« 2009年3月 | トップページ | 2009年5月 »

2009年4月

2009年4月29日 (水)

才人、竜超がヤマジュンTシャツを作ったぞ!

 「週刊SPA!」の4月21日号が、「パートナーは出会い系、飲むなら繁華街で・・・・・・。アジア最大のゲイタウンに異変が・新宿二丁目からゲイが消える!?」という見出しで、2頁にわたって記事を載せている。

 最近、彩流社から「消える『新宿二丁目』」という本を出した『薔薇族』副編集長、竜超(りゅう・すすむ)君(今、現在復刊されている季刊の『薔薇族』は、彼が企画を立て、ワープロを打ち、レイアウトもしている)、彼のこの本の宣伝のようにしてくれている。

 とにかく竜君は才人で、山川純一君の劇画を使って、Tシャツを作りたいと、前から言っていたが、ついに竜君のデザインで、「やらないか!」のTシャツが完成した。

 Tシャツの地色は3色、薄いピンク・M、水色・M、白色だけがM・Lの2サイズ。

 注文は、郵便貯金総合通帳ぱるるの店名018、預金種目・普通預金・口座番号4304540・伊藤文学宛に、送料とも2100円を振り込んで、メールで住所・氏名・電話番号を知らせて下さい。クロネコヤマトのメール便で送ります。

 山川純一君が、『薔薇族』の編集部を訪ねてきたのは、25年ぐらい前だったろうか。我が家のすぐ隣に古い平屋の家があって、老婆が独りで住んでいた。その老婆が亡くなられて、大家さんが建て直そうと思ったが、路地の奥で建築の許可が下りず、古い柱を何本か残して、改築として建て直した。そこを事務所兼倉庫として、しばらくの間、借りていた。そこへ山川君は訪ねてきたのだが、彼と部屋の中でしゃべった記憶がまったくない。

 遠慮がちだったのか、いつも原稿を持ってくると、玄関先で立ち話をして帰っていった。

 我が家は、どんな人が訪ねてきても、応接間に通して、お茶を出し、昼時だと食事を出したりしていたのだが、彼の場合は、なぜか椅子に座って話し込んだことがない。

 僕が彼を嫌っていたということは絶対にない。どんな人が訪ねてきても、僕は誠心誠意、応対してきたつもりなのに、彼は本当に影の薄い人だった。

 痩せていて、粗末な服を着ていたと思う。若者らしい溌剌とした感じはまったくなくて、顔もハンサムとはいえない、寂しい感じの青年だった。

 狭いアパートの一室で、妄想で作品を描いていたに違いない。ハッテン場で遊びまくるような青年ではなかった。

 山川純一君より、もっと上手な劇画を書く人は何人もいたのに、山川純一君の劇画が、今の時代に脚光を浴びるなんて、不思議な話である。

 彼の劇画を嫌いに嫌って、締め出してしまった藤田竜君、このヤマジュン人気をどう思っているのだろうか。

 僕は、僕にできることを山川純一君にしてあげたと思っているので、山川純一君の作品を、『薔薇族』など読んだことのない、若者や女性が、愛読してくれている現象がうれしくてしかたがない。

 これからは、台湾や中国、いや欧米の若者にも、ファンが広がっていく予感を感じている。

 「やらないか!」。本当に今の時代にぴったりの言葉ではないか。若者よ、行動を起こせとヤマジュンが叫んでいるような気がする。

 今年の夏は、「やらないか!」のTシャツを着て、街を歩こうではないか!

Yaranaika2

Photo

●ミカと僕との、仙台の七夕祭りに行く、満員のお客を乗せた夜汽車の中で出会いから、33歳で事故死するまでの15年間を綴った本が、いよいよ「彩 流社」から、5月頃発売される。タイトルは『裸の女房=裸でデビュー、裸で死んだ前衛舞踏家、伊藤ミカ』。定価は未定だが、6、7年の歳月をかけて書いた ものだ。なぜ、ミカは性をテーマに舞踏を創作したのか、なぜ、裸で踊ったのか、死後39年経ってぶちまけた話題作になることは間違いない。乞う、ご期待 だ!

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年4月27日 (月)

落ち込まずに頑張れ!草彅剛君!

 かつての日本は、酔っぱらいのしでかしたことには、わりと寛大だったと思う。「消える『新宿二丁目』」(彩流社刊)の著者、竜超君のところへ、夕刊紙の記者から電話がかかってきて、「SMAP」のメンバーの草彅剛君の公然猥褻事件で、全裸になったのはゲイだからではないかというようなことを質問されたそうだ。

 彼は、34歳で独身、あまり女性との浮いた話もない。しかし、僕は、ゲイの人って、へべれけになって、正体をなくすほど酒を飲む人っていないと思う。ほとんどのゲイの人は、自分の性癖を隠しているから、深酒をしたら性癖を表にさらけ出してしまうのを恐れて、自重しているからだ。

