ベテラン記者のコラムは面白い!
「毎日新聞」の夕刊には、ベテランの記者がコラムなどの記事を書いていて、年配の僕にとっては共感させられることが多い。
僕が「毎日新聞」を購読しているのは、鈴木琢磨さんの記事を読みたいと思っているからだ。また、夕刊編集長の近藤勝重さんのコラムも読み応えがある。
3月10日(水)の毎日新聞夕刊の「しあわせのトンボ」というコラム欄に、近藤勝重さんが「日曜日の夕ごころ」という記事を書いている。
「周辺でマンションや家が次々と連なっているせいで、郵便受けはいつも不動産関係のチラシであふれ返っている。
うんざりだが、チラシの中に手紙やはがきを見つけると、心の底からわいてくる幸福感を覚え、気分が一変する。
誰からの便りだろう。エレベーターに乗っている間、相手の名前を見たくても見ないでいると、期待も大きくふくらんでくる。
どれどれと、部屋で封書を裏返しにする。○○さんだ。懐かしいなあ。これは・・・あいつからだ。それが同窓会の案内だったりすると、何倍もの喜びがある。」
メールをやりとりしている若者には、この気持ちは分からないだろうが。
マンションに移り住んでから、早いもので4年近くもの歳月が流れている。電話の数も減ってしまったし、手紙の数も少なくなってしまった。
相棒の竜超君が『薔薇族』を復刊してくれて、これも何年が経った。その購入してくれる部数は僅かな数だが、女性の読者が多くなってきているのはうれしい。
その人たちがときどき、はがきや手紙を送ってくれる。どの女性も文字が美しく、またインテリが多い。
僕のブログを見てくれていて、「内藤ルネ展」や「バイロス蔵書票展」を見に来てくれている。
僕が売れない、売れないと愚痴をこぼすものだから、『裸の女房』も購読してくれているようだ。
M・Kさんは「『裸の女房』では、ミカさんのさみしさを想います。また、文学さんはとても疲れたのではないかなと思いました。
ところでどうして『ミカ』という名前にしたのでしょう。どんな思いがあったのか、お聞きしたかったです。
吉田絃二郎さん(僕の父が尊敬していた作家)は、吉田さんに限らず、罪悪感があるからこそ、相手に(奥さん)尽くせたのだろうと思いました。その罪悪感はどうしても必要だったのではないかしら・・・」
吉田さんのことは、本を読んでもらわないと理解できないかも。
「文学さんはとても疲れたのではないかと」、先妻のミカが亡くなってから40年。原稿を書こうと思って書き出してから7、8年。本当のところ、疲れたかもしれない。
風邪を引いて1ヶ月近くたっても良くならないなんて、今頃になって疲れが出てきたのかも。
近藤勝重さんのコラムのタイトル「日曜日の夕ごころ」というのは、若い人にはこの気持ちは理解しがたいだろうが。
郵政民営になったら、日曜日にも郵便が配達されると期待してたら、日曜、休日は配達なし。これでは年中無休のクロネコヤマトに勝てるはずがない。近藤さんのコラムはこう締めくくる。
「部屋でぽつんとなりがちな夕方の時間を埋めてくれる夕刊もない。
そうして深まる夕ごころから、つい郵便受けをのぞいたばかりに、胸の中まで空っぽになり、暮色のベランダに、一人立っていたりする」
新聞も読まなくなってしまった人たちに、近藤さんの嘆きは伝わらない。「毎日新聞」って、良い新聞なのに。
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