ルネさんの秘めたる黄金の6年間
日本初の男性ヌードカメラマン、大阪のオッチャンのことは前に紹介したと思うけど、『薔薇族』創刊の頃は、オッチャンが提供してくれた写真のおかげで出発することができた。
そのオッチャンの撮った写真で、まだ針金綴じで隔月刊で出していた頃、読者に大反響を呼んだモデルの写真があった。
間宮浩さんと、オッチャンは親しかった。ルネさんと竜さんも、その青年にひとめぼれ、間宮さんを通じて、オッチャンからその青年の居所を聞き出したのだ。
その青年は、長野の松本の近くの生まれで、ご先祖は九州の人で、眉毛が太くて、胸毛もちょろっと、2人で長野まで青年を訪ねて行ったのだからすごい。
それで、その青年を、2人が住む千駄ヶ谷のマンションに連れて帰ったという。
田舎の子だから、朴訥でストレートで、全くの「男の子」で、大阪のオッチャンに、おちんこおっ勃てられて、白い汁を出してしまう写真を撮られるような純情な子で、都会ズレしてないの。だからそこが、スレていなくてーーと、ルネさんは語る。
ここから語られるルネさんの話は、僕だからルネさんはしゃべってくれたと思う。よく竜さんから、伊藤さんはノンケだから、ゲイの人と対談しても核心に触れられないと言われたものだが。
亡くなる何年か前に、修善寺にルネさんを訪ねて、静かな名旅館「菊屋」の部屋で、2人だけで3時間以上も語り尽くした。
ルネさんファンの女性は、驚くかもしれない話だが、あのやさしい女性的なルネさんにも、こんな隠された一面があったことを知っていただければ幸いだ。
ルネ 結局ね、本質が田舎育ちで、朴訥で都会ズレしてないから続いたのね。ウン。それでね、私のことはね、なんでも一応、立ててくれるし、彼としては初めての大都会の東京だったし。それでね、いいの?しゃべってしまって?ここが一番肝心なところよ。あのねえ、Mちゃん(朴訥な青年の名)はお尻が使えたの。書けない、そんなことは。
文学 いいよ、いいよ、そこが聞きたいのだから。
ルネ それでね、お尻が利いて、もう敏感なの!若いし、すぐに燃え上がるの、出るの!それでね、やってるうちに、トンちゃん(竜さんのあだ名)のあそこのサイズが、Mちゃんのお尻に合わないってことがわかってきたの。
文学 トンちゃんのは大きすぎるの?僕も、トンちゃんの実物を見たことがあるから、大きいのはわかるよ。痛がっちゃうわけ?
ルネ そう。それで私に回ってきちゃったの。
文学 サイズが合ってれば、回ってこなかったんだ。
ルネ そう。やっぱり、やっているときに痛いのは辛いじゃない?それで私の「黄金の6年間」が始まったの。一緒に過ごした8年間の、6年目くらいから女の子ができて、それで最後がきてしまったけどね。でも、私の全くの思いのままにさしてくれる6年間が始まったのォ!
文学 何でもさしてくれたの?
ルネ ええ、私が上官なの。あるときは女王様であり、謎の伯爵であり、ね。私の命令は何でも聞いてくれたの。あれは奇跡の6年間でしたね。まさに私の、黄金の!あのマンションの黒い部屋にMを住まわせてーー。
文学 住まわせちゃったんだ。
・ここからルネさんの話は、佳境に入ってゆく。お楽しみに。
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