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2010年4月 2日 (金)

墓からあばいてしまったような

 100数十年前、書物をこよなく愛する人たちが、所有している本の見返しに貼って、所有をあきらかにしたものだ。

 ラテン語で「EX LIBRIS」といい「誰それの蔵書」という意味だ。ヨーロッパでは、ほとんどが銅版画で刷られている。

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 500年ぐらい前、貴族が所有する本は、羊の皮に書かれたものだったが、ドイツを中心に印刷技術が発達して、紙に刷れるようになってきた。

 蔵書の数も増えてきたために、その所有をはっきりさせる必要があり、最初は貴族の紋章を印刷して本に貼った。

 それが19世紀の終わり頃から20世紀の初頭にかけて絵に変わってきた。お金持ちが版画家に頼んで、自分の好みの絵を書いてもらって本の見返しに貼ったものだ。

 犬や猫の好きな人は犬猫の絵。女の好きな男は女性の絵。もちろん男の好きな男は男の絵を書いてもらった。

 これは人に見せるものではなく、自分だけのものだからエッチな絵柄も多く残っている。これらの銅版画は本の見返しに貼ってあったものだが、当時ののりは今ののりと違って、ちょっと水に浸せば、すぐに剥がれてしまう。それらがドイツのオークションで売りに出されるのだ。

 100年以上前にだって、今と同じようにゲイの人はいたに違いない。ひそかに自分が大切にしている本に貼って楽しんでいたのだろう。それがはるばると海を渡って、日本のインターネットで紹介されるなんて思いもしていなかっただろう。

 果たしてその持ち主は、どんな思いを持つだろうか。1920年と年号が入っているものもある。墓から掘り出してあばいてしまったようなへんな気分がしている。

 
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