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2011年4月29日 (金)

なんとも臭い話

 永福町に住んでいる植木職人の小林君からしばらくぶりに電話がかかってきた。朝から雨が降っているので仕事ができないので家にいたからだろう。

 井の頭線の永福町駅が立派になったということだ。小田急線の経堂駅前にも、おしゃれなショッピングセンターが4月26日にオープンするというチラシが新聞に入っていた。

 戦前から全く変わらず、薄汚いのは下北沢だけで、美しい駅に生まれ変わるのには5年、10年はかかるだろうから、それを見ることは僕にはできないかも。

 小林君と知り合ったのは、終戦から4、5年後の昭和25年頃のことだ。僕が駒大に入学してからのことで、彼は時計屋の息子で高校生だった。

 その頃、永福町の駅から10分ぐらい歩いたところに朝顔園があって、大輪朝顔を咲かせることで有名な尾崎哲之助さんが園長だった。

 尾崎さんの一人娘の園子ちゃんと僕のすぐ下の妹の昭子が、立教女学院に入学してからの友人で、その縁で僕は夏休み中ずっと朝顔園でアルバイトをさせてもらっていた。

 小林君は、朝顔園のすぐそばに住んでいたので、彼も朝顔の鉢に水やりなどをするアルバイトをしていて知り合った。

 僕は記憶力が悪いので、その頃のことなど忘れてしまっているが、電話でしゃべっているうちに、ああ、そんなこともあったっけと思い出してきた。

 朝顔園の近所に八幡神社があって、大きなケヤキの木がたくさん植えられていた。秋になって落ちた葉っぱを拾い集めてきて、堆肥を作るべく、山のように積み上げていた。

 その葉っぱの間に、人糞を桶で汲み、それをかついできて木の葉っぱにかけるのだ。その時代、どこの家でも水洗便所なんてものはなかった。

 大きなカメを土の中に埋め込んで、その上に便器を置いて、そこに小便も大便もするわけだ。トイレットペーパーなんてものがあるわけがない。新聞紙を小さく切ってそれでお尻をふいていた。

 カメの中にいっぱいたまってくると、汲み取り屋さんが来て、大きな桶を二つ持ってきて汲み取り口(コンクリート製で指でつかむ凹んだ部分がある)からふたをあけて、ひしゃくの大きいものですくい出して桶に入れ、てんびん棒でかついで運び出すのだ(それをどうやって集めて運んだのかは思い出せない)。

 汲み取り屋さんのほとんどは韓国の人たちだった。近所にくず屋さんがあって、そこの息子は代沢小学校時代の一級上の子で、確か柳(りゅう)君と呼んでいたと思うが。体が大きくて健康優良児にも選ばれていた。

 心の優しい子で、僕のことを可愛がってくれて、よくブリキでできたおもちゃをもらったのを覚えている。

 日本人が嫌がるような仕事をみんな韓国の人がやってくれていたことを忘れてはいけない。

 小林君と僕が、朝顔園から少し離れたところにある尾崎さんの住居と事務所のあるトイレの組み取り口から糞尿をかついで朝顔園から運び出していた。途中にある家の親父さんがたまたま外にいて、「うちのも汲んでくれないか」と頼まれてしまった。

 僕は忘れていたけど、そういえばそんな臭い思い出もあった。乾燥すると黄ばんだ新聞紙だけがやけに目立っていたことも思い出してきた。

 東京に住んでいる人で、人様の糞尿を汲んだ人なんて誰もいないかもしれない。
 
Photo
駒大生だったころの僕

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