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2011年3月29日 (火)

『娼妓解放哀話』が僕の哀話に!

 僕の祖父、伊藤冨士雄は、大正時代に吉原などの苦界に身を沈めていた女郎たちを1000人近くも救い出した闘士だが、計算の力も強い人だったようだ。

 そろばんをパチパチはじいているところへ『娼妓解放哀話』(中央公論社刊)の著者、沖野岩三郎さんが訪ねたそうだ。
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 「『何の計算をしているのですか?』と聞いたら、伊藤君はこんなことを言った。『実に驚いた話です。今まで僕のところへ女郎を廃業したいからと言って、救済を頼みにきた娼妓(当時は公認されていた売春婦、貧しいが故に親に売られた女たちのこと)の中の158人に樓主(娼妓を買い取った雇い主)に樓主との貸借関係がどうなっているかと聞いても、正確に自分の借金がどのくらいあるのか答えられたものはわずか70人だけでした(貧しいが故に小学校にもろくに通えなかった無学な女たちだった)。
 この70人を廃業させたときに、詳しくその貸借関係を調べてみると一人分の前借金の平均は337円74銭(今のお金にしていくらになるのか、僕には計算できない)で、総計金2万3641円80銭になっている。
 その前借金に対して70人の娼妓が悲しい稼業を強制された歳月は合計186年10ヶ月になります。即ち一人前平均2年8ヶ月稼いだのですが、樓主の帳面では、彼女らが合計186年10ヶ月の間、肉をひさいで、やっと328円55銭しか、前借金の償却ができていない勘定になっています。
 つまり彼女らは平均2年8ヶ月ずつ淫売させられて、一人前たった4円69銭3厘の借金払いしかできなかったのです。
 さんざん淫乱男のオモチャにされて、死ぬほどの苦しい思いをしながら、1年にわずか1円75銭9厘、1ヶ月に割り当てると、たった14銭6厘6毛、1日平均4厘9毛弱ずつしか借金が返せないという仕組みになっているのです。
 娼妓に自由廃業をすすめることを悪いことでもするように思う人たちは、この計算を一通り見るがいい。
 今、この70人が自由廃業をしないで、正直に樓主の言いなり放題になって稼いで、前借金のなくなる日を待つとしたらどうだろう。
 1日平均4厘9毛では、実に188年10ヶ月と6日の長い年月を稼がなければならない計算になるのです。
 いかに無病息災な元気な女性であっても、娼妓を188年10ヶ月も勤められるはずがありません。どうしても1日も早く公娼全廃までこぎつけなければならないが、まず今日のところでは、娼妓自身に、自分たちは金で買われた身体ではないという自覚だけでも与えてやりたいものです』」

 お金の価値が今の時代と違うから、ぴんとこないけれど、188年10ヶ月働かなければ借金が返せないという仕組みになっていたということだろう。

 僕の親父も、病気で倒れるまで給料を僕にくれなかったということは、女郎屋の親父と一緒だったということか。

 算数が全くできない勉強嫌いな僕は、無学としかいいようがなく大正時代のお女郎さんと同じだったとも。

 このブログを見てくれている人、本を全く読まないと、僕みたいになってしまうから、読書にはげんで勉強に精を出してもらいたいものだ。

 祖父は数字に強かったそうなのに、何で僕は数字に弱いのだろうか。79歳の僕があと100年生きても税金を払いきれない。何のたたりか、苦界から抜け出せそうもない...

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