78歳の誕生日を迎えて
2010年3月19日で、僕は78歳の誕生日を迎えた。
栃木県小山市に住むFさんという女性からバースデイ・カードが送られてきた。この方は復刊した『薔薇族』を購入してくれている方で、銀座の「ヴァニラ画廊」で、「バイロス蔵書票展」を開いたおりのトークショーにも出席してくれた。
「伊藤様、こんにちは。このたびはお誕生日おめでとうございます。
いつまでもお元気でいて下さいね。ですが、お風邪をひいていらっしゃるとのこと、大丈夫でしょうか。心配しております。
今日は手紙だけとなってしまいましたが、後々お見舞いも合わせて何か贈らせて頂きますね。
私の方では、先日、友人が遊びにきましたので、『裸の女房』を貸しておきました。きっと彼女のことですから良い感想をくれるのではと思います。
今後も益々のご活躍を願っております。今日が伊藤様にとって良き日でありますように。多くの方からお祝いがあると良いですね」
「多くの方から・・・」とあるが、祝ってくれたのは彼女ひとりだけだった。今の世の中、他人の誕生日のことなど考える人なんていることの方が不思議かもしれない。Fさんひとりだけでも祝ってくれた人がいただけで僕は大満足だ。
息子たちだっておめでとうの一言もないのだから、ネットをいじれない僕にとって、若い良き「相棒」の竜超君、それとつい最近知り合って、まもなくイギリスで創刊されるゲイ雑誌に、僕のことを紹介する記事を書いてくれた写真家の森栄喜君、この二人を招いて、下北沢の「魚新寿司店」で食事をした。もうひとり女性で、僕のブログのすべてを紙焼きにして読めるようにしてくれた藤野亜彌さんも招いていたが体調を崩して出席してもらえなかった。
若い人たちが、僕のことを支えてくれているので、まだまだ頑張らねばと思っている。
もうひとつ心配の種だった、僕の長男の息子、去年、どこの大学にも入れず一浪して代々木ゼミナールに通っていた。
自分の家だと妹もいるし、落ち着いて勉強できないというので、僕の机を貸して塾から帰ってくると夜12時まで勉強して帰って行く。女房も食べ盛りの孫のために食事を作るのも大変だった。
今年もいくつかの教育学部のある大学を受けたようだが、みんな落ちてしまった。小学校の先生になりたいというのが希望なので、外の学部には入りたくないというのだ。
最後に受けた大学にやっと入れたようだ。
とにかくいい大学、悪い大学なんて言ってはいられない。昨日、女房と3人でお祝いの食事をして、しばらくぶりに孫の笑顔を見ることができた。
孫に貸してあった僕の机の上も片付けて、やっとブログの原稿を書けるようになった。この机はイギリスのアンティークで、弁護士や学者が使っていた机だ。これで落ち着いていい原稿が書けるだろう。
そう、「ベニスに死す」の映画に登場する学者が使っていたような机、小さな引き出しがいっぱいついている。
78歳の誕生日を迎えて、これからますます前向きに、いろんなことにチャレンジしていきたいものだ。
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