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2011年5月18日 (水)

昔と今では笑いが違う?

 自分が年を取ったせいだろうか。テレビに出ている若いお笑い芸人がべらべらしゃべっているのを聞いても笑えない。バカバカしくさえなってくる。

 我が第二書房では、『薔薇族』を創刊する以前に、艶笑小話の本を何冊も出している。昭和30年代のことだ。

 小話というと西洋の小話が主流だが、それに反発して日本でも創作小話を作ろうという男がいた。寄席の仕事をしていた芝山はじめさんだ。

 僕がひとりで企画して出し続けていた「ナイト・ブックス」に、芝山さんのコント集を入れたいと思った。そして出したのが「365日しびれる本」だ。

 昭和39年8月発行で定価は280円。

 「あとがき」に芝山さんはこんなことを書いている。

 「偉大な江戸小話作家たちを祖先に持っている、この国の人々が、戦後の、このコントブームにもどうして輸入品にばかり頼っているのだろうかということであった。
 しかも、近頃は舶来品といっても同じ題材の蒸し返し、二番煎じばかりで読む方はいい加減うんざりする。
 チクショウ、僕もひとつ創ってやろうてなことになって始まったのが、この新作小話集なのであるが...。
 数年かかった。仕事は夜、自宅に限られたから、原稿用紙に向かう数時間は、それこそものすごい血の出るような緊張であった。創ったコントの数は、この本に選ばれた550話のゆうに数倍を超えているに違いない」

 芝山はじめさん、大正14年生まれとあるから、87歳ぐらいになるだろうが、今でも執筆を続けておられるようだ。

 僕が『薔薇族』を出すようになってから「江戸男色考」を長い間執筆してくれたし、ゲイのための「コント69」も続けて書いてくれた。

 奥ゆかしい

 Q君がP君に言った。
 「君は何でも知ってるのに控えめに話すから、奥ゆかしいって評判だね。たまに知っていることをすっかり話せよ」
 するとP君はちょっと考え込んでいたが、「奥ゆかしいのは、君の奥さんだと思うな」
 「えっ、僕の家内だって?」
 P君は静かに言った。
 「そうだよ。君の奥さんは洋服はひどく粗末だが、人目につかない下着はいいものを着てるからね」

 胸毛

 母親がテラ子を呼んで言った。
 「お前、Pさんとゆうべなにをしてたの?」
 「だから言ったじゃないの。胸毛をさわらしてもらっただけだって!」
 「でも、みんなが変なうわさしてるわよ。それ以上は本当になんにもしないのね」
 「でも、あの方の胸毛って、ずっと下の方までつながってるのよ」

 ある推理

 妻が外出から帰ってきて、主人の部屋のソファーに腰をかけた。
 「まあ、このソファーはあたたかいわね。誰か、今までここに座っていたのね」
 「うん、家政婦のM子が世間話をしていたんだよ。さっきまで...」
 「あら、そう」
 彼女は、次に夫の膝の上に腰を移して言った。
 「まあ、ここも熱っぽいわね。M子、きっとここにも腰をかけていたのね」

 みるからに謹厳実直で、浮気などしたことがないであろう、芝山さん、仕事から帰って夜、机の前で妄想でコントを書き続けてくれたのかと思うと笑うに笑えません。

Photo
                装画は富田英三さん

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