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2010年1月 7日 (木)

「バイロス蔵書票展」がヴァニラ画廊で!

 1991年(平成3年)3月に、読売新聞社から『アール・ヌーボー・アール・デコ』(本体価格2330円)という「よみうりカラームックシリーズ」という豪華な大判の雑誌が出ていた。

 第5集とあるから、不定期ではあるけれど次々と出されていたに違いない。このシリーズの他に『西洋骨董』というシリーズも出されていた。

 この号に、僕は「イカール追想ーー人との出会い、モノとの出会いーー」という原稿を書かせてもらっている。

 同じ号に山本芳樹さんという方が、「ウィーンの装飾画家・侯爵フランツ・フォン・バイロス」という記事を載せている。僕が一番関心を寄せていたバイロスのことなので、ぜひ、山本さんという方に出会ってみたかった。

 編集部に電話をして、山本さんの電話番号を聞き出して電話をかけた。神戸に住んでいられて、上京したおりに会いましょうということになった。

 1992年2月20日とある、山本芳樹さんの豆本『バイロス侯爵の蔵書票』をサインしていただいた。おそらく初めてお会いした赤坂のホテルでのことだろう。

 それから急速に親しくなって、山本さんが館長をしていた、神戸風月堂が経営する「ゴーフルリッツ」というホテルの中の一室で、山本好みの本ばかり集めた図書室に、何度もお邪魔したことがあった。

 利益にはならなかったのだろうが、東京から講師を招いてイベントを催したりもしていた。いい時代だったのだろうが、こんな贅沢なことをさせてくれていた風月堂の経営者もすごい方だ。

 山本さんの書かれたものによると、「ロココの艶治な装飾性と優美なアール・ヌーボーの優越感を兼ね備えた耽美幻想の世界を精緻に描いた彼の作品は、エロス的な題材をテーマにしても、優雅で気品を漂わせた見事な出来映えである。とくに蔵書票の制作では世界最高の画家といわれながらも、彼の名は一般の美術史にはない。
 その理由は、彼が主に挿絵と蔵書票の専門画家、しかも、その作品の相当数がエロス的で、富豪や愛書家のための秘められた少部数限定の特殊豪華本の挿絵や蔵書票が主な仕事であったため、一般の人々の眼に触れる機械が少なかったことと、彼の経歴や作品の全貌がいまひとつはっきりしないことにも原因があるように考えられる。」

 同じ時代に活躍したビアズリーは、日本で知られているが、バイロスの名を知っている人は少ない。

 京都のサバト館(難しい字なので、今思い出せない)から、10数年前だったろうか。『バイロス画集』が出版されたことがある。神奈川に住む男性が、勤め先の帰りに東京駅の近くの書店でこれを見たら、オチンチンが丸出しではないか、これはワイセツだと神奈川県警にたれ込んだ。

 警察も美術館に問い合わせをしたりしたが、誰もバイロスを知らない。これはワイセツだとサバト館の女主人は10数日、留置場に入れられてしまった。

 京都大学の教授だった生田耕作さんをはじめ、京都在住の知識人が、いっせいに警察に抗議をしたので警察も驚いて不起訴にしたのだが、この時、新聞に大きく報道されたので、バイロスは妙なことで世間に知られることになってしまった。

 『薔薇族』も4回も発禁処分を受け、NHKのニュースでも取り上げられたので、かえって知名度が上がってしまったのと似ている。

 バイロスが兄一人と姉二人の兄妹の末っ子であること、ヨハンシュトラウスの長女と結婚して1年足らずで離婚してしまったことなどから、僕はバイロスは同性愛者だったと思っているが、山本さんはそういわれることを嫌っていた。

 なにはともあれ、僕がコレクションしていたバイロスの素晴らしい作品を2月5日(金)から13日(土)まで、、銀座のヴァニラ画廊で「バイロス蔵書票展ーー世紀末の甘美な夢」として開催される。入場料は500円。2月6日(土)17時開場で、『西洋の蔵書票』の著者でもある、日本書票協会会長・内田市五郎先生を迎えて、特別トークイベントを開催する。入場料1000円(ドリンク付き)。僕も参加するので、ぜひ、見に来てください。もちろん、作品も即売します。これだけのコレクションをすることは、もう不可能でしょう。山本芳樹さんも故人だし、すでに神戸風月堂のホテルも存在しない。

Photo


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