« 銀座の喫茶店「薔薇屋」も更地になっていた! | トップページ | 年の初めに思うこと »

2008年1月 9日 (水)

30年も前に、こんなオシャレな雑誌があった!

  昭和52年(1977年)7月に株式会社砦出版から創刊された『MLMW・ムルム』という雑誌を知っていますか?

『薔薇族』が創刊されて、3年後に二番手に刊行されたゲイ雑誌『アドン』の南定四郎さんが、今までのゲイ雑誌にないものを出したいという思いから刊行されたものだ。

「『ムルム』は独身ですごす人、また世帯を持ち同居していても、精神は独身者でありたい人や、遊ぶ時は独身者のつもりで、という人々が、自分の人生や生活を工夫し、楽しむときの伴走者になりたいと考えています。」と、編集後記に記されている。

『薔薇族』のスタッフの藤田竜君のわがままから、半年ほど編集から遠ざかってしまったことがあって、多摩美大出身の若い大塚隆史君が、編集に加わってくれた。しかし藤田竜君が復帰してしまったので、大塚君は『アドン』に移り、『ムルム』を立ち上げたようだ。

『ムルム』はとびきりオシャレな雑誌だ。今見ても古さは感じない。むしろ少し時代に早すぎてしまったかも知れない。

  表紙のイラストは武内条治さんだ。武内さんは関西在住のイラストレーターで、その才能はずばぬけている。ゲイ雑誌に登場したイラストレーターの中で、トップクラスの人だと思う。『ムルム』の表紙は、廃刊になるまでの40冊ほどを描いているが、それは見事な出来ばえだ。

  武内さん、初期の『薔薇族』にも作品を寄せてくれたが、あまりにもオシャレすぎて、『薔薇族』には馴染まなかったようだ。

  こんなすばらしい雑誌がなぜ続かなかったのか。雑誌にはなんとしても広告がたくさん入ることが必要だ。

  これだけオシャレな雑誌なのだから、ゲイバアの広告を入れないで、一般企業の広告を取るべきだったろう。その努力をしたのかどうかは知るよしもないが、それが最後まで出来なかったことが致命的だった。

  隔月刊から出発して、月刊誌にきりかえたが、最後は季刊になってしまった。これでは続くわけがない。

  3号目に読者からの読後感が載っていた。

「ムルム創刊2号を何気なく見つけました。やはり表紙のセンスがいいので、何の本だろうとめくってみると、ゲイマガジンだったのです。早速買いました。(帯広・SS)」

  しかし、その後、『アドン』はあまりにも武内条治さんを使いすぎてしまった。惜しいことをしてしまったと思う。

『ムルム』のことを書いたのは、1号から4号に渡って連載されている。吉田勝さんの「ブランスウィックとその時代」という読物に注目したからだ。

  吉田勝さんはイラストレーターとして有名な方だが、わが家のすぐそばのマンションに住んでおられたことがあって親しくなり、『薔薇族』の表紙を一度だけ描いてもらったことがあった。しかし、あまりにも迫力のある怖い顔で、夜、ひとりの部屋では見られないという読者の声があったほどだ。

「ブランスウィック」という店は、ケリーさんという方の店で、ゲイバアの走りのような店で、三島由紀夫さんの小説『禁色』の中に「ルドン」という名で登場したことで有名な店だ。

  吉田さん、お店の関係者などに取材して、じつに戦後のゲイの世界をほうふつとさせる記事を書いて貴重な読物だ。

「銀座ブランスウィック、それを記すことはまた、陰の戦後史をたずねることでもあった。」と吉田さんは記しているが、この記事の中で驚くことがあったので、次に紹介することにする。ぼくが推理して書いたことが、より現実的になって書かれているので、やはりそうだったのかと、納得することができた。

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送り頂くか、千円札を紙にくるんでお送りください。 

155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学 

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031

東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

P1020377

|

« 銀座の喫茶店「薔薇屋」も更地になっていた! | トップページ | 年の初めに思うこと »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101967/17598214

この記事へのトラックバック一覧です: 30年も前に、こんなオシャレな雑誌があった!:

« 銀座の喫茶店「薔薇屋」も更地になっていた! | トップページ | 年の初めに思うこと »