 新宿二丁目で正体をなくすほどの酔っぱらいって見たことはない。草彅君は、見るからに穏やかでおとなしい人のように見える。よほどストレスがたまっていたのだろう。

 深夜の午前3時、誰もいない公園で、全裸になったからって、何が悪いのか。大声で叫んでいたそうだが、あと4、5分もすれば、叫ぶのも止めて寝転んでしまっただろうに。

 居酒屋で酒を飲んで、器物を壊したとか、ケンカをして相手を傷つけたわけでもない。路上で全裸になったわけでもなく、人気もない公園でだ。他人に迷惑をかけてもいないのだから、大声で叫んだぐらいで、警察に通報することもなかったのでは。

 警察署に一晩泊めて、翌日、酔いがさめたら釈放すれば済んだ事件だった。それに全裸になったぐらいのことで、自宅を家宅捜索するなんて、警察も行き過ぎもいいところだ。恐らく大麻でも吸っていると思ったに違いない。

 下北沢の商店街で、若い警察官2人に呼び止められて、うさんくさいと思われる若者の持ち物を調べている光景は、日常茶飯事のことだ。断れば良いものを警察官には逆らえないと若者はあきらめているようだ。恐ろしい世の中になったものだ。

 鳩山総務相は、地デジのCMをやめ、ポスターも作り直すという。この間も水道局がネームを作り直して何千万もかけて税金をムダ使いしたばかりではないか。

 自分のふところがいたむ訳ではないから、簡単に作り直すというけれど、莫大なお金がムダになってしまう。

 ジャニーズ事務所は、大きな権力を持っているのだから、もっと強気に出て、草彅君を少し休息させて、また仕事に復帰させればいいと僕は思う。

 別に草彅君のファンでも何でもないけれど、こんなことぐらいで落ち込まずに、また、良い仕事を続けてほしい。頑張れ、草彅剛君!

Photo

●ミカと僕との、仙台の七夕祭りに行く、満員のお客を乗せた夜汽車の中で出会いから、33歳で事故死するまでの15年間を綴った本が、いよいよ「彩 流社」から、5月頃発売される。タイトルは『裸の女房=裸でデビュー、裸で死んだ前衛舞踏家、伊藤ミカ』。定価は未定だが、6、7年の歳月をかけて書いた ものだ。なぜ、ミカは性をテーマに舞踏を創作したのか、なぜ、裸で踊ったのか、死後39年経ってぶちまけた話題作になることは間違いない。乞う、ご期待 だ!

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年4月26日 (日)

『薔薇族』の人びと・その7〜波賀九郎さん、オカマちゃんに誘われて!

 波賀さん、他人さまにオチンチンをくわえられたのは、このときが初めて。オカマちゃんは波賀さんのオチンチンをがっぷりとくわえてしまった。

 お酒を飲んでいるせいか、口の中が焼けるように熱くて、耐えられないぐらいの快感が全身を駆け巡る。たちまちのうちに口の中に発射させられてしまった。

 その時から二人の間に、人間同士の親しみみたいなものが、自然に湧き出してきたようだ。オカマちゃんは「うちにおいでえ」と、親切に誘ってくれた。

 寝るところがないことを知っていたからだ。「一緒に歩いていたら気になるやろから、後ろからついてきたらええわ」と、気を使ってくれる。

 古びた着物を着ていて、髪は長い。新派の女形の役者のように、顔にはべっとりとお白粉が塗られている。年は40代半ばというところだろうか。

 飛甲の遊郭を過ぎて、旭町2丁目に入り、狭い路地をいくつも通り過ぎる。真夏の暑い最中だから、住人たちは表に出て涼んでいる。そのオカマちゃんは、おしげさんと呼ばれていて、もう、すでに町の人に、「ええ男を連れてきてからに・・・・・・」と笑いながら見送っている。

 おしげさんのオカマちゃんとしての人間性を町の住人たちは認識して、その人間性を認めて暮らしているという感じかもしれない。それほどオカマちゃんたちは、真面目につつましく暮らしているようだ。

 おしげさんの住んでいるアパートは古い木造の2階建て。1階は何軒かのお店が入っていて、その2階が何室かあって、その1室が、おしげさんの住み家だ。

 おしげさんは奥さんがいたようだが、逃げられてしまっている。小学校3年生ぐらいの女の子と一緒に6畳ひと間に住んでいて、そこに波賀さんがころがりこんだことになる。

 寝具なんて何にもない。置いてあるものといえば、洗面道具と、茶碗とか、鍋とかの台所用品が少しだけ。それと七輪と。部屋の片隅に投げ出されたように置いてある、赤いランドセルがわびしかった。

 近所にある漬け物屋に行き、たくわんをつけてある、ふたの下におさえに使っている、捨ててしまうような大根の葉っぱをもらってきって、小さく刻んで、醤油をかけて、ごはんの上にのせて食べたら滅法うまかった。

 波賀さんには、オカマちゃんの人情が腹の底にしみ入るようにうれしかった。

 おしげさんにとって、なくてはならないものは、お白粉とお酒。飲まなければやれないつらい仕事なのだろう。公園で声をかけた男たちから、半分おどすようにして、お金をまきあげるのだから。

