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2011年5月16日 (月)

理想の男を求めて果てしなく...

 先日、亡くなった映画会社「東映」のドンと呼ばれた岡田茂さんが映画製作者には不良っぽい感性が必要と言っていたとか。

 『薔薇族』は、僕がマジメ路線、相棒の藤田竜君は不良っぽい感じで雑誌を作っていた。

 僕は、マジメさをつらぬいたが、読者がアソコをもろ丸見えの写真を見たがっているのを百も承知していたから、アソコを黒く塗りつぶすのを消し忘れたことにして、何点か見えるようにしろとスタッフにそれとなく指示していた。

 警視庁の風紀係に呼ばれて頭を下げて始末書を書いてくるのは僕なのだから、それを恐れていては雑誌は売れない。

 誌上にドギツサを要求する読者も多かったが、その反面、ロマンチックな読者も多い。寺山修司君のように詩を作り投稿してくる読者も多かったので、イラストを付けて誌上になるべく詩を載せた。

 1988年の9月号にこんな詩が載っている。

 昔の男  渚

 お前と酒を飲めば
 心だけ帰郷し 父母に会える
 はるかなる山河に帰れる
 お前とコーヒーを飲めば
 底冷えする心が暖まり 
 あしたの太陽が昇る
 二度とヨリを戻せぬほどに
 傷つけて別れてしまった 今
 俺のララバイ

 おまえを愛すれば愛するほどに 
 おまえの肉体に不満がつのり
 いらだちと混乱の世界を彷徨した
 おまえの肉体をむさぼる最中に
 昔の男の尻が俺の頭に現れ苦しめた
 浮気な俺
 そんな俺を手放せば
 いのち失うとばかりに
 白く長い蠕動(ぜんどう)する指と舌で
 俺の股と菊座を
 限りなく愛撫するおまえ
 髪ふり乱して腰をおまえに
 あずけてもリフレッシュせぬ
 俺とおまえは
 悲劇のカップル
 美しい瞳のおまえ
 孤独の精のようなおまえ
 そんなおまえが喉につかえて
 呑みこめぬ
 罰当りな俺
  
 棄ててしまった今 おまえは他人の男
  
 死に場所を捜すように
 故郷を求めてさまよう旅人の俺に
 夜ごと安堵を与えてくれた
 昔の男
 凍てついた愛を胸に秘めて
 きょうも人生を紡ぐ
 暖めてくれる部屋もなく 
 あしたの太陽も昇らない
 俺の果てしまい旅ーー

 ゲイの男って理想の男を求めて果てしない旅を続ける。理想の男ってそう簡単にみつかることはないのだけど。

 男女の愛だと器量が多少悪くても(女房が怒るかな...ネットなんて見ないから大丈夫か)、他にいいところがあれば我慢してしまうものだけど。

 人間って若いときばかりではない。年月の経つのは早い。あっという間に年を取ってしまう。どっちが幸せなのかはわからないけど。

Photo

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コメント

理想と思えたものが色褪せるのは、正体が見えたからなのか刺激になれてしまったからなのか?
色が零れて褪せることは、昨今異性愛の世界でもあまた見られること。
人が寄り添うきっかけは色でも、寄り添い続ける動機が少なくなったように思います。
便利や開放がくれたディメリットかも知れません。
それでも、ひと時でも理想と思える人と醒めると解っても夢心地を味わえるのは幸せじゃないかと、性同一性障害の私は思います。
遠くの花火でなく、花火そのものの恋を求めて止みません。

投稿: ROSIE | 2011年5月16日 (月) 11時27分

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