同じ年齢の人が亡くなるのは辛い...
クレイジー・キャッツの谷啓さんが9月11日、午前5時7分、脳挫傷のため東京都内の病院で死去した。
谷さんは、10日午後6時前、東京三鷹市の自宅で階段を上る際につまずいて転倒し、顔面を強打して、近くの病院に運ばれていたという。
谷啓さん、テレビで楽しませてもらっただけのことだが、僕と同じ年齢の78歳、それに転倒して顔面を強打したことが原因の死であるということ、ショックだった。
忘れもしない、下北沢の茶沢通りに面したマンションの一室を保証協会にとられ、越してきた代沢3丁目のマンションでの初日のことだ。
玄関を表に出たとたん、すべって前のめりに転倒してしまった。週に2回、共有の場所を掃除にくる業者がいて、玄関先のタイルの部分に水を撒いていた。底がつるつるにすり減っている履き古しのサンダルで出たのもいけなかった。一瞬の出来事だ。注意するしないなんて言っているひまもない。
ぺたっと這いつくばってしまったのに、顔も打たないし、人口膝を入れている左膝もそれほど痛くはない。すぐに立ち上がることができた。
東京医大での膝を手術してくれた正岡先生の診察でも異常なしということだった。
永六輔さんも、転んで顔面をけがしたり、肋骨を折ったというのに、僕の場合、運が良かったとしか言いようがない。
それにしても同じ年齢の人が亡くなったという話は、あまりいい気持ちではない。若ぶってはいるが、身体の衰えは感じている。昨日、二科展の最終日、六本木の国立新美術館に新潟の三浦梨加さんが、作品を展示しているので見に行ってきた。
ガラス張りの巨大な建物で、絵画、彫刻、写真、、デザインと、ところ狭しと展示されていて、とっても全部を見るなんて言うことは、肉体的にできるものではなかった。
三浦さんの作品だけは、探し当てて見ては来たが、こんなに画家がいることも驚きだ。9月15日から27日まで、友人の池田茂雄君が、行動展に作品を出しているので、これも見に行かねばならない。
この他にも絵画の団体は数多くある。この中で、絵画を売って生活が成り立っている人はどのくらいいるのだろうか。
下北沢の画材屋さんのご主人が、絵の具が全く売れないとこぼしている。こんなに大きな絵を書いても日本の家屋では飾るところはない。ずらっと並んでいる作品のうち、売れる作品があるのかと心配になってくる。
年に一度の展覧会だから、目立たなければいけないから、大きな作品ばかりになる。小さくたっていい絵はある、かえって小さい絵を展示したら、目立つのでは。
二科展に入選できない画家もたくさんいるのだから、大変な世界だ。何の世界でも一歩先んじるということは運もあるのかも。
この年になって、何となく先が見えてきている。残された年月をどう生きればいいのか。
駒澤大学の名誉教授の田上太秀さんが、東京新聞に佛教談話として、いいことを書かれている。
「釈迦は神を信仰しなくても、人は本当の安らぎを得られる道を教えた人である」
キリスト教とイスラム教が争ってコーランを焼くとかで大騒ぎしていた。宗教って恐ろしい。神にはなれないが、ブッダにはなれるという釈迦の教えが正しいのでは。
まだまだ頑張っていい仕事を残したいものだ。
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