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2009年5月

2009年5月31日 (日)

江戸の男色は、信義と意気地を重んじた!

 いよいよ、39年前、1970年(昭和45年)1月11日の朝、33歳の若さで、風呂場で酸欠死した女房の舞踏家、伊藤ミカ(本名・君子)と、僕との出会いから亡くなるまでの15年間を描いた本が、彩流社から出版される。

 タイトルは、「裸の女房 60年代を疾風のごとく駆け抜けた前衛舞踏家・伊藤ミカ」(定価2100円)という本だ。

 僕にとって、ここ4〜5年は最悪の出来事ばかりが続いての中で、執念を燃やして書き上げた本だから、なんとしてもヒットさせたい思いにかられている。

 小学館の営業畑で活躍し、定年で退職されたU君が、世田谷学園の後輩にいることを思い出し、本を売る秘訣を聞きたいと電話をかけた。

 5月3日に近所の喫茶店、「邪宗門」で会う約束をした。「伊藤さんに会わせたい、友人も連れて行く」ということだった。

 当日、僕は夕方の4時と思い込んでいて、女房とドライブして帰ってきて、留守電を聞いたら、「邪宗門」のマスターの声が入っていて、「お客さんがお待ちですよ」と。カレンダーを見たら、1時と書いてあるではないか。あわてて駆けつけたら、友人も一緒だったので、2時間も待っていてくれた。

 その友人というのは、世田谷学園の同期生の秋山忠彌さん。早稲田大学の法学部出身でNHKチーフディレクター(時代考証調査担当)を経て、江戸史の研究家でもある。「江戸諷詠散歩 文人たちの小さな旅」(文春新書、本体720円)と、「大江戸浮世事情」(ちくま文庫、本体740円)という著書を2冊プレゼントしてくれた。

 Uさんからは参考になるような話は聞けなかった。小学館という大出版社の看板をしょって書店周りなどをしていたのだろうから、書店の人も応対が違うだろう。小出版社の営業が書店を訪ねても話を聞いてくれないかも。

 秋山さんから頂いた「大江戸浮世事情」をパラパラと頁をめくっていたら、「信義と意気地の男色道」という見出しで、いい話が載っていた。

 「江戸は谷中の門前町に、ひっそりと侘び住いする二人の老人がいた。夏のある日の夕方である。行水をつかう老人の後ろ姿を、もう一人の老人がつくづくと見て、『こうも変わるものなのか』と体のしわを嘆いて涙ぐみ、二人は若かったことの昔を思い、手に手をとって悲しむのだった。そんんあ様子をかいま見たある人が、どんな事情があるのかたずねてみた。
 二人とも生まれ故郷は筑前福岡の城下で、一人は玉島主水といい、博多小女郎ではと疑われるほどの美少年だった。もう一人は豊田半右衛門といい、武芸の達人だった。この半右衛門が、主水に深い思いをかけると、主水もその気性に惚れこみ、二人は衆道の契りを結ぶ。ときに主水が16歳、半右衛門は19歳であった。だがその主水に横恋慕する者が現れ、あきらめる様子がない。そこでやむなく、二人はその者はじめ、助太刀までも残らず討ち果たした。そして二人は城下を離れ、以後は人目を忍ぶ身となり、いまこうして江戸に隠れ住むのだと語るのだった。
 この年、主水は63歳、半右衛門は66歳。40数年も二人は離れることなく、まさに夫婦のように暮らしてきたのである。
 当時の男色には、まことに男性的な信義と意気地を重んじる気風があった。そもそも若衆道といい、略して衆道、あるいは若道といい、『道』がつくゆえんである。」

 なんと言う、心温まる話ではないか。あっちの男、こっちの男と遊び歩いている、今時のゲイたち、少しは、見習ったら。

Photo若き日の文学とミカ。

★彩流社刊の『裸の女房』は、定価税込みで2100円。
「裸の女房」の出版を祝う会は、6月6日(土)・午後4時開場、午後4時半開会、終了は午後7時。場所は、銀座・キャバレー「白いばら」(中央区銀座3-5-18)、電話03(3564)0967。会費は1万円(本代・おみやげも含む)です。僕のブログを見れくれている人にお願いがあります。よし、お祝いの会に参加してやろうという方、会費1万円を僕の銀行口座に振り込んでもらいたいのです。どうしても先にお金が必要になってしまったので。
 口座は、「みずほ銀行北沢支店・店番号213、普通預金口座0415466・伊藤文学」です。メールで氏名・住所を教えて頂ければ、領収書と「白いばら」の地図などを送ります。
 もちろん出席して頂けるなら、メールで参加をお知らせいただければ、会費は、当日でもかまいません。ぜひ、友人を誘って、にぎにぎしくお出かけくださいませ。

☆お知らせ☆ 

このたび発売となりました「ヤマジュンTシャツ」をお買い上げいただいた皆さんに、製品の取扱いに関するお願いをさせていただきます。

(1)シルクスクリーンのプリントは熱に弱い為、乾燥機やアイロンの使用はお避けください。

(2)洗濯時は裏返して洗っていただくと日持ちがよくなります。

という注意書きが製作業者のほうより来ております。どうぞ皆様、この2点にご注意のうえ、末永くご愛用ください!


