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2010年4月 9日 (金)

ポルノ時代の旗手だった!

 『薔薇族』を復刊したのは、昭和46年(1971年)7月に出した9月号だ。その創刊号を見て「週刊文春」が取材してくれた。

 昭和46年8月30日発行の「週刊文春」8月30日号・特価90円とある雑誌を見つけ出した。その時代、週刊誌で流行していた「ワイド特集」というやつで、11ページもの大特集である。

 「ワイド特集・ポルノ時代の旗手たち」という大見出しがついて、旗手に選ばれた7人の中のひとりに僕が入っている。

 この時代はマスコミの世界でも、まだ同性愛はタブーとされていたし、3大紙にも同性愛の記事は見当たらなかった。

 僕に付けられたタイトルは「③ホモでない男が創刊したホモ雑誌・『薔薇族』は世の中をよくするためにある?」とある。

 マスコミにとって、ホモでない男がホモの雑誌を創刊したことに興味を抱いたのだろう。

 まず記事の書き出しには、こんなことが書いてある。先妻の舞踏家、伊藤ミカが事故死を遂げて話題になった翌年の事だから「週刊文春」も記事にしてくれていたから、そこから始まる。

 「記憶の良い読者ならば『金粉ダンサー』として名を売った女流前衛舞踏家を思い出して頂けるだろう。」

 ミカは「皮膚という衣装を着けて踊っている」と言っていた人だ。金粉を身体にぬったら、皮膚は見えなくなってしまう。

 暗黒舞踏派と言われた土方巽さんのお弟子さんたちが、キャバレーなどでアルバイトとして踊っていたときに金粉ショウをやっていたのを記者はカンチガイしたのだろう。

 親父にまでインタビューしている。

 「文芸書の出版を願って、息子の名前を文学とつけたんですがねえ」と肩を落とす感じ。「ホモの雑誌なんて売れますかねえ。問い合わせはずいぶん来るようになりましたけど・・・。この間も60歳ぐらいのおじいさんが来て、このわたしに、あなたもホモですか?って聞くんですよ。参りましたなあ。」と苦笑する。

 ホモの専門家は、この雑誌をどうみるか?

 オカマのとうごうけん氏。

 「ホモセクシャルかて人間のすることや。それを社会が差別して見とるだけですねん。ホモの人たちは私を応援してくれた数の10倍も20倍もいますねんで。(参院選に出馬して落選)ですから、こういう雑誌が出て差別がなくなる方向にいけばええことですわ」と好意的だ。

 大阪で「同好」を出していた毛利清一氏は無視するかまえ。

 「ホモ道が商売道具になるようじゃ地に落ちたね。おおっぴらにすれば世間の物笑いのタネになるだけですよ」

 この方は確か、医者でもあったと思うけれど、評論家・奈良林祥さんもコメントしているが、当時の医者の考えも、この程度だった。

 記者の「この雑誌の売れ行きは、ホモ族の数が増えるかどうかにかかっているのだが、その点はどうか」の質問にこう答えている。

 「増える傾向にありますね。母親のする仕事が減って過保護児が増えているからです。彼らは精神的乳離れができず、未知の世界である異性を感じるようになれないのですよ。
 日本ではこれからだけど、外国には多いんです」(後略)

 いつの時代にも同性愛者は同じようにいたのだけど、表に出なかっただけのことだ。「売らんとすれば〝悪書〟たらざるを得ず、〝良書〟たらんとすれば、経営成立たず・・・。『薔薇族』の道はイバラの道か。」と記事の最後を締めくくっている。

 確かにその後、4回も発禁をくらい、始末書も20数回とられたのだから、イバラの道が続いたということだ。

Photo

★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学

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★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。

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