今年も桜が咲きはじめて
3月28日(日)、桜がちらほら咲はじめたが寒いのなんのって。また冬に逆戻り。その寒さもなんのその。シートを敷いたり、段ボールを敷いたりして、お花見の宴会を開いている人もいる。ビールなんて飲んだら、体が冷えてしまうのでは。
北沢川の緑道の桜並木にまつわる話を書いてみよう。3月19日が僕の78歳の誕生日。昭和7年の生まれだ。
青山の隠田で生まれて、まもなく代沢に越してきた。その頃、桜は植えられたのでは。そうだとすると、桜も80年ほど生きてきたという事に。
二子橋を作り直すときに、土台を作るために大きな穴が掘られていた。その穴にはかなりの水がたまっていた。今ならその周りを人が落ちないように工夫されているが、その当時は、縄を周りに張っただけで夜は薄暗い。僕が小学校5、6年の時だったろうか。夜、酔った人が穴に落ちて死んでしまった。死体が引き上げられて寝かされていたが、下半身が露出していて、オチンチンが大きくなっているのを子供心に覚えている。
何年か前に亡くなられた東宝の監督が、喫茶店の「邪宗門」によく来られていたが、その監督から、穴に落ちて亡くなられたのは、東宝のカメラマンということだった。
北沢川も周辺に家がびっしりと立ち並ぶようになってきて、どぶ川化してしまったので、区が大金を投じて暗渠にし、下水の水を再生して流し、何年かかけて緑道は生まれ変わった。
20年以上も前のことだろうか。親父が「世田谷文化の会」というのをやっていて、「さくらまつり」を開いたことがある。この立て看板は、僕が書いたものだ。
川柳家だった親父は、あんどんを桜の木にくくりつけ、川柳を書き、夜になると、ろうそくに灯をともすという風流なことをしたものだ。
バブルの頃は、広告をとって、ずらりとちょうちんを並べたが、『薔薇族』も1ケ1万円もするちょうちんを地元の信用金庫と張り合って10ケも寄付したのだから豪勢なものだった。
戦時中、切られてまきにされたり、桜の木もいろんなことがあって、生き延びてきている。人間と同じ事なのかもしれない。
『薔薇族』のちょうちんが10ケも。
二子橋、田舎の川みたい。
78年前の桜並木
僕が書いた立て看板
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