 なんという人情味あふれるいい話しではないか。

 4月8日の東京新聞の夕刊によると、不法入国して両親はフィリピンに帰され、日本生まれの娘のカルデロン・のり子さんだけが在留特別許可を得て、日本にとどまるという。

 中学2年生になって始業式に行くのり子さんを見送る両親の悲しげな顔。法はまげられないというけれど、日本人の人情はなくなってしまったのだろうか。こんなときこそ公明党が助けてやったら株が上がると思うのだけど。

 昔、会ったことのある人が、突然訪ねてきたので、なんだと思ったら、選挙の話だった。

 波賀さんの人情話は、まだまだ続く。

Barazoku6

●ミカと僕との、仙台の七夕祭りに行く、満員のお客を乗せた夜汽車の中で出会いから、33歳で事故死するまでの15年間を綴った本が、いよいよ「彩 流社」から、5月頃発売される。タイトルは『裸の女房=裸でデビュー、裸で死んだ前衛舞踏家、伊藤ミカ』。定価は未定だが、6、7年の歳月をかけて書いた ものだ。なぜ、ミカは性をテーマに舞踏を創作したのか、なぜ、裸で踊ったのか、死後39年経ってぶちまけた話題作になることは間違いない。乞う、ご期待 だ!

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月23日 (木)

『薔薇族』の人びと・その7〜波賀九郎とおカマちゃんとの出会い

 波賀九郎さんは、1920年、兵庫県の姫路の近郊で生まれた。小学校3年生の時に父親が亡くなってしまった。

 母親が頑張って働いてくれて、中学校にも進学させてくれたが、中途退学してしまった。その後、満州に渡って、農業をやろうと考え、満蒙開拓団に入団して海を渡った。

 ところが波賀さんは、農業向きの体ではなく、どことなく都会的で、ひ弱な感じがしたので、満鉄の技術学校に入り、満鉄の社員になって、吉林の配属になった。

 終戦後、昭和23年に日本に帰国して、古里に帰り結婚もした。波賀さんの古里は、木材の産地でもあり、奥さんの叔父さんが村の有力者で、村長も勤め、顔も利くので、営林局にかけあってくれて、木材を払い下げてもらうことになった。

 その木材を、造船業を営む会社に売り込むことに成功したが、その会社の社長は、したたかな男で、僅かな手付金をくれただけで、後の払いは約束手形。手形がおちないうちに会社をたたんで社長はドロン。たちまち波賀さんは多額の借金を背負ってしまい、耐えられずに奥さんと、生まれたばかりの娘さんを実家に帰して、自分は夜逃げをしてしまった。

 そうした古里を捨てた人が行き着くところは、大阪の釜ヶ崎。そこで波賀さんはホームレスになってしまう。

 ホームレスが行き着くねぐらは天王寺公園。植え込みの周りにアスファルトの歩道があるが、昼間は焼け付くような夏の太陽を浴びているから、夜になってもアスファルトの歩道は、ホカホカとして、その上に眠ると気持ちがいい。そこに職のないホームレスが、ゴロゴロと寝転んで夜を過ごす。

 波賀さんは、30歳を過ぎたばかり。何日かしてホームレス生活も慣れてきた頃、天王寺公園の木立の下を歩いていたら、ひとりのおカマちゃんに声をかけられた。顔はお白粉で塗りたくられて、夜目でもお世辞にも美しいとはいえない。

 プロだなと思うから、金を取られると思ったけれど、一文無しだから怖いものはない。おカマちゃん、お酒を飲んでいるらしくて、ほろ酔い状態。ベンチに腰掛けて世間話を始める。「お金を持っていないのはわかっているよ」と、安心させてくれた。

 漫画家の冨田英三さん。昭和33年に「ゲイ」という本を出している。僕の先生みたいな人だ。冨田さんも関西出身の方で、その本の中にこんなことを書いている。

 「釜ヶ崎。大阪の南部、新世界から南へ、飛田廊へ通じる道の右手にひろがる、そこは名だたる貧民街だった。
 今でも、この辺りは、くもの巣のような路地と、どぶの街だが、昭和の前期は文字どおりに、落伍した人生のはきだめだった。
 流しの遊芸人、屋台店に細々と露命をつなぐ女、日雇い稼ぎの男、そうした暗い街だった。そして夜のそこは、よれよれの着物を着て、お化けのように白粉を塗りあげた、淫売婦と、男娼の巣でもあった。」

 さて、おカマちゃんと話し込んでしまった波賀さん、二人の仲はどうなるのだろうか。
                                                  (つづく)

Barazoku

●ミカと僕との、仙台の七夕祭りに行く、満員のお客を乗せた夜汽車の中で出会いから、33歳で事故死するまでの15年間を綴った本が、いよいよ「彩 流社」から、5月頃発売される。タイトルは『裸の女房=裸でデビュー、裸で死んだ前衛舞踏家、伊藤ミカ』。定価は未定だが、6、7年の歳月をかけて書いた ものだ。なぜ、ミカは性をテーマに舞踏を創作したのか、なぜ、裸で踊ったのか、死後39年経ってぶちまけた話題作になることは間違いない。乞う、ご期待 だ!

