男同士の愛が美しく
このドラマの反響は、賛否両論でテレビ局に多数の投書が寄せられたそうだ。
「ある若い女性はレポート用紙にビッシリと30枚も書いてくれている。そして、意外なのは若い女性が多いということだ。その中の一人で小樽のM子さんは、次のようなことを書いてくれている。
私も既成概念を越えた表現へ共感を持ったひとりです。男同士の愛がこんなにも奇麗に、そして、切なく、いとおしく、描かれたのを見たのは初めてです。
人を好きになるということ、愛するということ、これを男女間だけのものと決めつけてしまいたくない。(略)これからも真実の愛を考えさせるドラマを作ってください。
また、かなりの年配であるK氏は、こんな手紙をくださった。
学生時代、運動部で一緒だった後輩のN君とは気が合って、山へ登ったり、映画を見たりと、いつも一緒に遊んでいた。
後年、社会人となり、K氏は結婚することになった。結婚式当日、N君は来なかった。後日、わかったのだが、N君はK氏の結婚式の日に自殺してしまったのだ。
原因は分からず遺書もなかった。だが、今回、『同窓会』を見ていて、ハッと胸を抉られる思いがした。自殺したN君の想いがわかったのだ。
K氏は、N君の墓参りに行き、30年ぶりにN君に逢ってきたという。
ドラマの中の『アタリと風馬』の友情と愛の関係は、形こそ違え、多くの人々が経験していることだと思う。
ただ、それに気づかないうちに時間の流れの中で忘れ去ってしまっているのではないだろうか。」
このドラマ、17年前だから勇気あるスタッフの人たちの力で実現できたのだろうが、かえって今の方が、このような作品を作り出すことはできないのでは。
やはり共感して、メールなど無い時代に、テレビ局に投書してきた人は女性だった。女性の力は、すでにこの時代から生まれていたのだろう。もう一度、『同窓会』を見てみたいものだ。
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