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2009年4月 4日 (土)

「いつまで生きているんだ!」と言われないような。

 僕は、14年前から「10年日記」を購入して、毎日、誰と会ったかとか、どこへ行ったかなどと、その日の出来事を簡単に書き続けている。

 平成6年に、「10年日記」が書き終わってしまったので、また、「10年日記」を新しく購入しようと思ったが、70歳は過ぎているし、その頃、膝が痛んでどうしようもなかったときだったので、そんなに長くは生きられないのではと、「5年日記」にしてしまった。

 ところが、「5年日記」も、あと1年を残すだけになってしまっている。平成6年の3月20日にこんなことを記していた。

 内藤ルネさん(『薔薇族』の表紙絵を長い間、描いてくれた人)から電話。藤田竜君に、「いつまで生きているんだ」と言われたそうだ(ルネさんと竜さんは40年以上も一緒に住んでいる)。

 ヨッちゃん(ルネさん、竜さんと修善寺に一緒に住んでいて、竜さんの養子になっている人)からも、ルネさんはいじめられている。ヨッちゃんだけがクルマを運転できるので、竜さんとヨッちゃんは、2人だけで出かけてしまって、ルネさんはいつもひとりぼっちのようだ。1日中、2人はルネさんとしゃべらないこともあるという。

 僕の親友は、みんな早死にしてしまって、心を開いて愚痴をこぼせる人は、ルネさんしかいない。時々、ルネさんに電話をかけるのだけど、電話口には竜さんが出てしまって、ルネさんに取り次いでくれなかった。

 左膝が痛くてどうにもならなくて、東京医大の整形外科で人工膝を入れる手術をしようと決意して、僕は、膝の痛みと前立腺肥大で夜中に何度も起きなければならない悩みをルネさんに手紙で訴えたようだ。ルネさんからこんな手紙が送られてきた。

 「文学様、お手紙拝見しました。
 またまた涙が出てきています。痛いのはまったくいけませんね。
 一歩、歩きだすと痛いというのは、まったく、まったく、つらいので、早く早く手術をなさって下さい。近くにいましたら少しでもお手伝いしたいのにーー。
 イタミだけは少しでも早くとらないといけません。前立腺肥大の方はまだしもだけど、私も小便は部屋の中に、アルミのインリョウのビンを5本ほど用意しておき、トイレに行かないように、それに用を足しています。(中略)
 それにしても、本当に、本当に私の銀行には、お金が入らず、ソラオソロシイですが、昨日、セブンイレブンでお金をおろしたところ、年金が少し入っていて、地獄に佛です。
 まったくささやかですがーー。まったく少なくて恥ずかしいですが、三万円ほどお見舞金として同封いたします。
 どうぞ、お笑い下さい。笑納でしょうか。とりいそぎ、とりいそぎ、なによりも。
 オペ!うまくいきますように祈っています。気軽にゆきましょうね。そしてお互いに少しでも長生きしましょうね!
 久美ちゃん、キューちゃん、チーちゃんによろしくね。2006・4・19日 内藤ルネ拝」

 ルネさんって、なんという心やさしい人なのか。4月15日って、年金が出る日なのだ。少ない年金の中から3万円もお見舞いを送ってくれたルネさん。必ず手紙の後には、我が家の家族の名前の全てが記されている。

 いつも僕のことを心配してくれたルネさん。3月19日は、僕の77歳、喜寿の誕生日。ルネさんも、今年の10月で喜寿を迎えられたのに。ルネさんに負けないように、これからの残された年月に、良い仕事をしたいものだ。「いつまで生きているんだ!」と、誰からも言われないような……。

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コメント

いやだわ~だれが「いつまで生きてるんだ!」
なんて編集長に云う人なんていないですよ。
後20年は頑張ってよ、お願いします。
だって寂しいもん・・・

投稿: momo | 2009年4月 9日 (木) 17時49分

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