桜の老木に励まされて!〜森茉莉さんを語る会を開く〜
ソメイヨシノという桜は、寿命があって、7、8年ぐらいということだ。我が家のそばに、かつては代田川があり、淡島の東急バスの車庫から環七まで両岸が桜並木になっている。
僕の子供時代には堤防などはなくて、田舎の川と同じように美しい水が自然に流れ、コイやフナやドジョウなどが生息していた。
戦後から畑が住宅に変わり、多くの人が住むようになり、川は汚れ、ゴミ捨て場と化してしまった。
現在は地下に下水を流し、その上が公園化され、下水の水を再生してきれいにし、せせらぎのようになり、区民の憩いの散歩道になっている。
両岸には、桜の木が何百本と植えられ、4月の桜が咲く頃は、花見客で大にぎわいになる。
僕は、青山の隠田(おんでん)というところに、3月19日に生まれ、100日経ったころ、代沢の地に移り住むようになった。
父が撮った貴重な、その頃の写真がある。小さくてよくはわからないが、桜並木を歩いている母に抱かれいるのは79年前の僕だろう。
桜も植えられたばかりで倒れないように木で支えられている。桜も僕と同じように年齢を重ねたということだ。
世田谷区の土木課のお役人は、強風が吹いて老木が倒れ、けが人でも出たら大変だと、まだまだ生きられる老木を切り倒し、植え替えている。
若い木を植え替える費用は、1本で何十万もかかるそうだが、予算を取って徐々に老木を切り倒している。
丁度、僕と同じ年齢の桜の木だ。僕だって徐々に身体は老化し、弱ってきていることは確かだ。
桜の老木だって、まだまだ生き続けて花を咲かせている。無残にも切り倒されてしまった、太い老木の切り口から、また芽が出て大きくなってきているではないか。まだ生きているんだ!桜の老木は叫んでるようだ。
しかし、造園業者だって仕事が少なくなってきているのだろう。区の仕事をもらって桜の木を植え替えなければお金が入らない。仕方がないことなのかもしれない。
SM作家の団鬼六さんが、講談社から「死んでたまるか」というエッセイ集を出された。
僕の「やらないか!」(彩流社)の出版を祝う会を昨年の11月に、銀座のキャバレー「白いばら」で開いたが、団さんも出席してくれた。
12月28日には、団さんも「白いばら」で出版を祝う会を開かれたので、僕ら夫婦も出席したが、団さんはいくつもの病気を持っていて、僕と同じ年齢だが、衰えが目立つ。ちょっと心配である。
僕は、他人様の書かれた本をほとんど読まなかったが、あと数年の命と思ったら本を読みたくなってきた。
まず手始めに森茉莉さんの「戀人たちの森」を読んでみた。平成19年の「ユリイカ」が、森茉莉特集出した時に、「『薔薇族』的森茉莉考」を書かせてもらった。まったく森茉莉さんの本を読まずにだ。
ところが本を読んでみると、見えなかったところが見えてきている。3月19日(土)午後2時から午後5時まで、森茉莉さんが仕事場と憩いの場にしていた喫茶店「邪宗門」で、森茉莉ファン、『薔薇族』の読者だった人にも来てもらって、僕の話を聞いてもらいたい。森さんも住居跡も案内します。
会費は1000円。下北沢駅南口から20分ぐらいのところだが、ネットで調べて、ぜひご参加下さい。
「邪宗門」:155-0033 世田谷区代田1-31-1 電話03(3410)7858
★『薔薇族』の注文の方法は、郵便局で千円の定額小為替を作ってもらってお送りください。〒155-0032 東京都世田谷区代沢2-28-4-206 伊藤文学
★新しく『薔薇族』を置いてくれる古本店・「ビビビ」が下北沢にあります。〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁1F・北沢タウンホールの筋向いです。読者好みの古書が沢山置いてあります。電話03-3467-0085です。
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