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2010年8月 4日 (水)

行動を起こさなければ、何も始まらない!

 昭和46年に『薔薇族』を創刊したのは、夏の頃だったろうか。もう忘れてしまったが、いろんなマスコミが取り上げてくれて、お堅い「週刊朝日」までが、創刊を報じてくれた。「人生薔薇模様」のコーナーに、「踏み出せぬ一歩」と題して投稿してくれたのは「大阪・無名士」さんだった。

 なんと大阪から『薔薇族』を購入するために、わざわざ上京したというのだから驚きでもあり、感謝の気持ちでいっぱいだった。この大阪の人だけではなく、何時間もかかって上京した人も多かった。

 「昭和46年秋、ある銀行のロビーで、何気なく手にした『週刊朝日』のコラムに、男の雑誌『薔薇族』の創刊を取り上げた記事を発見した時、私はわが目を一瞬疑った。
 心の片隅で、そのようなものを求める気持ちはあったけれど、その方法、手段を何も知らなかった。
 『あった、やっと見つけた』という感情のたかぶりとともに、その時、私は自らの男性指向の思いをはっきり意識した。
 いても立ってもいられない気持ちで上京し、上野駅のホームの電話帳で、第二書房を探し出し、どこで売っているかを聞いた。
 それから一ヶ月おき(当時は隔月刊だった)に、今はもう廃業してしまった、銀座の大雑堂まで往復三時間、1000円の交通費をかけて通い、『薔薇族』を手に入れ続けた。
 書店員と客の視線を浴びて、まさに清水の舞台から飛び降りる心境だったけれど、こういうたぐいの情報を手に入れる術を他に知らなかった当時の私にとっては、『薔薇族』の一冊は、まさに至宝だった。
 一行の広告も載せず、真摯にホモに取り組んだ『薔薇族』は、この道に孤独な私が、コミュニケイトできる唯一の友人であり、鬱積するストレスのはけ口だった。
 毎号掲載される通信欄を読みながら、私は何度も手紙を書こうとしたことだろう。しかし、田舎の学生下宿ゆえ、プライバシーが漏れてしまう危険性を考えれば、手紙を出す勇気を持つに至らなかった。
 ただ想像を逞しくして、グラビアの美少年を眺めながら、下宿の布団の中で、一人裸になってもだえつつ、幾度も射精した。(中略)
 銀行で『薔薇族』の存在を知ってから早くも6年、私の26歳代もあとわずかで終わろうとしているのに、私の思いは何も具体化されない。
 手を出してチャンスに挑めば、あるいは思いを叶えることができたかもしれない。でも、どこかで、このようなことが露見して、万一の事態に立ち至ることになるかもしれないと思うと、一歩も踏み出すことはできない。
 今ではもう半ばあきらめて、毎月発行される『薔薇族』を読みふけり、ひとり夢想の世界をさまようことが分相応と心得ている。
 今夜もまた、今朝の満員電車で乗り合わせた、うなじの美しい長髪の、あの高校生を想い起こしながら、私はひとり、青春への郷愁に満ちた、美しいメルヘンの世界へ昇ってゆく。」(大阪・無名士)

 大阪と記しているが、6年前は東北の方に住んでいたのだろう。こんな人が今どきいるかと誰しもが思うかもしれないが、行動を起こす勇気がなくて、時を過ごしている人は今でもいるのでは。

 僕は勇気を出して行動しようと叫び続けてきたのだが。ヤナジュンの「やらないか!」という呼びかけを、今こそ声を大にして叫ぶときではないだろうか!

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