★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

399

★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

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2009年5月30日 (土)

「裸の女房」の出版を祝う会は、盛大な会になりそうだ!

 2006年、3年前のことだ。僕の左膝の軟骨がすり切れてしまって、骨と骨がぶつかり、痛くて歩けなくなっていた。

 それでもありがたいことに、河出書房新社からお声がかかり、「薔薇族の人びと その素顔と舞台裏」(本体2000円)を出すことができた。その後、すぐに九天社からも依頼があって、「薔薇族よ永遠に 薔薇族編集長35年の闘い」(本体1900円)と、2冊も、膝の痛みと闘いながら出すことができて、喜んでいたら、幻冬舎から、以前出した文春ネスコの本を文庫本にしてくれるという。

 「薔薇族編集長」(本体571円)、ズバリのタイトルだ。

 3冊も続けて本を出すことができたので、イベント好きの僕はうずうずして、膝が痛くて歩けないというのに、2006年の8月23日、京王プラザホテルで出版記念会を開いてしまった。

 シャンソン歌手の今里哲さん、在日韓国人でゲイという人で、歌は抜群に上手な人だった。岐阜に住んでいる方なので、関西方面で活躍されている。今里さんの歌は、心に響く歌だった。

 僕は、車いすに乗っての出席だったが、100名を越す友人、知人が集まってくれて盛会だった。歌手のクミコさんも駆けつけてくれた。

 それから1週間後には、東京医大の整形外科に入院、人工膝を入れる手術を受けた。

 丁度、本が出た後に入院してしまったために宣伝活動ができなかったので、残念ながらあまりいい売れ行きではなかったのでは。

 九天社発行の「薔薇よ永遠に」は、朝日新聞が書評欄で取り上げてくれたにもかかわらず、九天社が倒産してしまった。

 それから早いもので3年もの月日が流れている。

 その後、僕は怠けていた訳ではなく、ブログの原稿はせっせと書きまくっていたし、亡くなった先妻の舞踏家、ミカのことをずっと書き続けていた。

 100年に一度と言われる未曾有の大不況、世の中、いっぺんに変わってしまって、すべての産業が落ち込み、出版業界も、ネットの普及と、不況が重なって大変な事態に追い込まれている。「裸の女房」も2社で出版することが決まっていたのに、資金繰りがつかないということでお流れに。

 やっと彩流社が引き受けてくれて、原稿用紙に書いた僕の原稿が、ワープロで打たれてゲラ刷りが出てきたときには、涙があふれてくる思いだった。

 本が形になって来ると、また、僕の病気がむくむくと。こんな時代に出版記念会を開く人なんて滅多にいるものではないだろう。それも銀座のキャバレー「白いばら」で。

 好きなことをやるのだから、ひとつも苦にはならないが、何から何まで、僕ひとりでやらなければならない。

 チラシは次男の嫁が作ってくれたが、封筒書きは200人からにへたくそな字で書いて出した。「白いばら」からは50人を集めることが最低のノルマと言い渡されている。

 この不況な時代に、果たして1万年の会費を払ってきてくれる人がいるだろうか。心配になってしまった。

 僕の駒大時代の恩師の渡辺三男先生、僕のイベントに必ず出席してくれて、スピーチをしてくれた。奥様が遺影を持って千葉から駆けつけてくれるという。

 新潟の弥彦村から3人も日帰りで来てくれる。欠席なのに1万円送ってくれた方が、すでに5人も。不景気な世の中だからこそ、キャバレーで、ぱあっと派手に騒ぎたいものだ。

 おそらく100人近い人が来てくれるだろう。人の心のあたたかさをしみじみと感じている。
Photoクラブ「スペース・カプセル」で踊るミカ


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2009年5月27日 (水)

伊藤文学コレクション〜薔薇族周辺のゲイ・エロティックアート

 『薔薇族』の出現で、才能ある読者に発表の場を与えたことは、大きな功績であったといっていいだろう。

 どんなに優れた小説やイラストを描いていたとしても、発表の場がなければどうにもならない。人間誰しも自分が苦労して書いた作品を多くの人に見せたい、読んでもらいたいという願望を持っているからだ。

 戦後の昭和20年代、30年代は、発表する場がなかったから、公衆トイレの壁に落書きすることによって、その欲望を満たしていた。トイレの壁は伝言板の役割を果たしていたといっていいだろう。

