を求めての撮影苦労話

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男の職業で存在しないものがある。それは男性のヌードモデルだ。1971年(昭和46年)に『薔薇族』を創刊したころは、モデル探しに大変な苦労をしたものだ。昭和50年に刊行した、『別冊薔薇族青年画報・No.7』に、ぼくはモデル探しの苦労話を書いている。「いい男を求めて果てしなく・モデル撮影苦労話」というタイトルでだ。

「どんな男がいい男なのか? 魅力的で、そしてセクシーで、といったって、ノンケのぼくにはまったくわからないのだから、『薔薇族』を創刊したということは、見知らぬ街に、いきなりほっぽり出されてしまったようなものだった。創刊から一年ほどは、戦後裏街道で男のヌード写真を撮り続けていた、大阪のオッチャンの持ちネガを運よくゆずり受けることができて、お蔭でスタートできるようになったが、男のモデルを見つけるのは、当時は今よりもっと大変なことだった。

それから間もなくして、波賀九郎さんが突然訪ねてこられた。前衛舞踏や、その当時、世間をあっと言わせたりしていた「〇次元」の写真などで有名な方だった。今から10数年前、そうハプニングなる言葉が、もてはやされていたころの話だ。その波賀さんが「じつはぼくも……」ということで、びっくりもしたのだが、それからの『薔薇族』のグラビアの大いなる戦力になっていった。

『薔薇族』創刊のころは、今の女房と結婚したばかりで、現在の第二書房のすぐ近所に建ったばかりのマンションの2DKの部屋から出発したのだった。小学3年生の息子(現在は33歳)が、お腹の中にいたころで、6畳の部屋をスタジオにして、波賀さんがカメラをかまえる。その照明を当てる役をお腹の大きい女房が引き受けて、モデルに一生懸命、ライトを当てていたのだから、今から考えるとマンガのようなものだった。

今、バレエの踊り手としても有名なN君とマンガ家になってしまったT君が、ふとんの上でくんずほぐれつしているところを、ぼくが自分で撮影したこともあった。このN君、舞踊家だから、からだがしなやかで、お風呂場で撮った、からみの写真などは、普通の人ではああのけぞれるものではない。T君はA誌に毎号、マンガを発表しているが、創刊して最初にわが家に訪ねてきた人だけに、今でも忘れることのできない一人になっている。女の子のようにかわいい、きれいな顔だちの子だった。女房の洋服を着せてちょっとお化粧をして、ぼくが写真を撮ったことがあったが、男とは思えないぐらい美しかった。」

『薔薇族』の誕生の地は、梅が丘通りと、茶沢通りの四つ角に建っている「ハビテイション淀川」の2階だった。1階には小さな、シャレた喫茶店「淀」があって、マミちゃんと呼ばれるママがひとりできりもりしている、家庭的な店だった。そこを応接間がわりにしていたから、男絵師の三島剛さんも来てくれたし、『アドン』の編集長に後になった南定四郎さん。わが家を訪れていたころは清水正二郎のペンネームで、エロ本作家で有名だったが、後に直木賞を受賞して、胡桃沢耕史とペンネームを変えられた。いろんな方とこの「淀」で出会ったものだ。

このマンションの前には、わが家を追い出した、芝信用金庫代沢支店がある。『薔薇族』誕生の建物と、『薔薇族』城を奪い去った信用金庫の建物がむかい合っているなんて……。

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