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2009年12月16日 (水)

いつの世も庶民税金で苦しがり

 僕の父は美しい文字を書く人だった。僕は母親似なのか、文字を書くのは苦手だ。自ら鉄筆を使って、謄写版で小冊子を作っていた。

 昭和52年(1977年)4月27日発行とある『川柳から見た、税の戦後30年史』がみつかった。父の肩書きは、日本川柳協会常任理事・番傘川柳本社同人で、ペンネームは柳涯子と号していた。晩年は川柳家として活躍し、草津のハンセン病の患者たちにも、ボランティアで川柳を指導していた。

 あとがきにこんなことを記している。
「川柳というものは、今から二百年ちょっと前に、江戸の浅草に起こったもので、今日では関東より、関西から九州の方で盛んであります。
 風刺とか、ユーモアとか、うがちといったものが主となった、俳句の弟分に当たる短い17文音字の文芸であります。
 税と税務署に関する句を並べて、戦後30年の歴史を辿ってみましたが、川柳って面白いなとおわかり頂ければ幸いです。
 私は世の中を明るく、かつ楽しくするために川柳を作り、川柳を広める努力をいたしております。」とある。
 
 古希近くしてマイホームやっと建ち

 美術館を造ってしまった、僕の道楽で父がやっとの思いで建てた家も土地も失ってしまった。その上、右から左に素通りして、信金にとられてしまったというのに固定資産税がどかっとかかってきて苦しんでいる。

 しかし、税務署は悪代官のような信金と違って、しぼりとろうとはしない。払う意思があって、少しずつでも払っていれば無理なことは言わない。

 「昭和25年、シャウプ勧告(アメリカからの勧告だろう)によって税制改正、厳しい税金に怨嗟の声起こる。税金苦から一家心中を図る者あり。中小企業の倒産続出。)と父は解説している。

 死ぬものは死ねと税金取りたてる(笑草)

 税務署の方へ人魂今日も飛び(桟司)

 税務署の方かと親父火事を聞き(種太郎)

 こんな時代を会社の経営者や商店の親父さんたちは、逞しく生き抜いて来たということだ。今時税務署の差し押さえも強引ではないようだが、この時代、差し押さえのトラックが街中を走っていたようだ。

 引越しのように積んでいる差押え(夜潮)

 差押えされて病人飛び起きる(梅隠居)

 投票をした内閣の税で死に(柳葉女)

 微税書生かしておかぬように来る(日の丸)

 税金を飲んで税金忘れよう(圭佑)

 僕は煙草を吸わないからいいようなものの、煙草の税金をあげようとしている。煙草を吸う人ってやめられるわけがないから、今に戦後のようにモクひろいでもすることになるかも。父の句にこんなのがある。

 税務署の敷居だんだん低くなり(柳涯子)

 父は税金を払うのが好きで、僕には給料をくれないくせに、税務署はいい顔をしていたようだ。僕の即挙の句。

 税務署親切すぎて気味悪い(文学)

 Photo父と僕と写っているのは、この写真だけ。


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