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月19日 (日)

ライトを当てると、ミカの体は輝きを増して!

 クラブ「スペース・カプセル」の社長さんは、30代の若さ、お父さんもダンスホールやクラブなどを経営していた方で、山名雅之さんは、自ら水商売の神様だと豪語していた。

 石原慎太郎さんと友人で、山名さんと奥さんとの結婚式には、仲人をされたということだ。お店にも石原さん、よく顔を出していた。「月刊SHOW MAGAZINE=芸通・NO.96」に、こんな紹介が載っている。

 「TBSスタジオに近く、赤坂の繁華街からそれた静かな一角にある。
 ハイセンスで、ユニークなクラブとして、オープン以来、数々の話題をまいた店で、土地柄、芸能人や文化人の常連が多い。
 入口はレジデンスの右角で、英文字で地味に「SPACE・CAPSULE」とあり、その下にスライドが映写されているのが珍しい。
 店内は天井一面に小さな銀色の球体が無数につり下がり、周囲の壁はステンレス、椅子やテーブルは黒一色。ミステリアスな三次元の世界に入ったようなムードに誘い込まれる。
 点滅を続ける照明と、GSバンドの演奏効果に加えて、フロアショーはモダンアートの本格派たちが粋をこらして番組を構成している。
 都会派のインテリなら一度は訪れて、前衛感覚の何たるかをここで把握しなければ損するような店である。
 ショータイム・9時・11時」

 前衛芸術家をショーに参加させるなんていうことはなかった時代だったから、山名社長は先見の明があったといえよう。

 ミカは、「O嬢の物語」、続いて「愛奴」の公演と大成功を納めて、マスコミの話題をさらったので、演出家のた竹邑類さん、イラストレーターの宇野亜喜良さんの紹介で、「スペース・カプセル」のショーに加えてもらうことになった。

 僕は、何をやっていたかというと、ミカの裸身にライトを当てる照明係だった。これは緊張の連続で、少しでもミカの裸身が美しく見えるように光を当てなければならない。

 ミカの普段の顔は、美人とはいえないが、踊っている時のミカは美しかった。踊っているうちに皮膚が輝き出し、体から滲み出てくる迫力、気迫は観客を圧倒した。

 「静かの海」というショーの時は、山本寛斎さんがデザインした、ステンレス製の円盤(月を象徴したものだ)を、くさりで背中にしょって踊った。重さが20キロもあるから、くさりが当たる肩の部分の皮膚のところは、破れて血が出やしないかと心配したが、少し赤くなるぐらいで、意識を集中させているから、痛くないとミカは言う。

 「内外タイムス」という新聞が、こんな記事を載せている。

 「さて、この日は『O嬢の物語』、『愛奴』などで知られる女性舞踏家、伊藤ミカの出演。舞台といっても三方を客席に囲まれた狭いフロアなのだが、その客と顔突き合わせんばかりのすぐそばで、金属製の円盤、すなわち〈月〉をクサリで肩に十文字に背負い、身につけているのは下腹部の三角布だけという、異様でエロチックな格好の伊藤ミカが、これまた裸形の若者二人を相手に踊りまくる。
 スポットにくっきりと浮かび出た、伊藤ミカの白い裸体は、なにしろ客席のド肝を抜くに十分で、若いアベックや、デップリした重役タイプ、青い目の外人もまじった客席は、シーンとかたずをのんだ静けさ。」

 当時は、テレビの取材はなかったが、週刊誌のグラビア、スポーツ紙が、ミカの踊りを報じてくれた。(つづく)

Photo観客はかたずをのんで。。。

●ミカと僕との、仙台の七夕祭りに行く、満員のお客を乗せた夜汽車の中で出会いから、33歳で事故死するまでの15年間を綴った本が、いよいよ「彩流社」から、5月頃発売される。タイトルは『裸の女房=裸でデビュー、裸で死んだ前衛舞踏家、伊藤ミカ』。定価は未定だが、6、7年の歳月をかけて書いたものだ。なぜ、ミカは性をテーマに舞踏を創作したのか、なぜ、裸で踊ったのか、死後39年経ってぶちまけた話題作になることは間違いない。乞う、ご期待だ!

