のんびりした軍隊生活を描いた絵はがき
僕は終戦の年が中学1年生だったから、兵隊になって戦場に赴くようなことはなかった。2年生以上は軍需工場に動員されていて、たまにしか学校には顔を出さない。
教官室というのがあって、軍隊を退役した将校が学校に配置されていて、その下に下士官がいた。校長よりも権力を持っている、こわい存在で、教官室の前を通るときは恐る恐る通ったものだ。
小銃に似た木製のもので、敵を倒す銃剣術の練習を毎日のようにやらされた。歩調を合わせて行進する練習、北朝鮮の軍隊のような大げさに足をあげて歩きはしないが、揃って歩くのは難しい。
2年生の1年生に対するお説教、放課後、全員集められて板の間に長いこと正座させられたり、お互いに向き合ってビンタの殴り合いをさせられた。
2年生の有力者に親しい人がいると裏口からこっそり帰される要領のいい奴もいたが。殴られることになれてしまっていたから、そんなに苦痛でもなかった。
上級生に対しては絶対で、外で出会うと敬礼を兵隊と同じようにしなくてはならない。よし、2年生になったら、1年生にお説教してやろうと思っていたら、終戦になってしまい、そんな野蛮なことはできなくなってしまった。
今の子供たちは、親からも、先生からも殴られることはまずない。いいことなのか、悪いことなのか。
兵隊さんの生活を描いた絵はがきが出てきた。兵隊たちが家族に送るためのものだろう。昭和の初期の頃のもので、のんびりした軍隊生活が描かれている。戦争さえなければ、兵隊たちの生活は楽しさもあったのだろう。
今の自衛隊にも、こんな絵はがきが作られているのだろうか?
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