 昭和46年に『薔薇族』を創刊した頃は、男絵を描く人は少なくて、藤田竜君がひとりで描いていた。

 裸夢丸というペンネームで、初期の『薔薇族』に登場していた人の絵は、まさにトイレの壁に描かれていたような幼稚な絵だったが、妙にセクシーでそそられるものがあった。

 その後に登場してきた人は、月岡弦さんだった。月岡さんは若い頃、画家になりたいと思っていたが、親の反対にあって、やむなく会社勤めを定年まで勤め上げた人だ。

 団地に住んでいて、息子さん夫婦とお孫さんに囲まれての生活で、机に向かって男の絵を描いているのは、つらかったに違いない。

 間宮浩さんの長編小説、「新宿の美少年たち」を『薔薇族』に連載したときに、挿絵を描き続けてくれた。

 台湾出身の直木賞作家が、新聞にエッセイを連載したおりに、僕が紹介してあげたのでイラストを描いていた。そのときのお礼でということで、台湾に招待もされたようだ。

 小説の内容を絵に表す、挿絵画家といわれる人は少なく、長谷川サダオ君などは小説の内容と全く関係のない絵ばかりを描くので、藤田竜君を怒らせていた。

 そのうちに松下芳雄、吉良和夫、いざわ・ひろしなどと、ペンネームを変えて、時代物から切り絵風なもの、少年ものなどと器用に描き分ける人が現れて、大助かりしたものだ。

 初期の頃の男絵師たちは、今時の劇画から描き出したのではなくて、日本画を勉強したりデッサンを勉強して描き出した人たちだ。

 三島剛さん、大川辰次さん、平野剛さん、このような男絵師たちは、貴重な存在で、もう二度と現れることはないだろう。

 6月1日(月)から6月13日(土)、平日は正午から午後7時、土曜・祝日は正午から午後5時まで、銀座の画廊「ヴァニラ画廊」で、「伊藤文学コレクション・薔薇族周辺のゲイ・エロティックアート」が開催される。ゲイ・アートの研究者で著書も出している、田亀源五郎さんの協力で、今までになかったような、男絵師の多彩な作品が一堂に展示される。入場料は500円。

 6月7日(日)午後3時から、入場料1500円(ドリンク付き)で、「伊藤文学と田亀源五郎との特別トークショウ」も開催される。司会は竜超君だ。

 「ヴァニラ画廊」は中央区銀座6-10-10、第2蒲田ビル4階、電話03(5568)1233。銀座・松坂屋の裏通り、あづま通りにある。銀座線「銀座駅」A4出口から徒歩5分。

Photo


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2009年5月23日 (土)

最初で最後の作品に出演

 ミカは「O嬢の物語」、「愛奴」の大きな公演を成功させ、マスコミにも大きな話題を提供し続けてきた。その後、次々と新しいことに挑戦してきたが、もうひとつの試みは、日本初ということで、世間をあっと驚かせた。

 こんなことをした人は、これが最初で最後だったのでは。1969年(昭和44年)の5月10日から30日まで、上野の東京都美術館で開催された、毎日新聞社主催の「第9回現代日本美術展」でのことだ。

 人騒がせな作品を出品した芸術家は、31歳の無名の新人、五月女幸雄さん。一昨年の秋、ミカの舞台を見て感動した五月女さんがミカに手紙を出して、ふたりは知り合い、意気投合して、五月女さんの作品にミカは参加することになった。

 この作品は、「商品1969・5」と名付けられ、タテ180センチ、ヨコ60センチのガラス・ケースの仲に、衣装を着けた女性が横たわり、ライトが点滅するだけという風変わりなもの。中に横たわる女性が見えるのは、ライトがつく数秒間で、消えると何があるのか、さっぱりわからない。

 五月女さんは、ミカの他に、10人ほどの女性に出演を頼み承諾を得ていた。ケースは二つあって、ひとりの出演時間は3時間。その間は水も飲めないし、トイレにも行けない。狭いケースには空気孔もなく、空気の流通は4センチほどの扉の隙間だけ。おまけにライトの熱でケースの中は蒸し暑い。

 五月女さんとミカが裸の展示を考えたのは、展覧会も半ばを過ぎてからのことだ。何しろ美術館にマナの人体が展示されたのは、前代未聞のこと。それだけでも、いろいろと問題があったのに、裸となると作品の除去命令が主催者側からおりかねない。

 そうなったら「美術界への肉体を通しての反抗、美術の概念を突き破る」という、五月女さんの意図も水の泡になる。そこで最終日を待つことになった。ただ心配なことは、ミカが生理が始まるんじゃないかということだ。

 いよいよ最終日が来た。人はますます増えてきた。同じ部屋に展示された作品は、誰も見ようとはしない。ライトがついた。照り映える光を浴びて、汗ばんだミカの白い肌と、鎖が輝いた。