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月14日 (火)

『薔薇族』の人びと・その7〜数奇な運命を生きた、男写真の第一人者ーー波賀九郎

 創刊して1年近く経った頃だった。カメラマンの波賀九郎さんが、ひょっこり訪ねてきた。

 波賀さんは、土方巽さんなどの暗黒舞踏家の写真を撮っていた方なので、僕の前妻の舞踏家、ミカの写真も撮ってくれていたことで、以前からの知り合いではあった。

 その頃は、波賀さんがゲイだということを告白してくれて、『薔薇族』のために男性ヌード写真を撮りたいということで訪ねてきたのだ。

 波賀さんの本名は中谷忠雄。没後、2003年の4月、株式会社「心泉社」から「土方巽の舞踏世界・中谷忠雄写真集」(本体価格3400円)が刊行され、僕も刊行委員のひとりとして名を列ねている。

 種村秀弘さんが序文の中で、こんなことを書いている。

 「中谷忠雄はーー芦川羊子や小林嵯蛾のような、土方門下の女性舞踏家以外にはーーおそらく女体は撮っていないはず。彼はすべて男性の、それも生活空間から隔絶した舞台の、または撮影セットの上での男性身体のみを対象にしていた。ということは、女性の生殖につながる連続性を拒否して、死の非連続性において完結する男性の肉体を専一に撮影したということになる」。

 評論家の先生が表現すると、こういうことになるのだろうが、中谷忠雄さん(波賀九郎)は、女性は嫌いだから撮らない。男が好きだから男の写真を撮っていたということだ。

 40年ぐらい前は、若い男が全裸に近い姿態で踊るなんていうことは、前衛舞踏家しかいなかったから、波賀さんの目がそちらに吸い寄せられたのは当然のことだろう。

 波賀さんは、僕の先妻のミカの舞台写真も撮ってくれている。世田谷の区立中学の保健体育の教師でありながら、フランスの地下文学の傑作「オー嬢の物語」を舞踊化、舞台で全裸になったことから、大変な問題になってしまった。1960年代後半のことだ。

 その頃の僕は、同性愛のことなど全く意識になかったが、今、考えてみると、舞台を支えてくれた人たちは、ほとんどがゲイの人だった。

 「週刊新潮」などが取り上げてくれたので、新宿厚生年金会館小ホール(700名収容)での公演が、当日売りチケットの売上げ新記録を作ってしまった。

 遠方から見に来てくれたお客さんも、ゲイの人が多かったと思う。先端を行く芸術を支えていたのはゲイの人だった。

 その時代は、女性が舞台で裸になることは珍しかったが、共演の男性の裸体を見に来ていた人も多かったに違いない。

 昭和30年、40年代の新宿は、若い前衛芸術家が次々と台頭してきて、活気に満ちあふれた時代だった。

 「平凡パンチ」、「週刊プレイボーイ」が時代をリードしていた頃のことだ。

 赤坂のTBSの裏手の方にあった、黒川紀章さんが内装を手がけて話題になった「クラブ・スペース・カプセル」を知っている人は少ないだろう。

 アメリカの宇宙船が、月の世界に降り立って話題になった頃だ。天井も壁もステンレス、椅子は真っ黒な黒革。天井には次々と色が変わる電球がたくさんついていて、まるで宇宙船の中にいるようだ。

 前衛芸術家をずらっと並べたショウは、話題になっていて、そこにも波賀九郎さんは、写真を撮りにきていた。(つづく)

Photoクラブ「スペース・カプセル」で踊る伊藤ミカ

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月12日 (日)

77本の薔薇の花束が!!

 3月19日は僕の誕生日だった。とうとう77歳、喜寿を迎えてしまいました。まさかと思っていたら、本当に77本の真紅の薔薇の花束が贈られてきて、うれしいやら、びっくりするやらでした。

 花束をかついで届けようと思っていたのに、娘さんが発熱して来られなくなり、宅配で送ってくれたのだ。レズビアンの奥様に感謝。

 もうおひとりは、聡明で美人、アンティーク好きで、雑誌に原稿を書いていた女性。憧れの人だったが、この人は結婚しないと思っていたのに、ゴルフの会社の社長と結婚。

 前の奥さんの子どもさんが2人もいるというのに。豪華な結婚式に、僕ら夫婦も招いてくれて、ご自分の子どもさんも、2人ももうけられ、幸せだと思っていたら、突然、離婚されてしまった。

 この女性からも薔薇の花が。

 大阪のMさんという女性からは、バースディ・カードが。

 「いよいよ、あと1号で完結なのですね。と言っても私はほんの最後の最後に、少しかすっただけの遅れてきた読者ーー。それでも寂しいです。
 社会に出たとき、先輩の中にゲイの人がいて、ごく身近に感じ、接してきましたが、『薔薇族』をちゃんと読むまでは、普通のゲイの人々の持つ苦悩をあまりわからずにいたことを今、恥じています。
 ゲイをカミングアウトして暮らせる人は、案外少なく、圧倒的にみんな、それを言えずに生活しておられるのだということを復刻版を読んで知った私は、何と思い上がっていたのでしょう。
 反省するとともに、これからも少しでも応援していこうと思っています。
 先日、『編集長「秘話」』を入手しました。近くのブックオフでのことなのですが、100円コーナーではなく、ちゃんとした?棚で発見しました。これから読ませていただきます。
 こういうタイミングで見つかるのも、何かのご縁かな?と思っています。5月頃、出版予定の本は、ちゃんと新刊本で入手しますね。」

