« 『薔薇族』自力復刊、秋の号が出たぞ! | トップページ | 古いゲイ雑誌『同好』を読んで思うこと »

2007年11月27日 (火)

「偉大なる構想」は夢と消えた!

Img311_2

『同好』の事務局長、毛利晴一さん、「偉大なる構想」と題して、長々と夢を語っている。『同好』の会員には、いろんな職業の人がいるのだから、お互い助け合おうという。

「職業上の協力はなるべく生活必需物資をひとつ買うにしても、会員の店で買う。もちろん割引もしてもらって、買う人も売る人も、双方の利益が得られるようにする。

  現に大阪では、すでにこの方法に進んでいますが、会員の経営するゲイバアを繁盛させ、会員の旅館を大いに利用し、また会員の経営する洋品店で、物を買うといった具合に、会員の商売を中心に繁盛させるようにする。

  また失業している会員には、できるだけ就職の世話をしてあげる。グレかかっている少年がいたら、周囲から注意をして守ってあげる。

  さらに進んで出来れば職業教育をやることも考えられる。テレビタレントの養成所とか、バーテン養成所とか、いろいろと同好者の生態に合う仕事を教えこむことも。

  あれやこれやと思いをめぐらせば、いくらでもわれわれの伸びる道はあり、しかも明るい道だと思う。しかし、先ず何をやるにしても資金が第一だ。試みに千人の会員が、ひとり千円出してくれれば、百万円のお金が集り、これで小さい何かの店が一軒持てる。そしてその店の利益や、また次の出資によって、さらにまた一軒の店を造っていく。その従業員が全部同好者で、団結して経営すれば必ずや成績はあがると思う。

  こんな方法で数年後には大阪に立派なゲイの会館建設もと、これも夢物語ではないだろう。お医者さんに余暇の奉仕を願って、診療所の開設。技術屋さんの余暇の頭脳を動員して設計事務所の開設や、語学の達者な人たちに奉仕してもらって、翻訳業や、いろんな事業もできる。そしてその金で日本の六大都市にゲイ倶楽部を造って、一泊百円ぐらいで宿泊できるとしたら、全く無銭旅行も可能となり、ゲイの特権といった、ゲイ天国の実現もあえて不可能ではない。

  本会の目的は遠大にして、大きい理想目標を持っている。決して夢物語ではありません。一歩、一歩、手っ取り早いところから実現したいと思っている。」

  半世紀も前に、毛利さんという人、こんなすごいことを考えていたのかと思うと、驚かされてしまう。

  法人会という税務署の協力団体があって、地域の会社が入って活動している。ぼくも参加していて広報委員長をやっていたことがあった。お互いに協力し合っていこうというものだが、うまくはいかなかった。

  下北沢の南口で営業している居酒屋のご主人も役員をやっていたが、誰ひとり会員でお店にきてくれる人はいないと言う。しかし、創価学会の人たちは、お互い協力し合っているようだ。ぼくの女房が利用している美容院は学会の会員で、お客さんのほとんどは学会の人のようだ。

  さて、ゲイの世界はどうなのだろう。毛利さんの夢みたことは、まったくの夢物語だった。第一にこの『同好』が、数年後、警察の手入れを受け、会員が恐れをなし会員が激減してしまっている。また、こんなすばらしい雑誌の『同好』がなぜ消滅してしまったのだろうか。

  毛利さん、ゲイの雑誌を出しているのに、ゲイの人たちの本質を理解できなかったことが、消滅の原因ではなかろうか。ゲイの人って自己中心的な人が多く、他人のことなど考ない人が多い。自分のことしか考えない人が、団結をするわけがない。

  毛利さんの考えた夢物語が、半世紀経って実現したことって、ひとつでもあっただろうか。

『薔薇族』が3年前に廃刊になったとき、カンパを送ってくれた人は、たった一人だけだった。

  ぼくの著書、『薔薇を散らせはしまい』のあとがきに、パートナーの藤田竜君はこんなことを書いている。

「人を救った出版物は数知れずあろう。しかし、世に知られることなく、救われた当人も口にはしないものとして『薔薇族』はあり、これからもそうであろう」と。

  読者に何かを求めてはいけないのだ。『薔薇族』を読んでくれた人が、少しでも心が晴れてくれれば、それだけでいいのだから。

★ご注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送り頂くか、千円札を紙にくるんでお送りください。 

155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学 

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031

東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

|

« 『薔薇族』自力復刊、秋の号が出たぞ! | トップページ | 古いゲイ雑誌『同好』を読んで思うこと »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101967/17205284

この記事へのトラックバック一覧です: 「偉大なる構想」は夢と消えた!:

« 『薔薇族』自力復刊、秋の号が出たぞ! | トップページ | 古いゲイ雑誌『同好』を読んで思うこと »