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2010年9月17日 (金)

弥彦村で不思議な出会いが...

 女房の古里、新潟県弥彦村を訪れる時の楽しみが一つ増えた。弥彦山の麓の杉の大木の中に囲まれて建つ「レストラン・マジックディッシュ・森」である。丸木小屋だ。

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 弥彦山の木を切り出した材木を使っているわけではない。全てカナダから持ってきた丸太だ。

 12、3年ほど前、弥彦神社の門前にある旅館、「冥加屋」さんが、カナダから大工さんを3人ほど呼び寄せて何ヶ月もかけて作らせた。

 この「冥加屋」さんは、戦前からある古い旅館で、2階に上がる階段の踊り場の壁面に100号ぐらいの大きな油絵が飾られていた。

 少年が3人、ふんどし姿で海岸の砂浜に座って、カニと戯れている絵だ。少年愛の読者に喜ばれるのではと、この絵を写真に撮って『薔薇族』に載せたことがあった。

 戦時中、戦火を逃れて弥彦に滞在していた画家(お名前をどうしても思い出せない)が、お世話になったお礼にとこの絵を残していかれたそうだ。

 少年の姿が生々として可愛らしく、いい絵だったが、保存が悪かったのか、かなりひび割れていた。ふとこの絵のことを思い出したが、今はどうなっているだろうか。

 ここ、12、3年というと、日本の景気が落ち込むばかりで、僕がオープンさせた「ロマンの森美術館」も、昨年6月、閉館に追い込まれてしまった。

 この8月の孫の夏休みに、次男の運転で弥彦を訪れたおりに、この丸木小屋のレストランがどうなっているのかと気になったので、ちょっと横道に入って訪ねてみた。

 入り口に営業中の札が下がっていたので、扉を開けたら女の人が出てきた。「お茶だけでもいいのですか?」と聞いてみたら、「どうぞ!」ということで椅子に座った。

 ここを訪れるのは何年ぶりだろうか。オープンした頃は、「冥加屋」の息子さん夫婦が切り盛りしていたが、今は経営者が変わったそうだ。

 ひととき丸太で作った「ログハウス」が流行ったことがあった。木のぬくもりっていいものだ。何となく心が落ち着く。

 ご主人が出てきて、「伊藤さんですか?」と声をかけられてびっくり。さっきの女の人は奥様だそうで、ふたりでお店を任せられているそうだ。

 東京でデザイン会社に勤めていたが、ふたりで台湾に旅行したおりに、屋台の料理を食べてからコックになろうと思い立った。

 それから東京のレストランで修行をしてから、この弥彦に縁があってきたそうだ。翌日も昼のランチを食べに行き、僕の著書をプレゼントした。

 僕の長男と同じ、東京オリンピックの年に生まれたとか。「伊藤さんと出会ったこと、奇跡のような気がします」という。

 僕も通り過ぎてしまえば、会うことはなかったろうに、不思議な出会いだった。弥彦温泉も不景気のどん底で、今年になって4軒も旅館が店を閉めたようだ。

 地ビールが話題になって行列ができるほど賑わっていたお店も、「三條新聞」によると倒産したとか。

 何とかレストラン「マジック・ディッシュ・森」が長続きするように、弥彦に行くことがあったら立ち寄ってもらいたいものだ。きっといい思い出になることは間違いないから。

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