 季刊になってからの『薔薇族』も、あと1号で終わり。ネットでしか知らせられなかったから、手に入れて読んでくれた人は少なく、それも女性が多かった。それでもMさんのようなゲイに対する理解者が、ひとりでもいたということは、うれしいし、満足しています。

 九天社発行の「薔薇よ永遠に=薔薇族編集長35年の闘い」、この本は僕としてもよくできた本だと思っている。

 九天社は倒産してしまったから、ブックオフか、古本屋でしか購入できませんが、目についたらぜひ読んでみて下さい。

 見知らぬ人との出会い、本を通しての出会い、これからもどんな出会いがあるのかと思うと、まだまだ頑張らねばと思っている。

 今日、道で出会った近所のバアのママから、「ブログ見てますよ」と言われて、ブログってスゴいなと思うばかりでした。

Photo

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月10日 (金)

M君を吊るしたまま、忘れちゃった!

 サディステックな内藤ルネさんと、マゾのM君との出会い、こんなことって、そうざらにあるものではない。ルネさんが「人生の黄金の6年間」というのは、本音だと思う。

ルネ うん、でも伊藤さんとね、こういうときでもなければ、絶対、門外不出の話ね。

文学 でも、その6年間は幸せだったね。

ルネ うん、私は「人生の黄金の6年間」って言ってますけどね。あとからバチが当たったんじゃないかってくらい、ラブラブハッピイでしたよ。

文学 それは絵が売れるとか、そんなことより、もっと幸せだね。

ルネ 幸せ、幸せ。けど、絵も大好きですよ。

文学 自分の欲望を全て出せてね。

ルネ それでね、両手を上から吊るしてね。それで忘れちゃったの、ちょっと。そしてね、「先生、痛いからもうほどいて」って言われたりね。様ざまな愛の処刑を考え出しましたよ。スケッチブックにデッサンしたりして。デザインをいっぱい考えて、それを実行するの。

文学 彼を吊るしたままで、忘れちゃったんだ。

ルネ 忘れちゃったの。私は向こうでやることがあってね。それでね、肌は白いし、ペニスもかっこいいし。もうねえ、ちょっとねえ、ステキでしたね。口で言えないようなね、いろんなことありましたよ。あんまり良くしてくれるから、ロンドンに連れて行ったり。日本のあちこちにも行きましたよ。飛行機にも乗ってねえ。

文学 連れて行ったんだ。

ルネ 方々に連れて行きましたよ。良くしてくれるからね。お小遣いもね、多少ははずんだりね。それはしましたけどね。もっとたっぷりやれば良かったと思いますけどね。

文学 ルネさんの持ち家の上北沢の家にも、M君を住まわせていましたね。

ルネ そのうちに「大学に入りたい」って言って、帝京大学に入ったのかな。その頃に上北沢に行ったのかも。

文学 すごくいい子なんだね。

ルネ うん、根はね、とってもやさしいんだけどね。純タチ(異性愛者の昔の呼び方)で、いわゆる気が利かないって感じの子でね。でも会いたい。いまでもね。それでね、ヤクザ志向なのMは。入れ墨を彫りたかったの。

文学 へえ〜。

ルネ 先生、彫るところを決めてね、って言うのね。だけどさ、「いったん入れたらね、それはもう落とせないんだよ」って。あるときにね。海水浴に行ったんだって。そしたらね、「あなたの肌に入れ墨したい」っていう人がいたんだって。それでね、浮かれてその気になったらしいの。でも、「それだけはよしな」って言ったの。そいで、そのときにね、僕のことをこれから「若」って呼んでって言われたんだけど、さすがに言えなかった。「若」ってふうには・・・。そこまで男っぽくないから。

文学 はあ〜。

ルネ それでね、お祭りがとっても好きだったの。どっかでね、お金は出しましたけどね。祭装束を全部そろえて。その写真はたくさん撮りましたよ。

 M君をモデルにした写真は、膨大な数になるようだけど、その写真は発表されずに処分されてしまうのでは。

 『薔薇族』の初期の頃に、誌上に載ったM君の数点の写真、この写真に心ときめかせた多くの読者がいたことだろう。

 ルネさんは、7億円ものお金を詐欺師に取られてしまったけれど、お金に換えられない幸せな人生を送った人だと、僕は思っている。

Photo

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 7日 (火)

やりたい放題で、神への冒涜かとも!

 藤田竜君は、モテモテの男だし、あきっぽい性格だから、すぐにM君のことなど、どうでもよくなって、ルネさんにまかせたということだ。

文学 彼はお尻に入れられるのが良かったんだ。

ルネ ノンケ(女好きの男のこと)なのに良かったの。とても、とても!

文学 その味を覚えちゃったから続いたわけよね?

