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2009年5月19日 (火)

被虐の舞踏家の深い意味を知る

 僕の先妻の舞踏家、ミカが事故死したとき、週刊誌、スポーツ紙などが、その死を報じてくれた。それらの記事を読まれて、女流作家の丸川賀世子さんから、ドキュメントとして小説に書きたいという申し入れがあった。

 それは1971年(昭和46年)8月1日発行の講談社刊「小説現代」に掲載され、そのタイトルには「マゾヒスト伊藤ミカの生涯! 被虐の舞踏家・いまわしい血の烙印を負って、奴隷の快楽を踊り求めた美貌のダンサー!」とある。

 「被虐」の意味を「新選国語辞典」で引いてみたら、「他人から残虐な扱いを受けること。いじめられること」と書いてあった。

 ミカは、舞踏の世界にのめり込んで、激しい稽古に明け暮れて、自分の肉体をとことん追い込んでいった。しかし、亭主としての僕が、ミカに対して、セックスの面で残虐な行為をしたことはない。精神的には、あまりかまってやれずに負担をかけたということはあったが。

 人間、誰でもマゾ的な要素、サディスティックな面を持っているのではあるまいか。その強弱は人によって違うだろうが、サディストとマゾヒストが出会って、お互いに行動したとしたら、その傾向は強まっていくだろう。

 1969年(昭和44年)の9月17日の夜に催された、渋谷の山の手教会の地下にあった劇場「ジァン・ジァン」(現在は喫茶店)でのイベントが一番、記憶に残っている。

 このイベントは、西独とイタリアの合作映画「マルキ・ド・サドのジャスティーヌ」(ヘラルド映画配給)の宣伝のために催された。

 宣伝のためのイベントだけど、ミカは手を抜くということはなかった。かなりの時間をさいて、コンテを作り、練習を重ねて、この日のためにそなえていた。

 一般の客も多く入っていたが、マスコミも50数人が取材に来ていた。ミカの舞踏が話題になっていただけに、マスコミの注目度も高いのは当然だった。

 僕から見ても、この日のショーは、ミカの作品の中でも、迫力があって面白くできていた傑作だと思っている。

 「週刊明星」は、カラーページに写真を載せ、こう結んでいる。

 「集ったサディスト?たちも彼女の真に迫った演技には、ドギモを抜かれたようで、水を打ったような静けさだった」と。

 「週刊実話」も、「迫真の演技に、渋谷『ジァン・ジァン』のお客さんは、シーンと静まりかえった」と書いている。

 9月21日付の新聞「内外スポーツ」は、「キリストもびっくり ド肝抜いたサドショウ」の見出しで、長い記事を載せている。

 「〝肉体こそ武器〟という〝ヌード舞踏家〟として知られる伊藤女史は、ほとんど全裸に近い格好で、満員の客席を走り抜け、太いくさりで両手をしばられ、ムチ打たれたり、異様にして熱気ムンムンたる舞踏を展開、満員の客席は一様に目を向き、〝ショック〟に打たれた。(中略)
 とりわけ〝ヒュー、パチッ!〟と空を切るムチの音、クサリからぶら下げられた、生きたニワトリの〝ケケ、ココッ!〟と、あげる悲鳴。伊藤女史のハダカから飛び散る、ビッショリの汗、たくまざるムンムンするニューアンスで、いっそう客席を熱気のルツボに叩きこむ効果や大。
 ジァン・ジァンは山手教会の地下にあるが、伊藤女史は〝教会の下でサドを踊るとは、触発的で楽しい。地下のキリスト、墓場のキリストの心境で踊りました〟と、熱演の汗びっしょりの楽しい口調だった」

 この日のショーを見て、僕は、「被虐の舞踏家」の深い意味を初めて知った思いだった。
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