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2009年2月 5日 (木)

内定を取り消された大学生のような・・・

 僕の著書、『ぼくどうして涙がでるの』と、『裸の女房=裸でデビュー、裸で死んだ前衛舞踏家、伊藤ミカ』の2冊が、この春、本になるはずだった。

 S社の企画会議に通して、2008年の秋には出版の運びだったが、資金繰りがつかず今年の春にという話しに。新年になって編集者が訪ねてきて、出せませんと言われてしまい、内定を取り消された大学生のような気分になってしまった。

 恐らく断れるなと思ってはいたが、この出版不況で、資金繰りがつかないのだろう。このS社は社員が15人もいて、新刊本は月に3冊ぐらいのペースで出していたようだ。

 僕は、雑誌の『薔薇族』を出し続ける以前は、長いこと単行本だけの出版でやってきた経験から、月に3冊で社員15人は多すぎるなと思っていた。

 月に3冊ぐらい新刊を出すのなら、社員は5人ぐらいでやれるはずだ。僕が単行本を出していた頃は、取次店(本の問屋)に納める卸値は、72掛けぐらいで、大手の出版社とそう違いはなかった。

 今の小出版社は、なんだかんだと取次店にいじめられて、6掛け(定価の4割引)ぐらいで納めているのだろう。大手の出版社は取次店に本を入れると、すぐに全額をもらえるようだが、小出版社はわずかばかりを3ヶ月の手形でもらう。その手形を割ったりして支払いに充てるのだ。が、小出版社が苦しくなるのは当然だ。

 かつては出版は不況に強いと言われていたが、出版界唯一の業界紙「新文化」によると、不況下の消費者心理を繁栄して、売上げが30ヶ月連続してマイナスだそうである。雑誌の落ち込みが、単行本よりひどいのは、ネットの影響からだろう。

 『ぼくどうして涙がでるの』と、『裸の女房』も、昭和30年代(1960年代)の話しだ。東京オリンピックが開催されたり、新幹線も開通するという、日本が一番元気があって、活気に満ち満ちていた時代だった。

 『ぼくどうして涙がでるの』は、僕の妹が東京女子医大の心臓病棟に長いこと入院していた時の物語だ。患者同士がお互いに助け合い、励まし合って、入院生活を送っていた良き時代だった。その本をリメークして出そうという話しだった。

 『裸の女房』は、僕の先妻のミカとの出会いから、舞踏家になって「オー嬢の物語」、「愛奴」を舞踏化して、話題になり、30年代を疾風のように駆け抜けて、33歳で事故死するまでの15年間を描いたものだ。

 30年代は、多くの若い芸術家たちが輩出した、もっとも活気のある時代だった。寺山修司の「天井桟敷」、唐十郎の「状況劇場」、土方巽の前衛舞踏、そして、「平凡パンチ」や「週刊プレイボーイ」が華やかな時代だった。

 赤坂にあったクラブ「スペース・カプセル」は、前衛的な芸術家を起用して、毎日、変わったショウも催していた。お客さんも石原慎太郎、岡本太郎、フランス大使館の人たちなど多彩で、今では考えられないほどの活気に満ちあふれていた。

 伊藤ミカが主宰する「伊藤ミカ・ビザール・バレエグループ」のショウは、マスコミがもっとも多く取り上げ、その迫力に観客は度肝を抜かれたものだ。

 『裸の女房』の原稿は、僕が7、8年の歳月をかけて書き上げた自信作である。「捨てる神あらば、拾う神あり」で、ぜひ本にしたいという出版社が現れてきている。

 1970年1月11日に、33歳でミカが亡くなってから39年ぶりに本になるなんて奇跡のようだ。この本が世に出れば、僕はいつ死んでもいいとさえ思っている。

Photo「愛奴」を踊る伊藤ミカ

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