ルネ そう。うらやましかったですよ。私、お尻なんか利かないもん。うん、なんてこの人は幸せな人だと思いましたね。彼は私の奴隷であり、兵卒だったの。「直立不動」って言えばね、長時間、ずうっと立っている。
 「今日は人間棚」って言って、それで「直立不動」って板を持たせるでしょ。そこにコーヒー・カップを置いたり、ウィスキーをのせたりして、私は椅子に座っているでしょ。あすこを勃たせて、そこにいろんなものをひっかけたり、結んだりして(笑)。
 様々なことをやった。犬の太い首輪を首に付けて、背中にまたがったりね。歩かせはしなかったけれど。
 そして、様々な工夫をした。リボンを首に結んだり、ランプを持たせて人間燈台にしたり、つけひげをさせたり、次々にーー。

文学 だけど、僕らが考えると、ルネさんは女性的な人だしね。それを彼みたいなゴツイ男を奴隷扱いするなんてね、想像つかないね。どんな世界だったの?

ルネ やっぱり彼には、自分に見とれるナルシズムがあり、マゾっ気がたっぷりあったから。とにかく一番良かったのは、なんでもね、「ハイ」って言うことを聞くのね。それがいけなかったのね。あんまり従順だったから、こっちも図に乗っちゃって。軍隊で言ったら、私は「伍長」にしたかったけど、Mは「軍曹」と呼んでいたの。

文学 どんどんエスカレートしたんだ。

ルネ エスカレートしちゃってね。やりたい放題。神様への冒涜じゃないかしらって思ったもんね。あまりのエクスタシーに酔っちゃって。今の、私のアイドル「妻夫木聡」より、セクシィだった。

文学 ムチで打ったりはしなかったの?

ルネ それはしなかった。私もサドの気はあるんですよ。だけどね、それはできなかった。そこまでエスカレートしなかったから良かったのかも。痛めつけなくてね。しかし、Mは私にひっぱたかれたかったかもしれない。Mはナルシズムでマゾっ気があったから。

文学 そんな人と巡り会えたって、幸せだよね。

ルネ 本当にありがたかった。今でも愛してますね。今はもう残念ですけど、まさに、まさに奇跡でしたね。
 そこまで言っちゃうと夢がなくなるけれど、Mはその後、結婚してね。奥さんも子どももいますけどね、その前にちょっとあるから。とにかくもう本当にハッピーでしたね。Mと出会ったことがね。つくづく私の人生にとって、ありがたかったです。

 彼と過ごした6年間、ルネさんにとって、何にも勝る「人生の黄金の6年間」だったのでは。

 サディストにとって、マゾヒストとのプレーを次々と妄想はするけれど、現実にルネさんとM君との出会いのようなことは、奇跡としか言えない。まさに幸せなカップルだったのだ。

Photo

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年4月 5日 (日)

ルネさんの秘めたる黄金の6年間

 日本初の男性ヌードカメラマン、大阪のオッチャンのことは前に紹介したと思うけど、『薔薇族』創刊の頃は、オッチャンが提供してくれた写真のおかげで出発することができた。

 そのオッチャンの撮った写真で、まだ針金綴じで隔月刊で出していた頃、読者に大反響を呼んだモデルの写真があった。

 間宮浩さんと、オッチャンは親しかった。ルネさんと竜さんも、その青年にひとめぼれ、間宮さんを通じて、オッチャンからその青年の居所を聞き出したのだ。

 その青年は、長野の松本の近くの生まれで、ご先祖は九州の人で、眉毛が太くて、胸毛もちょろっと、2人で長野まで青年を訪ねて行ったのだからすごい。

 それで、その青年を、2人が住む千駄ヶ谷のマンションに連れて帰ったという。

 田舎の子だから、朴訥でストレートで、全くの「男の子」で、大阪のオッチャンに、おちんこおっ勃てられて、白い汁を出してしまう写真を撮られるような純情な子で、都会ズレしてないの。だからそこが、スレていなくてーーと、ルネさんは語る。

 ここから語られるルネさんの話は、僕だからルネさんはしゃべってくれたと思う。よく竜さんから、伊藤さんはノンケだから、ゲイの人と対談しても核心に触れられないと言われたものだが。

 亡くなる何年か前に、修善寺にルネさんを訪ねて、静かな名旅館「菊屋」の部屋で、2人だけで3時間以上も語り尽くした。

 ルネさんファンの女性は、驚くかもしれない話だが、あのやさしい女性的なルネさんにも、こんな隠された一面があったことを知っていただければ幸いだ。

ルネ 結局ね、本質が田舎育ちで、朴訥で都会ズレしてないから続いたのね。ウン。それでね、私のことはね、なんでも一応、立ててくれるし、彼としては初めての大都会の東京だったし。それでね、いいの?しゃべってしまって?ここが一番肝心なところよ。あのねえ、Mちゃん(朴訥な青年の名)はお尻が使えたの。書けない、そんなことは。

文学 いいよ、いいよ、そこが聞きたいのだから。

ルネ それでね、お尻が利いて、もう敏感なの!若いし、すぐに燃え上がるの、出るの!それでね、やってるうちに、トンちゃん(竜さんのあだ名)のあそこのサイズが、Mちゃんのお尻に合わないってことがわかってきたの。

文学 トンちゃんのは大きすぎるの?僕も、トンちゃんの実物を見たことがあるから、大きいのはわかるよ。痛がっちゃうわけ?

