人間っていつ死ぬかわからないから困ったものだ!
痴呆症とまでいかないようだけど、とにかく物忘れがひどくなっている。かなり親しい人の名前を思い出せないことがある。少し時が経つと思い出してくるから不思議だ。
文字はいつも書いているせいか意外と忘れてはいない。これは長いこと出版の仕事をしてきたからだろうか。ちょっとあぶないなと思うと辞書を引いて確かめている。
最近忘れものがひどい。大事な銀行の通帳がどうしても見つからない。それと身体障害者手帳だ。そして、今度は時計と眼鏡がどうしても見つからない。
下北沢南口の阿部質店で、ウインドウの中に飾ってあったテクノスの時計、定価7万5000円とあるのが8500円とある。質屋の親父は僕と同じ歳なので話が合うので、8000円に負けてくれた。
老眼鏡もメガネギャラリーで2万3000円も取られてしまった。もうこれ以上は忘れないようにしなければどうにもならない。
会合の日とか誰かと約束した日時は、すぐにカレンダーに大きく書いておくからまずは大丈夫だ。
団鬼六さんの通夜と葬儀が芝の増上寺で行われるようで、ファックスが地図とともに届いた。通夜は5月15日(日)午後6時から、告別式は翌16日(月)午前11時から12時半。
奥様から「とうとうお先に参りました。大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます」と添え書きがあった。
昨年の11月の「やらないか」のスナップ写真を団さんに送ったが、返事がなかったので身体の調子が悪かったのではと想像していたが、「死んでたまるか」の本を最期に亡くなってしまった。
今年も何とか本を出して団さんにスピーチをお願いしようと思っていたのに。
それにしても芝の増上寺で告別式とはスゴイ。いつか新潟の弥彦村に僕が経営していた「ロマンの泉美術館」の売店の商品は、馬喰町の「エトワール海渡」という日本でも有数の問屋さんから仕入れていたが、その会長さんが亡くなったときの葬儀も増上寺だった。
日本中に仕入れ先のお店があるのだから、参列者が雨の中を並んで、万を越したと思われる盛大なものだった。
団鬼六さん、生前から派手好きの方だったそうだから、息子さんや奥さんが増上寺に決められたのだろうが、にぎやかな葬儀になることだろう。
人それぞれに考え方が違うから何とも言えないが、僕が死んだら葬儀など一切しないでくれと息子たちには言っている。幡ヶ谷にある焼き場で骨にしてもらって、多磨霊園に埋葬してもらうだけにしてもらえばいいと。
それと忘れずに相続税を弁護士に頼んで財産を放棄してもらうようにと。
僕はかつてどれだけパーティを開いていたことか。10数冊出した本の出版記念会はホテルの宴会場で盛大に催してきた。
下北沢の喫茶店「イカール館」と新潟の「ロマンの泉美術館」で開いたパーティは数知れずだ。その度に1万円の会費を払って駆け付けてくれた友人、知人には感謝の言葉もない。
生きているうちにしばらく会えなかった友人、知人と巡り会う。それが最高の楽しみだった。
死んでしまったら多くの友人、知人が来てくれたとしても本人はいないのだからどうにもならない。
銀座のキャバレー「白いばら」がまだ生き残っていたら、僕の偲ぶ会でもやって1万円分でみんなが楽しんでもらえれば本望だ。
人間っていつ死ぬかわからないので、これだけは困ったものだとしか言いようがない。
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