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2008年12月31日 (水)

昭和の幻をひきずっている店

 下北沢駅の改札口を出て、右側の階段を降りると、駅前に、戦後の闇市がそのまま残っているマ−ケットがある。

 今では、そのほとんどが新しい店に入れ替わっているが、その中に、アメリカ屋という、アメリカの衣類を輸入して売っている店と、額縁屋の2軒だけが、僕の知っている限りでは古いお店だ。

 昭和30年代、40年代頃までは、この闇市の中は、いろんなお店がびっしりと並んでいて、人ごみをかき分けなければ通り抜けられないぐらいの賑やかさだった。

 それが今では、抜け道でしかなくなって、当時の面影はないさびしい商店街になっている。今のように、アメリカの古着なんてものを売っている店はあるはずがなく、アメリカ屋は、アメリカ直輸入のしゃれたシャツ、ジャンパー、革ジャンなどがところ狭しと並んでいて、若者たちが群がる大繁盛店だった。

 僕が店の前を通ると、「社長!」とか「先生!」なんて声をかけて呼び止められるので、ついついシャツなどを買っていた。その頃は3人のオヤジさんが働いていたが、今はひとりのオヤジさんだけが店番をしている。

 先日、たまたまアメリカ屋の前を通ったら、オヤジさんと目が合ってしまった。ついついぶら下がっているシャツなどを見ることになって、ミッキーマウスをデザインしたシャツに目をとめた。ハワイ製で1960年代のシャツだと言う。

 値段を聞いたら、なんと2万9000円。以前はそんな値段のシャツを買っていたのだろうか。考えてみたら、ここ数年、そんな高価なシャツなど買ったことがない。

 最近は、南口の700円均一の古着屋をひいきにして買っているのだから、想像もできない値段だ。

 「今は年金暮らしで、それも今月から2万円も減らされているので、とても買えないよ」と言ったら、オヤジさん、「それじゃ、1万円にします」。

 いっぺんに1万9000円も値引きしてしまった。「最近、1万円なんてシャツを買ったことがないよ」と言ったら、「それじゃ、9000円にします」。

 可愛らしいミッキー・マウスをデザインしたシャツ。ちょっと心引かれて買ってしまった。

Bungaku

 店の奥にぶら下がっている革ジャンの値段を聞いたら、9万8000円だという。この革ジャンを値切ったら、いったいいくらになるのだろうか。

 700円均一の古着屋で、うまく見つけると、革ジャンでも、革のコートでも700円で買える。小田急の復々線の工事が進んでいて、この闇市が消える日も時間の問題だろう。

 昭和のなつかしい時代は、とうに終わってしまったのだ。昭和の幻を引きずって取り残された、うらさびしいお店も消えてしまう日もそう遠くはないだろう。

 今やアメリカは貧乏大国になり下がって、日本人があこがれた、栄光に満ちあふれたアメリカではない。しかし、ここで売られている衣類は、まぎれもなくかつてのアメリカで作られた、メイド・イン・USAだ。

 アメリカ屋さんの商品は、今のように中国製でないだけでも救いだろうか。

P5

戦後の闇市がそのままに・・・

Furugi

昔、仕入れた革ジャンが9万8000円・・・

 

女性好みのかわいいものばかり!

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 伊藤文学のコレクション

2008年12月10日(水)〜本日、12月31日(水)正午〜午後9時 入場無料

「ONE LOVE BOOKS」 

〒155-0031東京都世田谷区北沢2-1-3  ☎03(3411)8302

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★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

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