 最前列にいた中年の男性が、体をかがめて顔をガラスに近づけて、一新にバタフライの部分を覗き込む。もっと体を乗り出した瞬間にライトが消えた。照れたように顔を引っ込める男のまわりで失笑がおこる。「いや、心ない観客もいますからね。一度、柵を越えてケースをあけようとした人がいましたからね。見張っているだけでも大変ですよ」と五月女さんはこぼす。

 ケースの中で、ミカは鎖をつかんで、ゆっくりとおりる。大成功だった。3時にライトが消え、3時間にわたるハプニングは終わった。白い布を体にまとって控え室に引き上げる。その後をゾロゾロと観客が追った。

 その頃、控え室で着替えしているミカのことをのぞこうとする、興奮冷めやらぬ男もいた。

 美術雑誌の「芸術生活」(1969年7月号)に、一瞬、ライトがついて、黒山の人だかりで観客が覗き込んでいる、驚きの表情をとらえた1ページ大の写真と記事が載っている。

 文章で長々と書くよりも、1枚の写真の方が、ギラギラする男たちの欲望を的確に捉えていて見事だ。(=この写真は「裸の女房」に載っている)

 その後、五月女幸雄さんとは、一度も会っていない。どうしておられるのか。

Photo_2
この写真はカバーのもう一つの案で採用されなかったもの。

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2009年5月19日 (火)

被虐の舞踏家の深い意味を知る

 僕の先妻の舞踏家、ミカが事故死したとき、週刊誌、スポーツ紙などが、その死を報じてくれた。それらの記事を読まれて、女流作家の丸川賀世子さんから、ドキュメントとして小説に書きたいという申し入れがあった。

 それは1971年(昭和46年)8月1日発行の講談社刊「小説現代」に掲載され、そのタイトルには「マゾヒスト伊藤ミカの生涯! 被虐の舞踏家・いまわしい血の烙印を負って、奴隷の快楽を踊り求めた美貌のダンサー!」とある。

 「被虐」の意味を「新選国語辞典」で引いてみたら、「他人から残虐な扱いを受けること。いじめられること」と書いてあった。

 ミカは、舞踏の世界にのめり込んで、激しい稽古に明け暮れて、自分の肉体をとことん追い込んでいった。しかし、亭主としての僕が、ミカに対して、セックスの面で残虐な行為をしたことはない。精神的には、あまりかまってやれずに負担をかけたということはあったが。

 人間、誰でもマゾ的な要素、サディスティックな面を持っているのではあるまいか。その強弱は人によって違うだろうが、サディストとマゾヒストが出会って、お互いに行動したとしたら、その傾向は強まっていくだろう。

 1969年(昭和44年)の9月17日の夜に催された、渋谷の山の手教会の地下にあった劇場「ジァン・ジァン」(現在は喫茶店)でのイベントが一番、記憶に残っている。

 このイベントは、西独とイタリアの合作映画「マルキ・ド・サドのジャスティーヌ」(ヘラルド映画配給)の宣伝のために催された。

 宣伝のためのイベントだけど、ミカは手を抜くということはなかった。かなりの時間をさいて、コンテを作り、練習を重ねて、この日のためにそなえていた。

 一般の客も多く入っていたが、マスコミも50数人が取材に来ていた。ミカの舞踏が話題になっていただけに、マスコミの注目度も高いのは当然だった。

 僕から見ても、この日のショーは、ミカの作品の中でも、迫力があって面白くできていた傑作だと思っている。

 「週刊明星」は、カラーページに写真を載せ、こう結んでいる。

 「集ったサディスト?たちも彼女の真に迫った演技には、ドギモを抜かれたようで、水を打ったような静けさだった」と。

 「週刊実話」も、「迫真の演技に、渋谷『ジァン・ジァン』のお客さんは、シーンと静まりかえった」と書いている。

 9月21日付の新聞「内外スポーツ」は、「キリストもびっくり ド肝抜いたサドショウ」の見出しで、長い記事を載せている。

 「〝肉体こそ武器〟という〝ヌード舞踏家〟として知られる伊藤女史は、ほとんど全裸に近い格好で、満員の客席を走り抜け、太いくさりで両手をしばられ、ムチ打たれたり、異様にして熱気ムンムンたる舞踏を展開、満員の客席は一様に目を向き、〝ショック〟に打たれた。(中略)
 とりわけ〝ヒュー、パチッ!〟と空を切るムチの音、クサリからぶら下げられた、生きたニワトリの〝ケケ、ココッ!〟と、あげる悲鳴。伊藤女史のハダカから飛び散る、ビッショリの汗、たくまざるムンムンするニューアンスで、いっそう客席を熱気のルツボに叩きこむ効果や大。
 ジァン・ジァンは山手教会の地下にあるが、伊藤女史は〝教会の下でサドを踊るとは、触発的で楽しい。地下のキリスト、墓場のキリストの心境で踊りました〟と、熱演の汗びっしょりの楽しい口調だった」

 この日のショーを見て、僕は、「被虐の舞踏家」の深い意味を初めて知った思いだった。
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2009年5月16日 (土)

伊藤文学著『裸の女房』の出版を祝う会へのお誘い!