ルネ そう。それで私に回ってきちゃったの。

文学 サイズが合ってれば、回ってこなかったんだ。

ルネ そう。やっぱり、やっているときに痛いのは辛いじゃない?それで私の「黄金の6年間」が始まったの。一緒に過ごした8年間の、6年目くらいから女の子ができて、それで最後がきてしまったけどね。でも、私の全くの思いのままにさしてくれる6年間が始まったのォ!

文学 何でもさしてくれたの?

ルネ ええ、私が上官なの。あるときは女王様であり、謎の伯爵であり、ね。私の命令は何でも聞いてくれたの。あれは奇跡の6年間でしたね。まさに私の、黄金の!あのマンションの黒い部屋にMを住まわせてーー。

文学 住まわせちゃったんだ。

・ここからルネさんの話は、佳境に入ってゆく。お楽しみに。

Photo

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 4日 (土)

「いつまで生きているんだ!」と言われないような。

 僕は、14年前から「10年日記」を購入して、毎日、誰と会ったかとか、どこへ行ったかなどと、その日の出来事を簡単に書き続けている。

 平成6年に、「10年日記」が書き終わってしまったので、また、「10年日記」を新しく購入しようと思ったが、70歳は過ぎているし、その頃、膝が痛んでどうしようもなかったときだったので、そんなに長くは生きられないのではと、「5年日記」にしてしまった。

 ところが、「5年日記」も、あと1年を残すだけになってしまっている。平成6年の3月20日にこんなことを記していた。

 内藤ルネさん(『薔薇族』の表紙絵を長い間、描いてくれた人)から電話。藤田竜君に、「いつまで生きているんだ」と言われたそうだ(ルネさんと竜さんは40年以上も一緒に住んでいる)。

 ヨッちゃん(ルネさん、竜さんと修善寺に一緒に住んでいて、竜さんの養子になっている人)からも、ルネさんはいじめられている。ヨッちゃんだけがクルマを運転できるので、竜さんとヨッちゃんは、2人だけで出かけてしまって、ルネさんはいつもひとりぼっちのようだ。1日中、2人はルネさんとしゃべらないこともあるという。

 僕の親友は、みんな早死にしてしまって、心を開いて愚痴をこぼせる人は、ルネさんしかいない。時々、ルネさんに電話をかけるのだけど、電話口には竜さんが出てしまって、ルネさんに取り次いでくれなかった。

 左膝が痛くてどうにもならなくて、東京医大の整形外科で人工膝を入れる手術をしようと決意して、僕は、膝の痛みと前立腺肥大で夜中に何度も起きなければならない悩みをルネさんに手紙で訴えたようだ。ルネさんからこんな手紙が送られてきた。

 「文学様、お手紙拝見しました。
 またまた涙が出てきています。痛いのはまったくいけませんね。
 一歩、歩きだすと痛いというのは、まったく、まったく、つらいので、早く早く手術をなさって下さい。近くにいましたら少しでもお手伝いしたいのにーー。
 イタミだけは少しでも早くとらないといけません。前立腺肥大の方はまだしもだけど、私も小便は部屋の中に、アルミのインリョウのビンを5本ほど用意しておき、トイレに行かないように、それに用を足しています。(中略)
 それにしても、本当に、本当に私の銀行には、お金が入らず、ソラオソロシイですが、昨日、セブンイレブンでお金をおろしたところ、年金が少し入っていて、地獄に佛です。
 まったくささやかですがーー。まったく少なくて恥ずかしいですが、三万円ほどお見舞金として同封いたします。
 どうぞ、お笑い下さい。笑納でしょうか。とりいそぎ、とりいそぎ、なによりも。
 オペ!うまくいきますように祈っています。気軽にゆきましょうね。そしてお互いに少しでも長生きしましょうね!
 久美ちゃん、キューちゃん、チーちゃんによろしくね。2006・4・19日 内藤ルネ拝」

 ルネさんって、なんという心やさしい人なのか。4月15日って、年金が出る日なのだ。少ない年金の中から3万円もお見舞いを送ってくれたルネさん。必ず手紙の後には、我が家の家族の名前の全てが記されている。

 いつも僕のことを心配してくれたルネさん。3月19日は、僕の77歳、喜寿の誕生日。ルネさんも、今年の10月で喜寿を迎えられたのに。ルネさんに負けないように、これからの残された年月に、良い仕事をしたいものだ。「いつまで生きているんだ!」と、誰からも言われないような……。

Photo

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

◆永遠のベストセラー「愛の潤滑液 ラブオイル」一度お試しあれ。

Nurnuru2 Nurnuru3

 

◆お求めはこちらから

◆ご感想・ご相談はこちらへbungaku@barazoku.co.jp

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2009年3月 | トップページ | 2009年5月 »