パンティをのぞかせてヘアーを!
漫画家の冨田英三さんに感化されたのか、ぼくほどイベント好きな男はいないだろう。かつて開いたイベントは数知れずだ。それに参加してくれた友人、知人は迷惑だったかも知れないが、一流ホテルで全裸ストリップショーまでやってしまったのだから、みんな楽しんでくれたに違いない。
今日3月19日で、76歳の誕生日。さすがに今はどん底生活なので、残念ながら何もできない。
机の中からこんな原稿が出てきた。今から41年前。ぼくが35歳の誕生日に神楽坂のキャバレー「ムーンライト」で、とんでもない会を開いていたのだ。
その時代、親父は女に夢中で仕事はぼくにまかせきりだった。それはそれでやり甲斐はあったが、何を出し続けていくか、企画が大変だった。
親父の考えで、事務所は自宅で、そして人は使わない。この教えどおりにやるのだから、小出版社が生きのびるには、エロ本しかないと思った。
その頃、二流、三流の週刊誌に原稿を書いているエロ作家がかなりいた。その中から選んで本にしようと考え、NIGHT BOOKSと名付け、新書版で出すことにした。夜のナイトと、騎士のナイトをかけたシリーズ名だ。
小出版社では、一流の作家の本など、逆立ちしても出せない。あまり有名でない作家が、週刊誌に書いた原稿をまとめて一冊の本にする。そして原稿料も買い切りだ。
このシリーズは、6、70冊は出しただろうか。シリーズは好調で経営は安定することができた。ナイト・ブックスが丁度35冊目を出したとき、ぼくが35歳の誕生日を迎えたのだ。それで開いたのが「第二書房ナイト・ブックスまつり・ピンクの夜を楽しむ会」だ。
1部が「エッチな話」漫画家の冨田英三さん、作家の豊原路子さん、作家の秋山正美さん、そしてエロ作家で有名な清水正二郎さん。
いずれもわが社で本を出した人たちばかりだ。豊原路子さんは美人で巨乳の持ち主。男をばった、ばったとやっつけた本「体当たり男性論」を書いた話題の女性だ。
2部は「エッチな詩とおどり」詩を書いたのはぼくのようだが、どんな詩を書いたのか、まったく覚えていない。おどりは前衛舞踊のビザール・バレエ・グループ。
3部は「エッチエッチショウ・ヌードオンパレード」で、キャバレーに出演しているバンドとヌードダンサーたちだ。
4部は「仮面ダンスタイム」
盛り沢山で、会は盛り上がった。会費はビール2本とおつまみつきで千円だ。
会は大成功に終ったが、後日譚がある。「週刊サンケイ」が何頁も使って面白く記事にしてくれたのはよかったが、桜田門が公然ワイセツ罪だというので、呼び出されてしまった。それは豊原路子さんが、舞台でサービスして、パンティの中をのぞかせてしまったのが、いけないというのだ。といったって現行犯でないのだから、証拠があるわけでない。結局キャバレーの支配人が始末書をとられてお終いとなったが、警察の嫌がらせだったのでは。
とんだ誕生日になってしまったものだ。
★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送り頂くか、千円札を紙にくるんでお送りください。〒155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学
★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。
◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。
◆お求めはこちらから
◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp
| 固定リンク
コメント