竹久夢二の女性遍歴の底にひそむもの
抒情画を描く画家に、なぜかゲイの人が多い。内藤ルネさん、その師匠の中原淳一さん、藤井千秋さん、高畠華肖さんなどだ。
ゲイの人は心の奥底に女性の部分を持っているから、女性になったらこんな女性になりたいという願望があるから、美しい女性を描くのだろう。
女性のためのファッション・デザクィなーもゲイの人が多いのは、女性になったら、こんな可愛い服を着たいという願望があるあkらだ。
竹久夢二さんだけは、何人から女性と結婚を繰り返し、子供さんもいるから、誰もが夢二をゲイだと言う人はいない。
僕は以前から夢二はゲイであったのではと確信している。確か夢二は兄姉が多く、その末っ子だったのでは。確率からいってゲイの人は末っ子に多いことは間違いない。それは母親が溺愛してしまうからである。だからといって末っ子がすべてゲイになってしまうわけではない。
夢二は母親よりも一番上の姉に憧れていたようだ。夢二の作品を見ても、病的とも思える女性を描き、美人画だけでなく、デザインの世界でも、様々な仕事をしている。その繊細な感覚は、女好きの芸術家にはとても持ちえないものだ。
女房の古里の弥彦村に建設した「ロマンの泉美術館」のオープンした頃、出会った燕市在住の詩人、松井郁子さん、美術館を賛美する文章を「新潟日報」に寄せてくれたりもした方だ。
「ロマンの泉美術館」が閉館することになり、6月9日の夜に、弥彦温泉の「みのや」旅館で、お別れの会を僕のファンが開いてくれた。
前新潟県知事の平山征夫さん、新潟大学教授の栗原隆さんなど、多くの人が参加してくれた。松井郁子さんも駆けつけてくれて、そのときに雑誌などに発表された論文などをコピーして持って来てくれた。その中に「金沢文学」に発表された「夢二式美人画に潜むもの」と題する一文に、僕の目は釘付けになった。
僕が夢二に対して考えていたことと、同じようなことを書かれていた。
「夢二は女と心身を共にしながら冷めていく自分を視ていたに違いない。他万喜(たまき)にしても、彦乃、お葉にしても夢二にとっては画のための人形でしかなかった。人形は次の画のために取り替えなくてはならなかった。取り替えた先に、また別の〈艶麗な、かつ不幸な女〉を夢見なければならなかった。それはどこに起因するのだろう。
そこには不幸だった母、也須能(やすの)と、最愛の姉、松香への思慕が潜んでいた。夢二の父には愛人がおり、そのために松香は婚家を追われた。夢二はこの姉を終生、敬愛したという。あの美人画からにじむ哀感は、也須能と松香の苦悩する姿であった。夢二の女性遍歴もそこにある。母と姉、この〈かけがいのない二人の女性〉を追い求めて、夢二は漂泊した。しかし、その〈二人と同じ女性〉には永遠に出会うことはなかった。夢二は愛した女たちの中に、悲しみを負った母と姉の面影を見ようとしたのではなかったかーー。」
何度も女性を替えたのは、女が好きで性欲のためにしたのではないということだ。
松井さんは夢二の美術館を訪れて、そこの館長と出会っている。館長は「夢二は女の人を真剣に愛した。だからこそ真情まで表現されている。」と松井さんに語ったそうだが、館長としては、どうしても夢二が女好きでないと困るのでは? それは館長ご自身がゲイであることを隠し、後ろめたさを感じていたからではないだろうか。
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投稿: | 2012年12月14日 (金) 15時35分