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2010年10月28日 (木)

57年ぶりに、また序文を寄せてくれた!

 僕は、世田谷中学(現在の世田谷学園)の4年を修了して大学を受験した。当時は新制大学に切り替わる前で、予科というのがあった。

 明治大学、法政大学、国学院大学を受験したが、全て落ちてやむなくコネで駒沢大学に入学することができた。世田谷中学も永平寺の貫首(かんず、最高位の僧)にまでなられた山田霊林先生の著書、「禅学読本」を第一書房時代に手がけた父が懇意だったので、入学をお願いしたわけだ。

 頭の悪い僕は、劣等感の塊だったが、万葉学者の森本治吉先生の教えを受けて、短歌を作るようになっていた。森本先生はアララギの同人で、「白路」という短歌誌を主宰していた。

 その頃、各大学の短歌会に所属する学生たちが結集して「大学歌人会」が結成された。

 東大、早大、国学院大、中央大、学習院などの学生が参加して、東大の三四郎池のほとりにあった山上会議所で、昭和25年に初の短歌会が開かれた。

 駒大からの参加は僕一人だけで、みんな頭の良さそうな学生ばかりで、僕はうつむき加減だった。

 そのときにどんな作品を出したのかは忘れてしまっているが、東大国文科の中西進さんが、僕の作品を絶賛してくれたのだ。

 それからの僕は、中西さんの言葉で自信をもらい、人生が変わったと言えるだろう。僕のアイデアで手のひらに乗るような豆本歌集を出すことを考えた。

 その頃、親しくなっていた教育大学(現在の筑波大)の学生の相沢一好君と一緒に豆本歌集を出した。しかし、1000部作るのに5000円もかかる。親父に頼んだが貸してくれなかった。その頃、東横百貨店に勤めていた姉に頼んで借りることができた。姉の月給は5、6000円だったのでは。

 1冊10円で売れば5000円利益が出るということだ。評判が良くてたちまち売れてしまい、姉に5000円返すことができた。

 残念なことに相沢一好君の「夜のうた」は手許にあるが、僕の歌集「渦」は手許にない。その「渦」の序文を中西進さんが寄せてくれたのだ。

 9月25日の毎日新聞に1ページも使って「聞きたい、この人の言葉・創造的な批評こそ学問」と題して、現在は帝塚山学院長、奈良県立万葉文化館館長でもある中西さんと岩村暢子さんとの対談が載っていた。

 中西さんんは81歳、その写真はお元気そのものだった。つい最近、57年前に僕の歌集「渦」に寄せてくれた原稿を見つけ出していたのだ。

 僕の作品をほめてくれているのはわかるが、キラキラした文章で、その頃も理解できなかったが、今読んでもよくはわからない。

 毎日新聞での対談も、前半は理解できるが学者のしゃべっていることって、後半は難解でわからない。

 みつかった原稿と対談を読んでもわからないと書いて手紙を書いたら、「旧稿すっかり忘れていました。おわびの気持ちを持ちながらもう一つの序を戯れてみました。お互いいつまでも元気でいましょう」とあって、「渦、もう一つの序」という一文を寄せてくれたではないか。全部、紹介したいが、長いので載せられないが、57年ぶりに序文を寄せてくれたなんて、こんなことってあるだろうか。友情に感謝するばかりだ。

 「伊藤文学君の作品には、繊細な、まるで吐息のような愁いがある。
 これこそが、伊藤君の作品の青春性といってよいだろう。(後略)」

 57年ぶりに、またも勇気と自信を僕に持たせてくれた。ありがたいことだ。

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コメント

本日のワークショップを楽しみにしておりましたが
この天気では、致し方ありません。
次回が待たれます、どうぞお体をご自愛下さい。

投稿: A・H | 2010年10月30日 (土) 12時14分

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