 僕は無類のパーティ好きである。かつて10数冊の本を出しているが、そのたびに友人、知人に参会して頂いて、お祝いの会を開いてきた。

 それは人間、死んでしまったらおしまいで、お葬式にきてもらっても、本人はこの世にいないのだから、どうにもならない。

 元気なうちに、普段なかなか会えない、友人、知人に、こんな機会に会うことができれば、どんなにか楽しいのではと思うからだ。

 今までのパーティは、新宿の「京王プラザホテル」を使って開くことが多かったが、今回はちょっと趣向を変えて、銀座のど真ん中で、唯一生き残っている豪華なキャバレー「白いばら」で開くことにした。

 会長の大住政弘さんと、雑学倶楽部という会合で知り合って、親しくさせて頂いているので、出血サービスをしてもらってパーティを開く運びとなった。

 チャイナ・ドレスを着たセクシーな女性が、マッチの火を高くかざしている姿を今時の若者は何のことかわからないだろう。この絵は、清酒「黄桜」のテレビCMの、カッパの絵でおなじみの小島功さんが描いたものだ。

 40数年前、第二書房で発行した本の装画として書いてもらった、なつかしい絵だ。これは、薄暗いキャバレーの客席で、ホステスさんが、お客さんの追加注文をボーイさんに知らせるサインなのだ。「白いばら」は、今でも昭和のムードを残して、ホステスさんはマッチの火を高くかざして、ボーイさんを呼んでいるそうだ。

 パーティには、お料理もいろいろと出て、華麗なショウも見られ、ホステスさんとダンスも踊れる。

 今回のパーティは、僕の蔵書の出版を祝うことと、この3月19日で、77歳の喜寿を迎えたお祝いの意味を含めての会である。

 今の世の中、大不況で誰もが息が詰まりそうな閉塞感であえいでいる。出版社、書店が次々とつぶれ、本を出版することは大変なことなのだ。

 僕の著書、『裸の女房 60年代を疾風のごとく駆け抜けた前衛舞踏家・伊藤ミカ』は、僕の先妻、ミカ(本名・君子)と、仙台の七夕祭りに行く満員の夜汽車の中での出会いから、33歳で風呂場で酸欠死するまでの15年間を描いた鮮烈なドキュメントだ。

 田舎出の素朴な少女が、舞踏の世界に入り、舞踏の奴隷となって、フランスの地下文学の傑作「O嬢の物語」(澁澤龍彦訳・河出書房刊)を舞踏化、現役の公立中学校の体育教師でありながら、舞台で全裸になるというので、大騒動になってしまった。

 その後、自ら11年勤めた教師を辞めて、舞踏一筋の道を歩み、栗田勇原作の「愛奴」(三一書房刊)を舞踏化、これも話題になった。

 亡くなる前の年は、カメラの「コニカ」のCMに出演、日本最初のサイケデリックショウに参加、クラブ「スペース・カプセル」のショウは、マスコミの話題になるなど、次々と新しいことに挑戦した。

 彩流社刊の『裸の女房』は、5月末日に刊行されるが、定価は税込みで2100円。

 お祝いの会は6月6日(土)・午後4時開場、午後4時半開会、終了は午後7時。場所は、銀座・キャバレー「白いばら」(中央区銀座3-5-18)、電話03(3564)0967。会費は1万円(本代・おみやげも含む)です。

 ★僕のブログを見れくれている人にお願いがあります。よし、お祝いの会に参加してやろうという方、会費1万円を僕の銀行口座に振り込んでもらいたいのです。どうしても先にお金が必要になってしまったので。
 口座は、「みずほ銀行北沢支店・店番号213、普通預金口座0415466・伊藤文学」です。メールで氏名・住所を教えて頂ければ、領収書と「白いばら」の地図などを送ります。
 もちろん出席して頂けるなら、メールで参加をお知らせいただければ、会費は、当日でもかまいません。ぜひ、友人を誘って、にぎにぎしくお出かけくださいませ。
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このたび発売となりました「ヤマジュンTシャツ」をお買い上げいただいた皆さんに、製品の取扱いに関するお願いをさせていただきます。

(1)シルクスクリーンのプリントは熱に弱い為、乾燥機やアイロンの使用はお避けください。

(2)洗濯時は裏返して洗っていただくと日持ちがよくなります。

という注意書きが製作業者のほうより来ております。どうぞ皆様、この2点にご注意のうえ、末永くご愛用ください!


