歌手クミコの笑顔は僕を元気にしてくれる!
僕の部屋の机の上には、歌手のクミコさんとのツウショットの写真と、クミコさんと初めてであった頃の若き日の写真が飾ってある。
僕には男の子2人しかいないが、にこやかな笑顔のクミコさんは娘のようだ。この2人の写真は、渋谷の東急文化村のオーチャードホールの楽屋を訪ねたおりに、友人のカメラマンの中嶌君が撮ってくれたものだ。
昨年の大晦日の夜のNHK紅白歌合戦に念願の初出場を決めて、「祈り」を歌ったときの衣装を着たままのクミコさんだ。
テレビではよくわからなかったが、首の回りは折り鶴がちりばめられている。広島で原爆で亡くなった少女が祈りを込めて祈っていた折り鶴をイメージしたものだ。
僕は、クミコさんの笑顔を毎日見て、元気をもらっていますと、写真を入れて手紙を出したら、すぐに返事が送られてきた。
「文学さん、お手紙ありがとうございます。あの写真は、文学さんの下北沢の『イカール館』で、初めてライブをしたときのものです。ああ、なつかしい。
コーヒー茶碗、なんて可愛い。
元気なうちに処分なんて、文学さんはずっと、ずっと元気でいてもらわねば困ります。そして、またパーティをしてもらいたい。
前回は残念ながら伺えませんでした。でも、また、ぜひ。ちっちゃなものでも、私、唄いに行きます。久美子さん(僕の女房も同じ名前)にもよろしく。
また、ワイワイしたいです。クミコ」
昨年は、紅白歌合戦が決まった後だったので、出版記念会に来てもらえなかったけれど、一昨年は出席してくれて気軽に唄ってくれた。
人間、脚光を浴びて有名になってしまうと人が変わってしまう人が多いけれど、苦労人のクミコさんは、いつもクミコさんのままだ。
明日にでもクミコさんに、アンティークのコーヒー茶碗を贈ろうと思っている。
『薔薇族』の表紙を長いこと書き続けてくれた恩人のような内藤ルネさん。相棒の竜さんがコロリと悪い奴に騙されて7億ものお金を騙し取られ豪華なマンションの部屋まで失ってしまった。
ルネさんが長い間にコレクションしたお宝を、新潟に住む僕の女房の兄が10数年も預かっていた。修善寺に美術館を建てたので、トラックでルネさんのコレクションはお返ししたが、しばらくしてまだ人形がひとつ足りないから調べてくれと言われたことが何度かあった。
僕は買うときは、いいなと思えば買い、執着心は全くないが、そんなに大事にしていたルネさんのコレクションも亡くなったらすぐさま処分されてしまった。
そのことを思うと(ここまで書いたときに千葉県沖を震源地にする震度3の地震があり、横揺れがした。この前の地震のとき、ランプが倒れやしないかと心配したが、壁の額ひとつも落ちなかった)、生きているうちに全て処分してしまおうかと思う。
骨董品なんてものは、次から次へと愛してくれる人のところに移っていくもので、人間は死んでしまえば土に還るだけだが、「物」は大事にしてくれさえすれば、また、手にした人の心をいつまでも和ませてくれる。
もう79歳、僕はそう長くは生きられないと思うものの、クミコさんの笑顔を見つめていると、まだ、まだ、生きていたいと思う。
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