★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

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★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

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2009年5月12日 (火)

「内藤ルネ 人形物語」を見に行こう!

 どんなに長い年月をかけ、苦労をしてコレクションしたものでも、その人が亡くなってしまえば、後に残された人は売り払ってしまう。

 骨董品でも、美術品でも、また愛好者の手に渡されて行く。その歴史の繰り返しだ。

 小学館発行の内藤ルネ著「すべてを失(な)くして」に書かれているように、7億円ものお金を詐欺師に騙し取られ、千駄ヶ谷のマンションも失ってしまった。

ルネさんが集めた、アンティークのお人形など、その量はトラック1台分にもなった。それらを僕の女房の古里、新潟県の弥彦村にある土建業を営む兄の倉庫に運び込んだのだ。

 10年以上も段ボールに詰め込んだまま、預かっていたが、何年か前に修善寺に小さな「内藤ルネ人形美術館」を建てたので、トラックで運び込んだ。

 僕などは買い集めた骨董品など、ほとんど忘れてしまっているが、ルネさんは違う。「こんな人形が残っているはずだから探してくれ」と、何度か電話がかかってきて、探し出して送り返したことがあった。それほど買い求めた、お人形のひとつ、ひとつに愛着を持っていたのだろう。

 人間、落ち目になってしまうと、そこから這い上がるのは大変だが、ルネさんは本郷の弥生美術館で開催した「内藤ルネ展」が大当たりをして、再び脚光を浴びることになった。

 しかし、人形美術館はうまくいかず閉館になり、昨年、ルネさんは亡くなってしまった。悲しい話だが、あんなに愛情を注いでいた、お人形たちも、オークションにかけられ売られてしまった。

 それらのお人形のいくつかは、渋谷のパルコの筋向かいの地下にある「マリアの心臓」のオーナーが買い求めて、5月16日から6月14日まで、「内藤ルネ 人形物語」が開催され展示されることになった。

 僕も『薔薇族』の表紙絵として書かれた少年の絵を数点展示することにした。

 僕は昭和7年の3月生まれ、ルネさんは11月生まれの同じ年だった。膝の痛みと前立腺肥大で、夜中に年度も目が覚めて、トイレに行かなければならない悩みを手紙で訴えたら、それの返事がルネさんから返ってきた。

 ルネさんほど、心やさしい人はいないだろう。手紙には僕の名前の他に、女房の名前、息子の名前、息子の嫁さんの名前も必ず記されていた。

 「ガマンするしかない、などと考えないでね。とにかく、とにかく、明るく、明るく考えてゆきましょうよ。ぜったいによいことが待っていると考えましょうよ。
 そして何よりも文学さまには、たくさんの味方がソバにいるのですからね。うらやましいですよ。
 オペ!うまくゆきますように祈っていますよ。気軽にゆきましょうね。そしてお互いに少しでも長生きしましょうね!」と、励ましてくれたルネさんが、先にあっけなく、あの世に旅立ってしまった。

 年金が銀行に入ったというので、お見舞いにといって、3万円が封筒に入っていた。

 僕のブログを見てくれている人たち。渋谷の「マリアの心臓」って、一度は見てほしい不思議な空間だ。1000円、入場料がかかるけれど、ルネさんが愛した人形たちをぜひ、見に来て下さい。きっとルネさんは、喜んでくれるに違いないから。

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●渋谷駅から「パルコ」に向かって坂を登って行って、その筋向かいのビルの地下1階、エレベーターで下りると目の前。渋谷区神南1丁目20ー9ーB1・火曜日休館・電話03(3780)9818。

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★ミカと僕との、仙台の七夕祭りに行く、満員のお客を乗せた夜汽車の中で出会いから、33歳で事故死するまでの15年間を綴った本が、いよいよ「彩流社」 から、今月発売される。タイトルは『裸の女房=裸でデビュー、裸で死んだ前衛舞踏家、伊藤ミカ』。定価は未定だが、6、7年の歳月をかけて書いた ものだ。なぜ、ミカは性をテーマに舞踏を創作したのか、なぜ、裸で踊ったのか、死後39年経ってぶちまけた話題作になることは間違いない。乞う、ご期待 だ!

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2009年5月11日 (月)

『薔薇族』の人びと・その8〜谷口和己/高校生が書いた小説と信じていたが・・・・・・

 「ぼくの書いた原稿です。ぼくはいま高校2年生です。ぼくは小さい男の子が好きだなんて、異常+罪悪と思っていたのですが、この頃はそうじゃありません。やっぱり少年愛も美しい愛の一つの形ということを知ったからです。
 それでその記念に、ぼくは小説を書いた。これは全部、本当のことです。ぼくは今でも銭湯に行くし、夏の川辺に行って、男の子のハダカを見に行くし、またシマシマもようの盗んだパンツもちゃんと、しまってあります。もう5年以上も前のことだけど・・・・・・」

 こんな前書きがあって、「豊(ゆたか)が死んだ」という小説が送られてきた。昭和49年1月1日発行のNo.15に、初めてこの作品は載せられた。

 谷口和己というペンネームは、僕が名付けたものだ。消印は群馬県の高崎となっているが、住所、氏名は書かれていない。

 今、読み返してみれば、これは高校2年生の子が書いたものとは思えないが、その頃の僕は高校生が書いたものと信じていた。

 「豊が死んだ」が掲載されたら、そのあと続々と作品が送られてきた。恐るべき創作意欲だった。

 少年愛の人って、ふだんから抑圧された生活をしているから、そのはけ口として小説を書きまくったのかもしれない。

 「僕たち男の子」「麦わら帽子」「わんぱく戦争」「恵太ひとり」「青い鳥の伝説」と、150号を出す間に、21篇もの小説が送られてきた。増刊号にも載せているから、30篇は書いている。

 途中からは、高校生ではないなと気付いていた。後半からは愛する少年を殺してしまうというストーリーに変わってきていたから。

 欧米では、少年の裸の写真、読み物は規制されていて厳しい。日本でも児童ポルノを取り締る法律が成立するかもしれない。

 谷口和己君の作品は、エスカレートするばかりで、残酷に少年を殺してしまうという内容が多くなってきて、スタッフから載せるのを止めようという意見が強くなるばかりだった。

 テレビドラマで殺人事件をやっていない日はない。これはフィクションだから許されているわけで、少年を描いた作品は少なく、これを封じ込めたら、少年愛の人が読む小説はなくなってしまう。

 僕は皆の反対を押し切って載せ続けていたが、ついに誌上に載せるのを止めてしまった。

 「谷口和己」なる人物は、どんな人物なのだろうか。いつの日か、山川純一君の作品と同じように、貴重な30数篇の作品が陽の目を見る日が、きっと来ると信じている。

 もう時効が成立して迷宮入りになってしまった事件で、高崎で5歳くらいの男の子が、橋の欄干から、川の中に投げ落とされて殺されたことがあった。

 時効になる寸前に、高崎から刑事さんが僕を訪ねてやってきたことがある。警察ってすごいなと思ったが、この谷口和己の存在を探し当てていた。かなり年配の男で、身体に障害があり、施設に入っていて、弱視の人だという。そういえば、原稿の文字が小さく、一字一句が丹念に書かれていた。

 施設の中で、来る日も机に向かって書いていれば、妄想は広がるばかりだったのだろう。ある時期に、作者の心の中に、たまりにたまっていたものを全て吐き出す役目を果たした『薔薇族』って不思議な雑誌だと思う。

 もっと驚いたのは、5歳の男の子の父親に、子どもの頃、いたずらされたという読者から電話があったことだ。谷口和己もこの世にいない。長い年月が過ぎ去ってしまったのだ。

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2009年5月 9日 (土)

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2009年5月 8日 (金)

『薔薇族』の人びと・その7〜波賀九郎さんとオカマちゃんのその後

 波賀九郎さんとオカマちゃんの人情話は、いよいよクライマックスに。ひとりだけ日本に残されてしまう、フィリピンの中学2年生の少女の悲しげな顔と、オカマちゃんの小学生の娘のことが頭から、どうしても離れない。

 何日か過ぎて、6畳一間の生活にもなれてくると、不思議な家族のような関係が生まれてくるようだ。波賀さんが父親で、おしげさんが女房、そして娘と。

 ある日のこと、小学校で父親参観日があって、おしげさんは朝帰りして、昼間寝ていて、とっても学校に行けないから、娘のために行ってくれと頼まれた。

 父親の代わりになって教室に入った波賀さん、どんな顔をして子どもたちの授業を見ていたのだろうか。

 相手が男の子だったら、波賀さんの可愛がり方も違ったのだろうが、僕の想像では、あまり女の子に愛情を持たなかったのでは。だから女の子も波賀さんになつかなかったのかもしれない。

 波賀さんが、ぼそっと語ったところによると、女の子は暗いと言っていたけど、その少女が、その後、どんな人生を歩んだのか、なぜか、僕には気になるところだ。

 おしげさんは、家にいる時も女装をして暮らしているが、首から下は逞しい男の体で、なんともアンバランス。おしげさん、女の子を連れて、昼間の早い時間に銭湯に行く。もちろん男風呂に入るのだが、地元の人たちは全く気にしていない。その近辺がオカマちゃんを気にしない町だからだろう。

 アパートの隣の部屋には、岡山から出てきた資産家の息子が住んでいる。女装が好きでオカマになったそうだが、その時代、息苦しくて家に住んでいられなかったのだろう。

 もうひとりのアパートの住人のオカマちゃんは、ヒロポン中毒者だった。その頃、ヒロポンを買うのにお金がかかったのだろう。持ち物を何から何まで質に入れて、部屋の中はがらんどう。

 泉鏡花の新派の名作「婦系図」の名セリフをうわごとのように叫んでいるのが、よく部屋の外までもれてきたそうだ。

 それが2、3日、全く聞こえなくなってきたので、住人が変だと思って部屋に入ってみたら、何にもない部屋に残されたカヤにくるまって、素っ裸で押し入れの中で死んでいた。

 アパートの住人と近所の人たちが、お金を出し合って棺桶を買い、焼き場に運んで、皆でお葬式を済ませたそうだ。

 波賀さんの弟さんと妹さんとも連絡が取れて、やっと援助の手が差し伸べられて、3ヶ月後には、オカマちゃんの部屋から、やっと別れることになった。

 しばらくたってから、波賀さんはおしげさんのアパートを訪ねたら、もうそこにはいなかった。

 オカマちゃんと、小学校3年生の女の子はどうなってしまったのか。人情味あふれる大阪の夏物語。今の世にも大阪の人情話は続いているのだろうか。

 波賀九郎さん、力道山のプロレスの写真を撮っていたこともあったそうだ。もっと、もっと話を聞いておきたかった。

 被写体に肉迫して、シャッターをきっているときの波賀さんの眼光の鋭さは、今でも僕の目に焼き付いている。

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2009年5月 6日 (水)

ビ・ビ・ビとくるような本ばかりが並んでいる!

 下北沢の南口、茶沢通りに面した世田谷区の建物、「タウンホール」。ここから小田急バスが折り返して、三軒茶屋から駒沢陸橋に走っている。その「タウンホール」の筋向かいに「スズナリ横町」という飲屋街がある。「古書ビビビ」は、その角にあって、茶沢通りに面しているから、すぐにわかる。

 古書店というと、偏屈なオヤジさんが店番をしていると思うだろうが、「古書ビビビ」のご主人は、メガネをかけて、ちょびひげをはやした、いい男の若いご主人である。

 三度目に復刊した『薔薇族』を置いてもらおうと訪ねたら、「ウチは古書店だから、新しい雑誌は置けません」と、にべなく断られてしまった。

 それが何度か通っているうちに、ご主人の気持ちが変わったのか、今までの号をすべて置いてくれるようになった。

 それよりも驚いたことは、経営者の馬場幸治君は、駒沢大学の国文科を卒業している僕の後輩だった。

 今年の3月で定年退職された国文科の名物教授、藤文二先生の教え子で、卒論も文二先生に提出したそうだ。

 藤文二先生のお兄さんの民夫さんは、僕と世田谷学園の同級生で、長野県の女神湖の湖畔にあった「女神湖ホテル」の支配人をやっていたことがあった。

 小さいホテルなので、ホテルを全館貸し切って、『薔薇族』の読者を集めての会を何度か催したこともあった。民夫君、病気で今、入院中。いつも同期会にはかかさず出席してくれていたのに、昨年からは出られなくなってしまった。

 駒大の国文科の出身者は、地方の学生が多いので、馬場君とは不思議な巡り合わせと言うべきだろうか。

 僕は、ブログを自分では見ることができないので、ときどき「古書ビビビ」に顔を出して、僕のブログを見せてもらい、どこまでが更新さているのかを確かめている。

 僕のブログを見てくれている人たち、どんな人たちなのか、全くわからないが、後輩の馬場君が頑張っている「古書ビビビ」を応援してやって下さい。

 今月出る僕の本も、新刊だけど置かしてもらうので、ぜひ、ぜひ、ここで買ってほしいものだ。下北沢の駅(南口)を降りて、マクドナルドの横を曲がると、昭和信用金庫がある茶沢通りに出る。左にしばらく歩くと、左側に「タウンホール」があって、その筋向かいにある。駅から5分くらいだ。

 ●「古書ビビビ」 TEL03(3467)0085、〒155-0031 世田谷区北沢1-45-15、営業時間は正午から午後9時まで。定休日は火曜日と第1、第3水曜日。

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●ミカと僕との、仙台の七夕祭りに行く、満員のお客を乗せた夜汽車の中で出会いから、33歳で事故死するまでの15年間を綴った本が、いよいよ「彩流社」から、今月発売される。タイトルは『裸の女房=裸でデビュー、裸で死んだ前衛舞踏家、伊藤ミカ』。定価は未定だが、6、7年の歳月をかけて書いた ものだ。なぜ、ミカは性をテーマに舞踏を創作したのか、なぜ、裸で踊ったのか、死後39年経ってぶちまけた話題作になることは間違いない。乞う、ご期待 だ!

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